雪害を未然に防ぐ!高精度吹雪シミュレーションの導入による生産性向上・高付加価値提案実現事業

北海道のサービス業の会社が、ものづくり補助金で移動気象観測車とクラウド型観測システムを導入し、路面の凍結対策を支援できるようにした事例です。

株式会社雪研スノーイーターズ

この事例のポイント

  • 積雪寒冷地の道路では、路面の積雪や凍結の状況を担当者の巡回と経験だけで把握しており、通行止めや除雪などの判断が遅れやすかった。
  • 路面の積雪や凍結の状況を走行しながらリアルタイムに把握するため、気温計、風向風速計、視程計、Webカメラ、路面温度計、路面凍結検知センサーなどを搭載した移動気象観測車を特注で製作…
  • 遠隔地の路面状況のデータを収集し分析する処理がシームレスになり、タイムリーな路面状態管理や防雪凍結対策の支援が可能になりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社雪研スノーイーターズ
所在地北海道 札幌市
業種その他のサービス業
従業員数29人
資本金3,800万円
設立1988年

事業の背景

同社は雪氷の調査や防雪対策を手掛ける建設コンサルタントで、吹雪や雪崩などの数値シミュレーション技術に強みを持つ。北海道新幹線の延長に伴う雪対策や、エスコンフィールド北海道などの大型建築物の防雪対策にも対応している。

道路管理者の多くは経験や知見をもとに通行止めを判断しており、ITやデータ活用による科学的なアプローチが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力積雪寒冷地の道路では、路面の積雪や凍結の状況を担当者の巡回と経験だけで把握しており、通行止めや除雪などの判断が遅れやすかった。
  • 人手・技能路面状況の把握は、担当者が定期的または異常時に行う道路パトロールに頼っていた。
  • 新製品・新技術移動体からリアルタイムに観測値を集める方法が確立されておらず、長年の課題になっていた。

やったこと

路面の積雪や凍結の状況を走行しながらリアルタイムに把握するため、気温計、風向風速計、視程計、Webカメラ、路面温度計、路面凍結検知センサーなどを搭載した移動気象観測車を特注で製作しました。観測車の測定器から得られるデータをリアルタイムで収集し、クラウドにデータベース化するシステムを構築しました。

さらに、その解析結果をグラフや図表で表すソフトウェアも開発しました。収集したデータを解析することで、観測車が走行したルートの任意の地点や任意の時間の気温や風速、視程を推定する機能も備えました。

クラウド上のデータはリアルタイムでマップ表示されます。

新しい製品・サービス:路面温度・路面凍結状況をリアルタイムに測れる移動気象観測車と、クラウド型移動気象観測システム

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

遠隔地の路面状況のデータを収集し分析する処理がシームレスになり、タイムリーな路面状態管理や防雪凍結対策の支援が可能になりました。気温や路面状況などの現在値とWebカメラの映像をリアルタイムで転送できるため、降雪や凍結のタイミングを予測し、凍結防止剤の散布などの対策をスムーズかつ的確に行えるようになりました。

道路の積雪や路面状況のデータをくまなく集められるため、具体的な防雪凍結計画を立てられるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性雪対策に特化した建設コンサルで、移動観測車の開発や雪崩観測など独自技術を持つ強みを、道路管理者の課題に結びつけている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け道路管理者が想定顧客と明示され、予報に基づく凍結防止剤散布など、現場の判断に使われる具体的な価値が書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値路面温度と凍結状況をリアルタイムに測る移動気象観測車の製作は国内で初めてと書かれ、新規性が高い。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋開発の経緯は書かれるが、今後の中長期の遂行スケジュールや課題解決方法の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2000年代初頭から移動体によるリアルタイム観測の課題に取り組み、研究や実証を重ねてきたと書かれ、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    雪対策に特化した建設コンサルで、移動観測車の開発や雪崩観測など独自技術を持つ強みを、道路管理者の課題に結びつけている。

  • 課題の認識と解決3

    従来の経験頼みのパトロール判断という課題を示し、データ収集とリアルタイム発信で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    従業員29名の建設コンサルで、北海道大学など複数の技術協力先と連携しており、遂行体制の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    道路管理者が想定顧客と明示され、予報に基づく凍結防止剤散布など、現場の判断に使われる具体的な価値が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    開発の経緯は書かれるが、今後の中長期の遂行スケジュールや課題解決方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    路面温度と凍結状況をリアルタイムに測る移動気象観測車の製作は国内で初めてと書かれ、新規性が高い。

公的補助の必要性4.0
  • 波及効果・雇用4

    雪害による死者数が2000年以降に計100~300人で推移すると示し、社会的な必要性を具体的に説明している。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    移動観測車のデータをクラウドでデータベース化し任意地点の状況を推定する仕組みで、道路管理のデジタル化に貢献する。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    積雪寒冷地の道路管理という地域の課題に対応し、北海道の道路管理者を主な利用者として想定している。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。