日本茶包装加工の多ロット対応実現で伝統産業の世界的発展に貢献

京都府の運輸業・郵便業の会社が、ものづくり補助金で日本茶の充填機などを導入し、充填の生産能力を向上させた採択事例です。

株式会社大洋ロジスティックパートナー

成果充填の生産能力 2,500包/週→30,000包/週

この事例のポイント

  • 日本茶は後継者不在による加工業者の廃業が続き、永続的な安定供給に課題があった。
  • 充填システムとして、オーガー充填機(粉末用オーガー計量機)、粉粒体真空搬送装置、パルスジェット集塵機を導入しました。
  • 充填の生産能力 2,500包/週→30,000包/週。機械化により充填の生産能力が2,500包/週程度から30,000包/週程度へ向上し、大ロットへの対応が可能になりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大洋ロジスティックパートナー
所在地京都府 京都府久世郡久御山町
業種倉庫業
従業員数20人
資本金1億円
設立2009年

事業の背景

弊社は従来、工業用機械装置の部品管理の受託を主に行っていましたが、日本茶の問屋から抹茶の充填作業を請け負ったことを機に食品分野へ事業を拡大しました。現在の売上構成は機械装置部品部門が55%、食品部門が35%、その他が10%です。

日本茶は世界的な健康ブームや海外への輸出により需要が増加しています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能日本茶は後継者不在による加工業者の廃業が続き、永続的な安定供給に課題があった。
  • 生産能力充填作業は手作業のため対応可能なロット数が2,500包/週程度にとどまり、市場で増加していた10,000包程度の大ロットの依頼に応えられなかった。
  • 人手・技能充填には正確な計量や粉末の飛散防止の微妙なコツが必要で、技術の習得に3〜6か月ほどかかり、作業者の育成に長い期間が求められた。

やったこと

充填システムとして、オーガー充填機(粉末用オーガー計量機)、粉粒体真空搬送装置、パルスジェット集塵機を導入しました。充填機は袋や缶など多様な容器に対応でき、真空搬送装置は抹茶や煎茶など原料の形状に関わらず送風量を操作して、原料を安定した速度で投入口から充填機に搬送します。

集塵機は、作業により飛散した粉体による作業者の健康への影響や事故を防ぐために設けました。大ロットの2,000包/日以上は充填機で行い、それ以下は手作業で行う体制にしました。

細かい粉末である抹茶は塊になりやすく充填機が詰まりやすかったため、搬送機の部品の一部を交換し、メンテナンスの方法を工夫して改善を図りました。納入メーカーと何度も打ち合わせを行い、一体となって改善に取り組みました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 充填の生産能力 2,500包/週→30,000包/週
  • 充填作業の人員体制 3人→2人

機械化により充填の生産能力が2,500包/週程度から30,000包/週程度へ向上し、大ロットへの対応が可能になりました。食品部門における充填事業の請負割合は5〜10%程度から25%程度まで向上し、売上も3倍程度に拡大しました。

作業のマニュアル化により、経験のない従業員でも数週間で充填作業に対応できるようになり、外国人労働者など新たな層への雇用も広がりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性日本茶の需要拡大と大ロット依頼の増加を踏まえ、手作業の限界を機械化で補う強みを示し、充填の売上構成比35%まで伸ばしている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の対応は2,500包/週に限られるとの課題を認識し、充填システム導入で30,000包/週、請負割合25%、売上3倍に改善している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産能力が2,500包/週から30,000包/週へ向上した実績があり、売上3倍程度に拡大と目標達成の見込みが具体的に示されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    工業用部品管理の受託から、取引先の依頼を機に食品分野へ事業を拡大した経緯があり、一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本茶の需要拡大と大ロット依頼の増加を踏まえ、手作業の限界を機械化で補う強みを示し、充填の売上構成比35%まで伸ばしている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の対応は2,500包/週に限られるとの課題を認識し、充填システム導入で30,000包/週、請負割合25%、売上3倍に改善している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力が2,500包/週から30,000包/週へ向上した実績があり、売上3倍程度に拡大と目標達成の見込みが具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    納入メーカーと何度も打ち合わせて改善を重ね、作業員の育成期間を数週間へ短縮するマニュアル化を進めている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    日本茶は海外輸出もあって充填ニーズが拡大しており、大ロットと小ロットの両方に対応できる点が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    粉末の詰まりなど課題を把握し部品交換やメンテナンス方法を工夫している。今後は輸出向け包装への対応を段階的に進める計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    抹茶など細粒粉末の充填は詰まりやすく難しい技術で、熟練者育成に3~6か月かかる高付加価値な作業を機械化で実現している。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    後継者不足による加工業者の廃業で日本茶の安定供給が課題とされ、外国人労働者を含む新たな雇用創出につながっている。

  • 費用対効果3

    投資額の記載はないが、生産能力と売上の大幅増加、雇用10人程度の創出が示され、投入に見合う効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    粉粒体真空搬送や集塵機などの設備導入で作業の効率化と安全性を高め、地域の日本茶産業の供給体制を支えている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    京都府の地域の物流企業が日本茶の伝統産業を支え、雇用は10人程度に広がり、売上も3倍程度に伸びている。

今後の展望

今後は充填作業の習熟を図り、小ロットの対応も可能にすることで、さらなる生産性の向上を目指します。また、充填のみでなく、輸出向けのシュリンク包装などにも対応して事業の拡大に取り組みます。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。