食品ロス削減のためのデータ共有パッケージの構築

高知県の専門・技術サービス業の会社が、ものづくり補助金でオンラインシステムと専用アプリを構築し、食品ロス削減の取り組みを支えた採択事例です。

株式会社アッシェ

この事例のポイント

  • コロナ禍で導入店舗への訪問が難しくなり、遠隔かつ非対面で情報を提供する仕組みが求められていました。
  • オンラインシステムはクラウド型サイトとし、加盟企業は管理部署用アカウントで参加店舗を管理できるようにしました。
  • オンラインシステムにより各店舗の入力と推移、シールの回収率が可視化され、当社の集計作業の負担が軽減されました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アッシェ
所在地高知県 高知市
業種広告業
従業員数18人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

当社は2019年2月から食品ロス削減事業「もぐもぐチャレンジ」に取り組んでいました。スーパーでは従来、毎朝食品を廃棄してから営業を始めるのが通例で、廃棄・値引きロスは売上の6%を占めるといわれています。

スーパーでの年間食品廃棄額の推計は5千億円以上であり、食品ロスは近年大きな社会課題になっています。市場は企業数が約1000社、店舗数が約2万店、売上が約30兆円とされています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信コロナ禍で導入店舗への訪問が難しくなり、遠隔かつ非対面で情報を提供する仕組みが求められていました。
  • 人手・技能各店舗のシール回収枚数を当社が集計・管理しており、作業の効率化が課題でした。
  • 販路・情報発信廃棄・値引きロスの削減推移や成果などの客観的な数値データが不足しており、新規販路開拓の課題となっていました。

やったこと

オンラインシステムはクラウド型サイトとし、加盟企業は管理部署用アカウントで参加店舗を管理できるようにしました。各店舗はもぐもぐシールの使用枚数、回収枚数、台紙の回収枚数を入力する仕組みにしました。

消費者はアプリを使い、ポイントを貯めてプレゼントと交換したり、抽選に参加したり、選んだ寄付先に寄付したりできるようにしました。アプリにはミニゲームや店舗からのお得な情報配信も加えました。

オンライン説明会では導入企業が店舗を追加する際の相談や確認ができる環境を整えました。

新しい製品・サービス:もぐもぐチャレンジ用のオンラインシステム・専用アプリ

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

オンラインシステムにより各店舗の入力と推移、シールの回収率が可視化され、当社の集計作業の負担が軽減されました。加盟企業は店舗ごとのシール回収状況や実績を比較でき、データ分析も可能になりました。

導入を検討している企業に事業の利点を明確に訴求できるようになり、新規販路の開拓が容易になりました。アプリを通して食品ロス削減を身近に感じてもらえるようになり、もぐもぐチャレンジ全体の活性化と継続性も高まりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性2019年から続く食品ロス削減事業を発展させ、非対面化のためオンラインシステムを構築した経緯が明確で、既存事業との一貫性が高い。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性23都道府県17企業329店舗に導入され、市場はスーパー約2万店・売上約30兆円とされ、自社の広告・DX知見を活かした強みが示されている。
  • 4
    課題の認識と解決コロナ禍で訪問が困難になった課題を認識し、集計負担やデータ不足を解決するシステム化で導入店舗を倍々で増やす実効性がある。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果廃棄や値引き費用が削減できた店舗があるとされるが、補助金額に対する付加価値額や費用対効果の数値は示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    2019年から続く食品ロス削減事業を発展させ、非対面化のためオンラインシステムを構築した経緯が明確で、既存事業との一貫性が高い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    23都道府県17企業329店舗に導入され、市場はスーパー約2万店・売上約30兆円とされ、自社の広告・DX知見を活かした強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    コロナ禍で訪問が困難になった課題を認識し、集計負担やデータ不足を解決するシステム化で導入店舗を倍々で増やす実効性がある。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    導入店が毎年倍々で増えている実績は示されるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制4

    従業員18名の企業が既存事業と運用実績を持ち、システム・アプリの管理を社内の事務局で行う体制が明記されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スーパー年間食品廃棄額5千億円超の推計や、導入企業の『導入しやすい』『楽しく参加できる』という声でニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    オンライン説明会やクラウド型の運用、コミュニティサロンなど、遂行方法と課題解決の手段が示されているが、スケジュールの記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    食品ロス削減とアプリによる消費者参加の仕組みは新しい取組であり、同分野で独自性がある。ただし普及度の数値比較はない。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    食品廃棄や環境負荷という社会課題に対し、全国のスーパーに展開して廃棄削減に貢献する波及効果が示されている。

  • 費用対効果2

    廃棄や値引き費用が削減できた店舗があるとされるが、補助金額に対する付加価値額や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    アプリやクラウド型システムでデータを蓄積・共有し、加盟企業同士で削減ノウハウを共有する仕組みはサプライチェーンのイノベーションに寄与する。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    非対面型ビジネスモデルへの転換という方向性は示されるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    高知の企業だが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済の成長への言及は弱く、全国展開が中心となっている。

今後の展望

今後も導入企業を増やしていき、社会貢献の側面も大きい当事業を存続させていきたいと考えています。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。