ものづくり補助金平成24年度熊本県

高濃度フィラー添加による車載用プラスチック成形品等の高強度化

ネクサス株式会社

この事例のポイント

  • 高強度化されたプラスチックコンパウンドは流動性が低く、薄肉の射出成形品としての実用化に至っていない。
  • 補助金で混錬機を導入し、試作開発を行った。
  • 主たる4組成のプラスチックにカーボンフィラーを添加することで、従来より40%強度を高められた。

事業者のプロフィール

事業者名ネクサス株式会社
所在地熊本県 南関町
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数220人
資本金9,170万円
設立1964年

事業の背景

自動車業界では部品を鉄やアルミからプラスチック(樹脂)に替えて軽量化する動きがある。既存の高強度コンパウンドは流動性の低さから薄肉の射出成形に使えず、軽量化が難しい部品が残っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高強度化されたプラスチックコンパウンドは流動性が低く、薄肉の射出成形品としての実用化に至っていない。
  • 品質・精度高濃度にカーボンフィラーを混ぜるとフィラーの分散が悪く射出成形性が下がり、配向の制御も難しく成形欠陥の発生率が高くなる。

やったこと

補助金で混錬機を導入し、試作開発を行った。当社の特殊な混錬技術と射出成形技術を生かし、利用可能で量産性の高いコンパウンドを作る均一分散造粒法の確立を図った。県産業技術センターと連携し、植物由来・石油由来・天然由来の樹脂にカーボンフィラーを混錬して強度測定を繰り返した。その結果、良好なコンパウンドに練り上げる混錬条件をおおよそ特定し、形状の良好なペレットを量産する技術にほぼ目途をつけた。

新しい製品・サービス:高強度・高流動のカーボンフィラー強化プラスチックコンパウンド

事業の効果

主たる4組成のプラスチックにカーボンフィラーを添加することで、従来より40%強度を高められた。あわせて容易に成形できる流動性を実現し、薄肉化による軽量化が可能になった。生産サイクルの短縮や使用材料の大幅な低減による収益性も見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性特殊な混錬技術と射出成形技術を強みとし、カーボンフィラー添加で従来より40%強度化できた点が具体的に書かれています。
  • 4
    課題の認識と解決フィラーの分散性不良や流動性低下という課題を挙げ、混錬条件の特定とペレットの量産化目途で解決に向かった点が書かれています。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け高強度・良好な流動性・薄肉化による軽量化を優位性とし、自動車メーカーやデジタル家電分野を顧客ターゲットとして挙げています。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献新素材による薄肉化で車載ECUケースへの応用を目指すことはうかがえますが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていません。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存製品の自動車産業向けパーツの取引を背景に、高強度樹脂の開発を次の展開として位置付けていることがうかがえます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特殊な混錬技術と射出成形技術を強みとし、カーボンフィラー添加で従来より40%強度化できた点が具体的に書かれています。

  • 課題の認識と解決4

    フィラーの分散性不良や流動性低下という課題を挙げ、混錬条件の特定とペレットの量産化目途で解決に向かった点が書かれています。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    40%強度化という結果は示されていますが、付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、実現可能性は判断しにくいです。

  • 事業を進める体制3

    県産業技術センターと連携して試験を繰り返したことは書かれていますが、社内の人材や事務処理体制の具体的な記述は少ないです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高強度・良好な流動性・薄肉化による軽量化を優位性とし、自動車メーカーやデジタル家電分野を顧客ターゲットとして挙げています。

  • 事業化までの道筋3

    試験の繰り返しや量産化技術の目途は書かれていますが、今後のスケジュールや課題解決の方法は詳しく示されていません。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    高強度で流動性の良いコンパウンドを高付加価値とする考えは示されていますが、分野の普及度や認知度の情報はありません。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    軽量化による部品開発は書かれていますが、波及効果や新たな雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れません。

  • 費用対効果3

    生産サイクルの短縮や材料の大幅な低減による収益性が見込まれるとありますが、補助金額に対する効果の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献2

    新素材による薄肉化で車載ECUケースへの応用を目指すことはうかがえますが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    自動車部品の軽量化の流れに沿う素材開発で、デジタル家電など新分野への進出を目指す点が書かれています。

  • 地域経済への波及2

    熊本県内の企業であることと県産業技術センターとの連携は書かれていますが、地域の特性を活かした成長や雇用への効果は書かれていません。

今後の展望

車載用ECUケースへの採用を大手自動車メーカーに目指す。デジタル家電などの新分野にも材料仕様の高度化を進めて進出を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。