ものづくり補助金平成24年度徳島県

革新的技術を用いたステンレス溶接時のスケール除去剤及び整流器の開発

株式会社石飛製作所

この事例のポイント

  • スケール除去後の表面に雲状の模様が残り、商品価値を下げる品質上の問題が発生している。
  • ビーカースケールでの従来品と開発品を比較した結果を基に、薬品の種類、濃度、pH、配合比などの条件を変更し、その結果を特許出願した。
  • 刺激臭がなく毒劇物に該当しない環境に優しいスケール除去剤を開発し、厚さ2mm以下の2B材で初期目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社石飛製作所
所在地徳島県 松茂町
業種一般機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数26人
設立1962年

事業の背景

当社は徳島県松茂町の生産用機械器具製造業者で、充填機・乾燥機・添付文書計数装置などを製造している。『他社にはないモノをつくる』を理念としている。数年前からビーカースケールによるサンプル開発に着手し、劇物を使わない弱酸で処理できる薬品を開発して、昨年関連特許を出願した。これまでオーダーメイドの実績がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スケール除去後の表面に雲状の模様が残り、商品価値を下げる品質上の問題が発生している。
  • 人手・技能現在市販のスケール除去剤はフッ化水素酸と硝酸を高濃度に含み、人体に有毒で刺激臭も強く、取扱いと作業性が悪い。
  • その他特に小規模工場では極めて悪い作業環境の中でスケール除去作業が行われ、刺激臭のために作業が遅れがちである。
  • その他使用後の洗浄用処理排水も劇毒物を使うため、その処理に手間がかかっている。

やったこと

ビーカースケールでの従来品と開発品を比較した結果を基に、薬品の種類、濃度、pH、配合比などの条件を変更し、その結果を特許出願した。劇毒性の薬品を使わない酸スケール除去剤の試作段階に移行し、実機での溶接時のスケール除去を検証する開発を行う。整流器は顧客の声を取り入れながら約一年間かけて開発し、性能の良い整流器を完成させた。厚さ2mm以下の2B材に対して初期の目標を達成した。低周波数で電解するとスケールが早くきれいに除去できることが分かり、これも特許出願予定である。

加工機整流器

新しい製品・サービス:刺激臭がなく毒劇物に該当しない環境に優しいステンレス溶接時のスケール除去剤、およびスケール除去スピードを上げる整流器

事業の効果

刺激臭がなく毒劇物に該当しない環境に優しいスケール除去剤を開発し、厚さ2mm以下の2B材で初期目標を達成した。低周波数電解により早くきれいに除去できる整流器を開発し、特許出願を進めている。溶接部分がより鮮明な表面に仕上がり、処理時間の短縮によるコストダウンと現場の労働条件の向上が期待される。本製品を次の経営の柱と位置付け、経営の体質向上を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    当社の数年前からのビーカースケール開発と特許出願という過去の取組の延長として、次の経営の柱と位置付けると書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    強みとして特許技術と顧客の声を活かした整流器開発に触れるが、市場規模や競合との比較データは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    劇毒物を使う従来品の作業環境悪化と表面の雲状模様という課題を明示し、弱酸処理と整流器での高速化で解決する方針が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    初期目標として2B材で達成とあるが、売上や付加価値額・賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員26人の小規模企業であることのみ示され、開発体制や事務処理能力について具体的な記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    環境に優しく毒劇物不使用という価値、他社品と近似の12,000円/10kgや整流器100万円対165万円の価格比較で選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    特許出願、実機での溶接時検証、約一年間の整流器開発、本事業終了3年後の新発売と販売体制づくりという時期と段階が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来品がフッ化水素酸と硝酸を高濃度に含む中で、毒劇物を使わない弱酸系の製品として他社にないものを目指すとされている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    小規模工場の作業環境改善という意義がうかがえるが、地域経済波及や雇用創出への言及は明確ではない。

  • 費用対効果3

    処理時間短縮によるコストダウンと労働条件の向上が述べられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    低周波電解という技術と次世代製品としての位置付けはあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ステンレス溶接を必要とする産業機械製造業界での環境配慮型製品という方向性がうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業終了3年後の新発売を目指し、販売体制づくりを整える。試作品は次世代の製品と考えられ、他社従来品と近似した価格帯で市場ニーズに対する価格妥当性があると見込む。開発商品の売上げを確保・増加させ、収益の向上を目指す。

  • 目標:開発したスケール除去剤は10kg当たり12,000円での販売を想定している。
  • 目標:整流器の販売価格 165万円/台→100万円/台

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。