レーザー搭載ドローンを用いたくさび型アンカー施工の高度化事業

島根県の学術研究・専門技術サービス業の会社が、ものづくり補助金でドローン測量の機器を導入し、作業を2日間に短縮した事例です。

株式会社日西テクノプラン

成果測量ポイントの間隔 100平方メートルに1カ所→1ポイント→0.3平方メートルに1カ所→1ポイント

この事例のポイント

  • 山の中での人力による測量は手間と時間がかかり、非効率でした。
  • 2021年に補助事業を活用し、産業用ドローンに搭載して地表面にレーザーを照射する測量用レーザースキャナーと、複数の衛星の電波を受信して現場の正確な位置を測定するGNSS固定局を導…
  • 測量ポイントの間隔 100平方メートルに1カ所→1ポイント→0.3平方メートルに1カ所→1ポイント。ドローンとレーザースキャナーによる測量で、地形を把握する精度が大幅に向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日西テクノプラン
所在地島根県 松江市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
設立1971年

事業の背景

1971年に地質調査を行う有限会社として創業し、1989年に株式会社化、1998年に現在の社名に変更しました。建設コンサルタントが社業のメインとなり、近年は異常気象による風水害の多発で、災害復旧工事などの調査、計画、設計、施工管理の業務が増えています。

傾斜地の地滑り防止工事では、2003年に自社で開発して特許を取得した「くさび型アンカー工法」を手がけています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力山の中での人力による測量は手間と時間がかかり、非効率でした。
  • その他測量では危険な場所に入って作業せざるを得ず、作業員の安全面に懸念がありました。
  • 品質・精度導入前は100平方メートルに1カ所しか測量ポイントを設定できず、地形の把握が粗いものでした。
  • 人手・技能技術者の高齢化に伴い、人手不足が重要な懸案事項となっていました。

やったこと

2021年に補助事業を活用し、産業用ドローンに搭載して地表面にレーザーを照射する測量用レーザースキャナーと、複数の衛星の電波を受信して現場の正確な位置を測定するGNSS固定局を導入しました。両者を組み合わせることで、斜面崩壊や地滑りが懸念される区域の正確な地形を、離れた所から把握できるようにしました。

従来は三角点を基準に測量していましたが、ドローン測量では導入前に100平方メートルに1カ所だったポイント設定が、導入後は0.3平方メートルに1ポイントとなりました。これまで1カ月かかっていた作業は2日間で安全に終えられるようになりました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 測量ポイントの間隔 100平方メートルに1カ所→1ポイント→0.3平方メートルに1カ所→1ポイント

ドローンとレーザースキャナーによる測量で、地形を把握する精度が大幅に向上しました。導入前は約300倍の精度向上とされ、1カ月かかっていた作業が2日間でできるようになり、スピードも向上しました。

作業員が危険な場所に入らずに済むため、安全性も高まりました。ドローン測量は災害復旧工事や公共施設の老朽化対策工事にも有効で、技術者の高齢化による人手不足対策にもつながると期待されています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性測量ポイントが100平方㍍に1カ所から0.3平方㍍に1ポイントへ約300倍の精度向上と、作業1カ月が2日間になった数字で強みを示している。
  • 4
    課題の認識と解決人力測量の手間・危険と技術者高齢化による人手不足を課題として認識し、ドローン導入で作業時間と安全性を改善する具体的な計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け災害復旧や公共施設の老朽化対策で測量需要が安定的に増えるという顧客ニーズの裏付けと、安全に迅速に測量できる選ばれる理由が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋技術者高齢化への人材対策として若者の関心に期待すると触れているが、スケジュールや遂行方法の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1971年創業以来、自ら開発・特許取得したくさび型アンカー工法を中心に業務を続けており、一貫した事業の延長線上にドローン測量が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    測量ポイントが100平方㍍に1カ所から0.3平方㍍に1ポイントへ約300倍の精度向上と、作業1カ月が2日間になった数字で強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    人力測量の手間・危険と技術者高齢化による人手不足を課題として認識し、ドローン導入で作業時間と安全性を改善する具体的な計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    精度300倍・作業期間1カ月から2日への短縮など効果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    測量業務を担う技術者と測量用機材の導入体制が示されているが、人材や事務処理能力の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害復旧や公共施設の老朽化対策で測量需要が安定的に増えるという顧客ニーズの裏付けと、安全に迅速に測量できる選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    技術者高齢化への人材対策として若者の関心に期待すると触れているが、スケジュールや遂行方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    地滑り防止のくさび型アンカー工法は自社開発・特許取得の工法で、ドローン測量の組合せも一般的ではなく新しさが読み取れる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    異常気象による風水害の増加と二次災害が懸念される地域への対応、公共施設の老朽化対策という社会的必要性が書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額増加や費用対効果の数字は記載がなく、効果は作業時間短縮に限られる。

  • イノベーションへの貢献4

    レーザースキャナー搭載ドローンとGNSS固定局を組み合わせた先端的なデジタル測量で、災害復旧分野の高度化に貢献し得る。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    建設コンサルの測量業務をデジタル化する動きは読めるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    島根県松江市の地域で地滑り対策や災害復旧に携わり、地域の防災に貢献する事業として位置付けられている。

今後の展望

災害復旧や公共施設の老朽化対策などで、公共事業での測量・設計のニーズは安定的な増加が見込まれています。

事業者の声

ドローンを使えばリスクを排除でき、作業員の安全が確保できる

ニーズに対応できるよう技術力の向上に努めていきたい

ドローンを使った測量は若者も興味を持ってくれるのではないか

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。