ものづくり補助金平成24年度宮崎県

焼酎麹と甘藷を用いたこれまでにない嗜好性を持つ新たな醸造酒つくりと市場への参入

神楽酒造株式会社

この事例のポイント

  • 焼酎製造で培った技術と日本の原材料を用いて、新たな嗜好性の酒類を開発する必要があった。
  • 南九州を代表する甘藷と米を原料とし、添加物を一切使わない製法で研究開発を進めた。
  • フルスケール試験製造により清澄性が目標どおりとなり、実生産に生かせた。

事業者のプロフィール

事業者名神楽酒造株式会社
所在地宮崎県 西臼杵郡高千穂町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野真空

事業の背景

酒類業界では世界各国を含め多様な嗜好性の酒が流通している。日本を代表する酒は日本酒と焼酎だが、それ以外に新しい日本の酒は見当たらない状況であった。当社は焼酎製造で培った技術と国産原料を用い、新たな嗜好性の酒の開発を計画した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術焼酎製造で培った技術と日本の原材料を用いて、新たな嗜好性の酒類を開発する必要があった。
  • 生産能力発酵もろみの粘度が非常に高く、固体分も多いため、アルコール分を含む液分の回収が極めて困難であった。
  • 品質・精度液分回収における清澄性を確保する必要があった。

やったこと

南九州を代表する甘藷と米を原料とし、添加物を一切使わない製法で研究開発を進めた。搾り工程では、清酒造りで実績の高い圧搾機を採用し、ろ布の材質を原材料の物性に合わせて慎重に選抜した。圧搾には一昼夜かけ、実生産の作業時間や生産機械の能力、製造場の動線を考慮して製造場の整備と圧搾機の据付け・試運転を行った。実際に発酵から瓶詰までフルスケールで試験製造を行い、一回の仕込みに約2tの甘藷を用いた。

新しい製品・サービス:日本芋酒(ニホンイモザケ)。甘藷と米を原料とし、度数13度、720ml瓶詰めの新ジャンルの酒。

事業の効果

フルスケール試験製造により清澄性が目標どおりとなり、実生産に生かせた。清澄性は商品として問題なく、高品質の商品が完成した。試飲では料理人やソムリエ等から好評価を得て、料理との相性を中心に新たな販路が期待される。ポリフェノールや食物繊維、クエン酸などが含まれ健康志向品としての機能も見込める。また宮崎県内での甘藷生産により地場産品の用途拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け料理との相性や飲み口について試飲者の具体的意見を集め、用途・顧客像を整理している。
  • 4
    新しさ・高付加価値甘諸と米を原料にした新ジャンルの酒で、既存の日本酒・焼酎にない新しい分野を開拓している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、清澄性の目標達成と市場期待に触れるのみで弱い。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    焼酎製造で培った技術を活かし新ジャンルの酒を開発する経緯が示され、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内に新しい日本の酒が見当たらない市場状況と、焼酎技術・国産原料という自社の強みを踏まえた開発になっている。

  • 課題の認識と解決3

    高粘度もろみの回収困難という課題を認識し、圧搾機導入と製造場整備で解決する計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、清澄性の目標達成と市場期待に触れるのみで弱い。

  • 事業を進める体制3

    フルスケール試験製造や料理人・ソムリエへの試飲評価を実施しており、製造遂行の実績がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    料理との相性や飲み口について試飲者の具体的意見を集め、用途・顧客像を整理している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の市場調査や販路開拓に触れているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性に欠ける。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    甘諸と米を原料にした新ジャンルの酒で、既存の日本酒・焼酎にない新しい分野を開拓している。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地場産品である宮崎県産芋の用途拡大に触れるが、雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    固液分離技術の確立は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記載が薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    新しい日本の酒の創出は示されるが、成長分野への進出や構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    宮崎県産の甘諸を用い県内生産で地場産品の用途拡大を目指すと記載され、地域特性を活かしている。

今後の展望

料理との相性を中心に様々なシーンを想定した市場調査の結果によっては、今までにない販路を期待している。健康志向品としての機能も見込める。また甘藷については宮崎県内での生産を図り、地場産品の用途拡大を目指す。

  • 目標:度数13度720ml
  • 目標:ポリフェノール 110mg

事業者の声

豊かな原料特性の香りに適度な甘味と酸味を感じる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。