積算業務をシステム化し、見積の精度を上げて受注を増やす
星和電機工事株式会社
京都府の電気工事会社(従業員8名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 異業種から事業を継いだ代表が、先代から残るアナログな業務のうち積算から見直した。
- 何をしたいかを先に決め、そのうえで使える補助金を調べてツールを選んだ。
- 導入時の研修や導入後の指導までITベンダーの支えがあり、混乱なく使いこなせている。
事業の経緯
1984年に設立し、地元を中心に公共施設や医療福祉施設、工場などの電気工事を手がけてきた。2019年10月、大手衣料品メーカーに勤めていた現代表が父から代表を引き継いだ。業種がまったく違うため初めは苦労が多く、先代が築いた地域のつながりを軸に現場の経験を積んだ。
先代から受け継いだ業務にはアナログな部分が多く残っており、まず積算業務のデジタル化から取り組んだ。設備投資の費用を補うため従業員と使える補助金を調べ、IT導入補助金を活用して積算システムを導入した。あわせて社屋の一角にイベントスペースを設けるなど、本業以外の取り組みも始めている。
事業の内容
- 課題:アナログな業務地元を中心に公共施設、医療福祉施設、工場、教育施設、商業施設などの電気工事を手がけ、市の入札案件にも参加している。先代から受け継いだ事業には各業務にアナログな部分が多く残っていた。業界全体の人手不足も重なっていた。
- 課題:設備投資の負担資材の単価などから施工金額を出す積算は電気工事に欠かせない作業で、ここから効率化を進めることにした。ただし、ITツールに限らず設備投資には費用がかかることが悩みだった。
- 取り組み:積算システムの導入まずやりたいことをはっきりさせ、従業員と協力して使える補助金を調べてIT導入補助金を知った。補助金の活用を前提に、営業で訪れていたITベンダーと商談を重ね、積算システムの機能に問題がないことを確かめて導入した。導入時にはベンダーが研修を行い、その後も新しく配属された人に使い方を教えてもらえる体制がある。会社のホームページの制作にも別の補助金を使った。
補助金を使った経費
記事の内容から、デジタル化・AI導入補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| ソフトウェア購入費 | 土木積算システム |
|---|
事業の効果
- 入札案件の見積の精度が上がり、数件の追加受注につながった。
- データが最新の状態に保たれ、積算が正確で簡単になった。
- 積算業務にかかる従業員の負担が減り、ほかの仕事に力を注げるようになった。
事業者の声
この業界は非常に閉じた世界ですから、経営者同士の横の繋がりも非常に重要です。社会的に人手不足と言われていますが、この業界も本当に人手不足。案件によっては人手が足りないこともありますから。
ITツールに限らず設備投資には費用がかかるので、活用できる補助金等がないか従業員とも協力しながら調べ、IT導入補助金を知りました。こういった制度を活用できるのは非常に助かりました。
ITツールの導入目的がはっきりしないまま導入するなど事業計画が甘いと、導入した設備を活用できず、結果的に負の遺産のような形で事業所に残ってしまう。まずは何がやりたいのかを明確にし、そこから活用できる補助金を調べ、IT導入補助金の活用を前提に商談・協議を重ね、実際に営業で来てくれていたITベンダーから土木積算システムの説明を受け、機能的にも申し分ないことを確認して購入することとした。
弊社のホームページも補助金を活用させてもらいましたが、デザイン以外のや内容は自身で全て考えました。そういう意味では、外部の方にお願いすることは少なかったですね。一方で、IT導入補助金はツールの選定から導入時や導入後もITベンダーのサポートが必要でした。ツール導入時は丁寧に導入研修を実施してくれたことで、利用に際してのトラブルや混乱はほとんど無く、導入後も新規配属の者がいれば、その都度使い方を教えてもらえるような状態になっています。
ソフト自体は非常に使いやすくて、ツールを導入した後、入札案件に対して見積の精度が高まり、数件追加で受注することができました。積算ソフトはとにかく正確性が重要ですが、このソフトはデータも最新のものを維持してくれますし、積算も正確で簡単なので非常に助かっています。また、IT化されたことで当該業務に対する従業員の負担も減り、他のことに注力してもらうことも可能になるため、そういった意味でも効率化されています。
若い人達が企業とか町に魅力を感じなかったり、アイデアを持っている人達がそのアイデアを共有したり形にできる場がないというのも人が離れていってしまう一つの要因だと思っています。
まずは本業でしっかり利益を出し、会社自体の魅力を作っていくことが重要ですが、それとは別の視点で町自体が発展しなければ今取れている仕事も先細りになってしまいますし、採用しようにもできなくなってしまいますから、若い人達がアイデアをどんどん生み出していける場を作って町を活性化できたらなと思っています。そういった事業の中でまた活用できる補助金等があれば活用したいですね。
京都府の電気工事会社(従業員8名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、デジタル化・AI導入補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(26年4次)
相談先と計画づくり
| ITベンダー |
|---|
何をしたいのかを先にはっきりさせ、そこから使える補助金を調べる順番で進めた。導入の目的が曖昧なまま設備を入れると使われずに残ってしまうため、積算業務の効率化と見積の精度向上に目的を絞ってツールを選んだ。
今後の展望
まず本業の電気工事で利益をしっかり出し、会社の魅力を高める。あわせて若い人がアイデアを形にできる場をつくり、町の活性化につなげたい。廃棄資材を使ったリサイクル品づくりやより大きなシェアスペースも検討しており、使える補助金があれば今後も活用する。
この事例の取り組み
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