ものづくり補助金平成24年度岡山県

溶接の内製化を実現し、提案型営業を推進

株式会社渡辺ビニール化学工業所

この事例のポイント

  • 主要取引先の建設機械業界で溶接を要する製品ニーズが大きく、引き合い案件が多い一方で、溶接を外注しているため対応が追いつかない。
  • 平成26年4月にアーク溶接機とスポット溶接機の2機種を導入した。
  • 溶接を内製化したことで、油圧シリンダーのカバーやバンドアッシーなどの溶接受注でコストダウンと短納期が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社渡辺ビニール化学工業所
所在地岡山県 和気町
業種その他の製造業
技術分野切削加工
従業員数40人
資本金1,500万円
設立1974年

事業の背景

同社は大正6年から工業用ゴム製品を手がけた渡辺ゴム工業を前身とし、昭和42年に金属プレス部門を立ち上げた。主力製品は金属プレス部品に樹脂をコーティングした製品で、自動車・建設機械業界への長年の納入実績がある。製品ニーズが増加すると見込まれる一方、溶接工程は外注していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力主要取引先の建設機械業界で溶接を要する製品ニーズが大きく、引き合い案件が多い一方で、溶接を外注しているため対応が追いつかない。
  • コスト・採算溶接を外注しているためコストがかかり、納期も長くなっていた。
  • 人手・技能溶接の作業者の技能や作業手順が十分に整っていなかった。

やったこと

平成26年4月にアーク溶接機とスポット溶接機の2機種を導入した。導入に合わせて作業者の操作教育を行い、当初は3名が機械メーカーで作業方法などの実習を受け、資格を取得した。あわせて作業要領書の作成、材料別の箱票の添付、自主検査方法としての深さの確認、溶接作業チェックシートの活用など、作業システムの改善に取り組んだ。

  • 加工機アーク溶接機スポット溶接機

事業の効果

溶接を内製化したことで、油圧シリンダーのカバーやバンドアッシーなどの溶接受注でコストダウンと短納期が実現した。カバーは以前は樹脂コーティングのみを外注していたが、内製化により収益面でもプラスになった。金属プレス、樹脂コーティングに溶接が加わり一貫生産が可能になったため、提案型営業ができるようになった。不具合やクレームはなく、ユーザーの評価も高い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自動車・建設機械業界への長年の納入実績と複合技術の優位性、溶接内製化による提案型営業への転換が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決需要増への対応として外注溶接を内製化し、コストダウンと納期短縮を図る課題認識と解決策が示されている。
  • 4
    事業を進める体制3名が機械メーカーで実習を受け資格を取得し、作業要領書や自主検査方法を整えた体制が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標コストダウンと納期短縮は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    金属プレスと樹脂コーティングを主力とし、溶接の内製化で一貫生産を目指す方向性は読み取れるが、過去の取組との関係は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車・建設機械業界への長年の納入実績と複合技術の優位性、溶接内製化による提案型営業への転換が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    需要増への対応として外注溶接を内製化し、コストダウンと納期短縮を図る課題認識と解決策が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    コストダウンと納期短縮は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    3名が機械メーカーで実習を受け資格を取得し、作業要領書や自主検査方法を整えた体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    不具合やクレームがなくユーザー評価が高いこと、溶接加工で一貫生産が可能になり提案営業できる点が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    将来は塗装部門を立ち上げ一貫生産体制を目指すとあるが、具体的なスケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    樹脂コーティングは高度な技術を要すると述べられるが、分野の普及度や高価格化の水準までは書かれていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    自動車・建設機械業界の部品供給に関わり、地域の製造業の一貫生産化に触れているが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    溶接内製化で収益がプラスになったとあるが、補助金額に対する費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接の内製化と作業システム改善は書かれるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県和気町の製造業として長年の実績があると読み取れるが、地域の特性を活かした雇用創出の記述は少ない。

今後の展望

溶接を含めたトータルな加工ができる強みをアピールし、受注拡大を図る。将来は一貫生産体制の実現を目指す。

事業者の声

生産拠点の海外シフト、多品種少量生産など、ものづくりを取り巻く環境は劇的に変化しています。当社もその変化に対応すべく、溶接の内製化を図りました。新たな加工が可能になったことで、お客様から受注を得るだけでなく提案も行っています。また、確かなものづくりを行うには作業システムも重要だと考え、改善を実施。事故や不具合がなく好結果に繋がっています。今後は溶接を含めたトータルな加工ができる強みをアピールし、受注拡大を図ります。さらに将来に向けて一貫生産体制の実現を目指します。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。