ものづくり補助金平成24年度大分県

産業廃棄物・地域資源を利用した魚醤・肉醤等の発酵調味料の製造設備の導入

合名会社まるはら

この事例のポイント

  • 魚醤工場の建物能力は年120トンだが、発酵熟成タンクが2本しかないため年8トンの製造にとどまっていた。
  • 既存の2本の発酵熟成タンクを鮎魚醤用とし、新たに3本を増設して計5本とし、鶏のレバー・心臓の肉醤用、関アジ魚醤用、その他の魚醤・肉醤用に原料別で仕込めるようにした。
  • 新設した発酵熟成タンク、小型濾過機、自動充填機などにより、様々な魚醤・肉醤のOEM製造を受け入れられる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名合名会社まるはら
所在地大分県 日田市
業種食料品製造業
技術分野金型
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1924年

事業の背景

日田市で醤油・味噌・ラムネを製造・販売する同社は、地元の鮎養殖業者から出る規格外の鮎の再利用相談を機に鮎魚醤の開発を始め、2008年に魚醤専用工場を日田市天瀬町に建設した。2012年には大分県漁協から関アジ魚醤の委託製造の依頼を受けてOEM製造を開始し、人気が高まって品切れになるほどになった。さらに平安時代に作られていた肉醤の復活にも取り組み、食品産廃に関する相談案件が他業界からも届いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力魚醤工場の建物能力は年120トンだが、発酵熟成タンクが2本しかないため年8トンの製造にとどまっていた。
  • 品質・精度既存の濾過機は少量や未分解物の多い液体で未濾過成分が多く出て収量が悪く、コストが高くなっていた。
  • 人手・技能充填ラインは360ml以上しか自動充填できず、200ml以下が主流の魚醤・肉醤は人力による手詰めで対応していた。
  • その他食品産業廃棄物の処理に関する相談が増えていたが、対応できる設備が不足していた。

やったこと

既存の2本の発酵熟成タンクを鮎魚醤用とし、新たに3本を増設して計5本とし、鶏のレバー・心臓の肉醤用、関アジ魚醤用、その他の魚醤・肉醤用に原料別で仕込めるようにした。少量や未分解物の多い液体に適した小型濾過機を導入し、収量が5%以上増加してコストダウンと作業時間の短縮を実現した。200ml以下の容器にも対応できる自動充填機を導入し、衛生的な機械充填による大手食品メーカーやデパートからの受注に対応できるようにした。魚の骨から作る高級カルシウムふりかけの製造に向けて、小型炒り機と小型粉砕機も導入した。

  • 加工機発酵熟成タンク小型濾過機自動充填機小型炒り機小型粉砕機

新しい製品・サービス:魚骨から作る高級カルシウムふりかけ

事業の効果

新設した発酵熟成タンク、小型濾過機、自動充填機などにより、様々な魚醤・肉醤のOEM製造を受け入れられる体制が整った。小ロット注文にも対応できるため、各地のご当地魚醤の製造にも貢献できるようになった。濾過機の導入で収量が5%以上増え、コストダウンと作業時間の短縮も実現した。今後も農商工連携などの案件が増えると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性鮎魚醤は産廃となる規格外の鮎を活用し、2007年の地域資源活用事業認定から魚醤事業に本格参入した経緯が具体的に書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大分県産業科学技術センターとの共同研究で特許を取得し、三ツ星レストランの評価や関アジ魚醤の人気など強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決産廃処分に困る漁協や食品産廃の相談に応え、OEM増加に備えて発酵タンクを2本から5本にする計画が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社員数22人という情報はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    鮎魚醤は産廃となる規格外の鮎を活用し、2007年の地域資源活用事業認定から魚醤事業に本格参入した経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大分県産業科学技術センターとの共同研究で特許を取得し、三ツ星レストランの評価や関アジ魚醤の人気など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    産廃処分に困る漁協や食品産廃の相談に応え、OEM増加に備えて発酵タンクを2本から5本にする計画が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年8トンの製造能力から年120トンの生産量目標を掲げ、既に6カ国へ輸出している実績も書かれている。

  • 事業を進める体制2

    社員数22人という情報はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高級レストランや大手食品メーカー、有名デパートなど顧客ターゲットと、衛生的な機械充填の需要が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    タンク増設、小型濾過機導入、充填ライン改善など課題と対応は書かれているが、スケジュールや検証方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    鮎魚醤は新しい発酵製法で開発され、高級レストラン向けに高付加価値のブランド化を進めている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    食品産廃の再利用や地域資源の活用、農商工連携による地域波及は書かれているが、雇用創出などの数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    小型濾過機で収量が5%以上増加しコストダウンに繋がったなど、設備投資の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    産廃の再利用という循環型の取組は読み取れるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    産業廃棄物の有効活用による食品産業の取組はうかがえるが、経済構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    大分県日田市天瀬の地域資源を活用し、地域の魚や鶏のレバーを用いた地域特性のある高付加価値商品である点が具体的に書かれている。

今後の展望

年間120トンの生産量を目標に掲げ、既に米国やフランスなど6カ国へ鮎魚醤を輸出しており、さらなる売上増加を計画している。

  • 目標:年間生産量 8トン→120トン

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。