ものづくり補助金平成24年度香川県

競争力(高品質・短納期)強化を目的とした品質管理技術(測定技術)の確立

株式会社プロテック

この事例のポイント

  • 顧客から大径長尺製品の加工要望があったが、保有する三次元測定機では測定サイズに限界があった。
  • 2013年5月から機械を選定して発注し、2014年3月5日から7日にかけて大型CNC三次元座標測定機(高速5軸スキャニングヘッド搭載)を設置した。
  • 大径長尺製品の測定が可能になり、3DCADモデルとの比較検証や合否の視覚的確認もできるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プロテック
所在地香川県 高松市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
設立1988年

事業の背景

同社は1988年に香川県高松市で創業し、真空業界向けのコンフラットフランジ用金属ガスケットの加工から、プレス加工による製作まで手がけてきた。精密機械加工において技術と品質の評価が高く、2010年には四国の中小企業として初めてJIS Q9100を取得した。主な事業は航空宇宙関連部品や超精密部品の製造、半導体製造装置用超精密導品の設計・開発・製造で、近年は航空機エンジン部品メーカーからファンフレームの加工注文を受けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客から大径長尺製品の加工要望があったが、保有する三次元測定機では測定サイズに限界があった。
  • 納期・工程加工までは対応できても仕上げの測定には至らず、「加工」から「測定」までを一貫して請け負う体制づくりが急務だった。
  • 販路・情報発信大型の測定ができる既存の供給先は現在1社しかなく、同社に対応できる測定機を導入しなければ市場での競争力を高められなかった。

やったこと

2013年5月から機械を選定して発注し、2014年3月5日から7日にかけて大型CNC三次元座標測定機(高速5軸スキャニングヘッド搭載)を設置した。導入機で数ミクロン単位の性能検証を何度も繰り返し、高精度の測定が実証できたため、実際の製品測定も行った。測定できる範囲は幅2,000mm×奥行3,000mm×高さ1,450mmまでの大径長尺製品となり、1本のスタイラスで大型長尺製品や複雑形状製品を測定できるようになった。3DCADモデルに対応したソフトも導入し、測定結果とモデルの比較検証や色分けによる合否の視覚的確認を可能にした。操作は5日間のプログラムで習得した。

  • 検査測定大型CNC三次元座標測定機高速5軸スキャニングヘッド搭載
  • ソフト3DCADモデル対応の測定ソフト

事業の効果

大径長尺製品の測定が可能になり、3DCADモデルとの比較検証や合否の視覚的確認もできるようになった。大径長尺製品の加工では真円度や加工精度、傾斜角度の要求範囲に収めるのが難しかったが、試作品の制作を通じて大径長尺物の加工技術が備わっていることを確認した。これにより、精度・価格・納期で競争力のある大径長尺製品の精密機械加工の生産プロセスを構築できた。大型製品の新規受注が増え、航空関連部品メーカーとの取引開始や衛生用品製造装置メーカーからの受注確定につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大型測定機を保有する既存供給先が1社しかない中で、同社が大型に対応すれば競争力を高められると述べ、市場と自社の強みを結びつけている。
  • 4
    課題の認識と解決大径長尺物の測定に限界があるという課題を認識し、大型CNC三次元測定機導入で加工から測定までを一貫請負する計画が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け航空機エンジン部品メーカーからの要望や、衛生用品製造装置メーカーでの品質向上による受注確定など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1988年創立以来の精密加工と測定の一貫体制を背景に、加工から測定までの体制づくりを目指すと書かれているが、経営戦略上の位置づけは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型測定機を保有する既存供給先が1社しかない中で、同社が大型に対応すれば競争力を高められると述べ、市場と自社の強みを結びつけている。

  • 課題の認識と解決4

    大径長尺物の測定に限界があるという課題を認識し、大型CNC三次元測定機導入で加工から測定までを一貫請負する計画が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    大型製品の新規受注が確定したと成果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標の数値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    機械の選定から設置、性能検証、操作の5日間プログラム受講まで工程が示され、体制の一部は読み取れるが人材配置の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空機エンジン部品メーカーからの要望や、衛生用品製造装置メーカーでの品質向上による受注確定など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    5工程の進め方と2013年5月からの選定・発注、2014年3月の設置日は書かれているが、中長期の課題検証の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    大型長尺製品の測定と高度な加工技術を組み合わせた点は読み取れるが、分野全体の普及度や高付加価値化の水準の数字は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    航空機エンジン部品や半導体製造装置向け部品の製造という事業内容は書かれているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    高速5軸スキャニングヘッドの活用は書かれているが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    香川県高松市の地域企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は見当たらない。

今後の展望

航空機エンジン部品メーカーからは工程外注から加工外注になれる可能性が高まり、収益の向上が見込まれる。航空関連部品メーカーとは大型製品の取引を開始しており、衛生用品製造装置メーカーとも受注が確定した。今後も同様の方向性で積極的に営業展開をしていく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。