最新型モーターグレーダ導入によるICT施工技術の確立及び新市場の開拓

北海道の建設業者が、ものづくり補助金でモーターグレーダーにICT機器を導入した採択事例です。

河西建設株式会社

この事例のポイント

  • 業界では担い手不足と高齢化が進み、2024年には時間外労働の上限規制も設けられるため、人手の確保が課題でした。
  • 道路の整地に使われるモーターグレーダーに、全周プリズム、コントロールボックス、各種センサーなどのICT機器を導入しました。
  • 道路の整地作業の多くが自動でできるようになり、オペレーターの負担が軽減されました。

事業者のプロフィール

事業者名河西建設株式会社
所在地北海道
業種総合工事業
技術分野機械制御,測定計測
設立1979年

事業の背景

河西建設は1979年に東光舗道(帯広)のグループ企業として創業し、オホーツク地方で一般道路、高規格道路、空港滑走路、河川改修の堤防天端、構内や外構、上下水道などの舗装・土木工事を手掛けてきました。近年は網走開発建設部発注の旭川・紋別自動車道や国道39号美幌町バイパス、北海道発注の女満別空港などの大型工事を次々と手掛けています。

一方で公共工事の割合が高く、仕事量が安定しないことが課題でした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能業界では担い手不足と高齢化が進み、2024年には時間外労働の上限規制も設けられるため、人手の確保が課題でした。
  • 生産能力コロナ禍や資材価格の高騰も重なり、生産性の向上が待ったなしの課題となっていました。
  • その他公共工事の割合が高く、高規格道路の完成後に受注が減るなど仕事量が不安定で、採算性にも影響していました。

やったこと

道路の整地に使われるモーターグレーダーに、全周プリズム、コントロールボックス、各種センサーなどのICT機器を導入しました。既存の自動追尾トータルステーションと連携させ、ブレードの高さなどをリアルタイムに把握できるようにしました。

把握した情報は運転席のモニターに転送され、ブレードの動きを自動制御できるようにしました。これにより、オペレーターの熟練度に関わらず高精度な整地を短時間で行えるようになりました。

新しい製品・サービス:モーターグレーダーに連携するICT施工システム

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

道路の整地作業の多くが自動でできるようになり、オペレーターの負担が軽減されました。測量や張りなどにかかる作業人員も削減され、業務の効率化と高度化が進みました。

水糸を張る作業や補助具が不要になり、省力化・省人化と作業安全性の向上につながりました。施工の品質も向上し、競争力の強化にもつながっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決担い手不足、時間外労働規制、公共工事依存による仕事量の不安定化を課題として整理し、ICT施工で解決を図る具体策が示されている。
  • 4
    波及効果・雇用担い手不足の深刻化や時間外労働規制を背景に、若い世代に魅力ある業界づくりへ貢献すると書かれ、社会的な必要性が読み取れる。
  • 4
    イノベーションへの貢献ICTとモーターグレーダーを連携させた建設現場のデジタル化を、業界全体の生産性向上の取組として示している。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は事例に記載がなく、目標の実現可能性を判断できる数値が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1979年創業の舗装会社で、ICT施工を今後の重点として推進する方針が書かれ、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公共工事依存で受注が不安定だった課題に対し、ICT施工で民間工事の受注獲得に注力すると書かれ、自社の経営資源を活かす内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    担い手不足、時間外労働規制、公共工事依存による仕事量の不安定化を課題として整理し、ICT施工で解決を図る具体策が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は事例に記載がなく、目標の実現可能性を判断できる数値が薄い。

  • 事業を進める体制3

    施工の効率化を進める体制は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は限られる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ICT施工で作業の省人化・品質向上を実現し、民間工事の受注獲得につなげる狙いが示され、選ばれる理由がある程度整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    民間工事のシェア拡大に注力する今後の方針が書かれているが、スケジュールや遂行方法の詳細は少ない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    道路舗装のモーターグレーダーにICT機器を組み合わせ、自動制御で高精度施工を実現する点が、既存の建機より高水準の品質を示している。

公的補助の必要性4.0
  • 波及効果・雇用4

    担い手不足の深刻化や時間外労働規制を背景に、若い世代に魅力ある業界づくりへ貢献すると書かれ、社会的な必要性が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    ICTとモーターグレーダーを連携させた建設現場のデジタル化を、業界全体の生産性向上の取組として示している。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionを推進し建設現場の生産性向上を図る方針が示され、業界の構造転換に資する取組と読める。

  • 地域経済への波及4

    道東・オホーツク地域で道路や空港などの大型工事を手掛け、地域の道づくりを担いながら地域の発展に貢献する姿勢が示されている。

今後の展望

引き続き民間工事のシェア拡大に注力し、公共事業に依存しない経営を目指します。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。