災害対応と森林計測の革新による完全レーザ化と非対面データ共有

静岡県の学術研究・専門・技術サービス業が、ものづくり補助金でドローンのレーザ計測サービスを開発し、延べ日数を28日から9日に短縮した採択事例です。

富士設計株式会社

成果作業全体の延べ日数 28日→9日

この事例のポイント

  • 国土交通省や静岡県などと災害協定を結んでおり、災害時の迅速な測量の要望がありましたが、従前の設備では対応が難しい状況でした。
  • 導入したUAV(ドローン)に上空からのレーザ計測システムを組み合わせ、富士山周辺の3次元高精細解析データを国土交通省や地方自治体に非対面で提供できるサービスを開発しました。
  • 作業全体の延べ日数 28日→9日。1回の測量で国土交通省基準を十分に超えるデータが得られるようになり、作業全体の延べ日数が大幅に短縮されました。

事業者のプロフィール

事業者名富士設計株式会社
所在地静岡県 富士宮市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

富士設計株式会社は昭和37年に富士宮市で設立され、現在は建設コンサルタントを中心に、調査・測量、設計、民間開発、情報システム開発などを手掛けています。富士宮市は富士山麓の約4分の1を占め、市域面積の66%が森林です。

富士山噴火や豪雨による土石流、南海トラフ地震などの災害が想定され、防災への備えが求められています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国土交通省や静岡県などと災害協定を結んでおり、災害時の迅速な測量の要望がありましたが、従前の設備では対応が難しい状況でした。
  • 新製品・新技術従来の地上型レーザ計測は計測精度が非常に高い一方で、広範囲の計測に弱いという弱点がありました。
  • 新製品・新技術森林地域や災害発生箇所では広範囲の計測が必要で、従来の方法では対応困難でした。

やったこと

導入したUAV(ドローン)に上空からのレーザ計測システムを組み合わせ、富士山周辺の3次元高精細解析データを国土交通省や地方自治体に非対面で提供できるサービスを開発しました。森林を伐採しない状態でも正確な計測ができるよう、UAVによるレーザ計測で広範囲の地表データを取得する方法を整えました。

試験測量を行ったところ、1回の測量で国土交通省基準を十分に超えるデータを取得できました。その結果、作業全体の延べ日数は28日から9日に短縮され、地上型レーザによる追加測量も原則不要となりました。

新しい製品・サービス:UAVによるレーザ測量・解析・データ作成を行い、高精度な地表データを短納期・非対面で提供するサービス

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 作業全体の延べ日数 28日→9日

1回の測量で国土交通省基準を十分に超えるデータが得られるようになり、作業全体の延べ日数が大幅に短縮されました。地上型レーザによる追加測量も原則不要となりました。

森林を残した状態でも高精細なデータを取得でき、環境や従業員の安全を確保しながら計測できるようになりました。短納期で非対面のデータ提供サービスを実現し、災害時の迅速な対応にもつながっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地上型レーザの精度と強みを活かし、上空レーザを組み合わせて広範囲の森林・災害地で非対面提供できる独自性を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標試験測量で1回の測量で基準を超えるデータ取得を実証し、作業延べ日数28日→9日という目標達成の裏付けがある。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け災害時に迅速な正確な3次元データを求める行政ニーズに応え、非対面提供と短納期が選ばれる理由として整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋ICT活用工事の普及を見据えた将来像は触れているが、中長期の遂行方法やスケジュールの記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    行政と災害協定を締結し、災害対応の使命を持つ測量業務の延長でUAVレーザ測量を導入しており、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地上型レーザの精度と強みを活かし、上空レーザを組み合わせて広範囲の森林・災害地で非対面提供できる独自性を示している。

  • 課題の認識と解決3

    広範囲計測の弱点という課題を認識し、作業日数を28日から9日に短縮する計画として解決策が具体的である。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    試験測量で1回の測量で基準を超えるデータ取得を実証し、作業延べ日数28日→9日という目標達成の裏付けがある。

  • 事業を進める体制3

    UAV操縦技術と地上型レーザ計測のノウハウを持つ技術者集団で、社内に測量の体制があることが読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害時に迅速な正確な3次元データを求める行政ニーズに応え、非対面提供と短納期が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    ICT活用工事の普及を見据えた将来像は触れているが、中長期の遂行方法やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    地上型と上空レーザを組み合わせた森林地域での計測は一般的でなく、高付加価値化を図る内容として読み取れる。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    災害時の迅速な地表データ提供と行政インフラ整備への寄与、i-Constructionの推進に資する点で公的な意義が明確。

  • 費用対効果3

    作業延べ日数が28日から9日に短縮され、地上型追加測量も原則不要となり、生産性向上の効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    UAVレーザ計測と非対面データ共有により、地域の防災やICT活用工事のサプライチェーンに貢献する技術革新である。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionの推進やICT活用工事の主流化という建設業の構造転換の流れに沿う取組である。

  • 地域経済への波及4

    富士山麓の地域特性を活かし、森林地帯や災害対応という地域課題の解決に直結する事業である。

今後の展望

災害発生時の早急な対応で地域の安心・安全を守り、世界文化遺産富士山を美しい姿で残すことに貢献できるよう、更なる成長を目指します。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。