TLS(地上型レーザースキャナ)を併用した測量・設計・施工・検査一体型の革新的サービスの開発

静岡県の建設業が、ものづくり補助金でレーザースキャナを導入し、橋梁下部の測量を可能にした採択事例です。

フルカワクリエイト株式会社

この事例のポイント

  • 橋梁下部など上空からの無人航空機による測量では3次元点群データを作成できない箇所があり、従来の測量方法との併用が必要になって作業効率が低下していた。
  • 橋梁下部などの不可視部分を測量するため、TLS(地上型レーザースキャナ)を導入しました。
  • TLSの導入により、これまで3次元点群データの作成ができなかった橋梁下部の測量が可能になりました。

事業者のプロフィール

事業者名フルカワクリエイト株式会社
所在地静岡県 藤枝市
業種総合工事業
資本金2,300万円
設立1930年

事業の背景

同社は建設資材の販売、土木一式工事(設計・施工)、地盤改良工事(調査・試験・設計・施工)等を行い、地域社会の発展に寄与してきました。起工測量ではUAV(無人航空機)による測量を行っていますが、橋梁下部は3次元点群データの作成が困難でした。

建設業界は労働力人口の減少により採用難に陥っており、公共工事の減少で各社とも受注物件の確保に苦慮しています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力橋梁下部など上空からの無人航空機による測量では3次元点群データを作成できない箇所があり、従来の測量方法との併用が必要になって作業効率が低下していた。
  • その他コロナ禍で現場作業員を増員することになり、作業員間の接触機会が増えて蔓延防止の対策が急務となっていた。

やったこと

橋梁下部などの不可視部分を測量するため、TLS(地上型レーザースキャナ)を導入しました。導入にあたっては、実際の河川に架かる橋梁でTLSによる測量試験を行いました。

導入した機器は、高性能レーザー光を照射して対象物を3Dスキャニングする「レーザースキャナ」、Wi-Fiで無線接続して遠隔操作により自動計測を行い、スキャニングしたデータを保存する「コントローラー」、そしてデータを取り込み・解析して3次元点群データを作成する「解析・変換ソフト」です。これら機器を一体化して活用し、測量作業の効率化を進めました。

新しい製品・サービス:施工・検査一体型の革新的サービスの開発

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

TLSの導入により、これまで3次元点群データの作成ができなかった橋梁下部の測量が可能になりました。従来の測量方法との併用がなくなったため、作業時間は大幅に減少し、手戻り作業に従事していた人員も削減できました。

作業員間の接触機会が減ったことで、コロナウイルスの蔓延防止にもつながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性当社以外に同地域で同様の取組を行う中小企業がなく、差別化と優位性を活かす方針が明記されている。
  • 4
    費用対効果従来併用が不要になり、手戻り作業がなくなって作業時間が大幅減少し、人員も削減された効果が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標作業時間の大幅な減少や作業人員の削減には触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    土木工事業としての測量・設計・施工の事業の延長で、TLS導入が既存業務の高度化として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    当社以外に同地域で同様の取組を行う中小企業がなく、差別化と優位性を活かす方針が明記されている。

  • 課題の認識と解決3

    UAVでは測量困難な橋梁下部の課題を認識し、TLS併用による一体型サービスで解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の大幅な減少や作業人員の削減には触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    実際の河川橋梁で試験を行い、導入機器の仕様と運用方法を把握しており、遂行体制の裏付けがある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    公共工事減少のなか、橋梁下部の不可視部分の測量を担えるのは地域で当社のみというニーズと差別化が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    機器導入後の機械化による更なる効率化を目指すとあるが、スケジュールや具体的な課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    TLSを橋梁下部の測量に併用する手法だが、分野の普及度や高付加価値化・高価格化の記述は薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    建設業の採用難と労働力減少への対応として、測量作業の機械化による省人化の必要性が示されている。

  • 費用対効果4

    従来併用が不要になり、手戻り作業がなくなって作業時間が大幅減少し、人員も削減された効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元点群データ化や測量・設計・施工・検査の一体化はあるが、地域やサプライチェーン全体への波及は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地域社会の発展に寄与してきた地元企業が、地域で唯一の橋梁下部測量の担い手として地域に貢献する点が示されている。

今後の展望

測量作業が人から機械へ置き換わることで、さらなる効率化を目指していきたいとしています。当地域で同様の取り組みを行う中小企業は当社以外になく、この優位性を活かして今後も事業を展開していきたいとしています。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。