積算システムで見積りの手作業をなくし、元請けの仕事を広げる
株式会社宝正設備工業
北海道の設備工事会社(従業員4名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 下請けから抜け出し元請けで仕事をするために法人化し、官公庁の入札にも参入した。
- 受注が増えるにつれ、代表が手作業で行う見積り・積算が重荷になっていた。
- ITベンダーの紹介で積算システムを選び、補助金の申請もベンダーの支援を受けた。
事業の経緯
代表は配管工事の会社で設備工事の知識と技術を身につけ、取引先との関係ができたところで個人事業主として独立した。個人では大手の下請けになりがちだったため、元請けとして仕事をめざし、2007年に法人化した。建設業の許可や資格を取って仕事の幅が広がり、官公庁の入札にも参入して実績を積んだ。
冬季五輪の招致の中止で関連する建設計画がなくなり、コロナ禍では現場の感染対策の管理も負担になった。受注が増えるなかで、手作業の見積り・積算が重荷になり、ITベンダーの紹介とIT導入補助金で積算システムを入れた。その後、消防設備の仕事にも広げている。
事業の内容
- 課題:手作業の積算法人化後も見積りは代表が自ら作成していた。発注者の設計書を確かめ、材料の一覧を見て必要数を計算するという全部手作業の流れで、受注が増えるにつれて大きな手間になっていた。
- 課題:外部環境の変化冬季五輪の招致の中止でホテルなどの建設計画がなくなり、大きな痛手になった。コロナ禍では現場でのマスク着用や消毒、検温の管理も負担になった。
- 取り組み:積算システムの導入ITベンダーの営業担当から紹介され、機能や費用について相談を重ねて導入を決めた。発注者の電子設計書を取り込むと、設計条件を自動で判断して積算する仕組みで、手作業の見積り・積算を効率化するのが目的。同じベンダーからIT導入補助金を教わり、申請した。
- 取り組み:新しい分野への参入建物の修繕工事の現場で消防設備メーカーと知り合ったことから、スプリンクラーなど消防設備の仕事も受けるようになった。
補助金を使った経費
記事の内容から、デジタル化・AI導入補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| ソフトウェア購入費 | 積算システム |
|---|
事業の効果
- ネックだった積算業務が大きく効率化された。
- 導入時の説明が丁寧で、導入後も営業窓口がフォローしてくれるため、使ううえで困ることがない。
事業者の声
社会人として働き始めた当初から、設備工事業界に身をおいています。もともと屋内外の水道管などの配管工事を手掛ける会社に勤めていました。そこで設備工事の知見や技術を学びました。しばらくしてお客様や取引先様との関係性も構築されていくなかで、この業界で自分で事業をやってみたいという思いが強くなり、まずは個人事業主としての独立を決心しました。
事業を開始してからも、それなりに仕事はあったのですが、個人という小さい規模で続けていこうと思うと、どうしても大手設備工事会社の下請けになってしまいます。自分で事業をやりたいという思いで独立したこともあり、下請けではなく元請けとして仕事をしていきたいと考えていました。
法人化に際しては、個人事業主時代から仕事上で付き合いのあった方を専務におき、2人で立ち上げました。そして、建設業の許可や各種資格等も取得したことで仕事の幅がかなり広がりました。当時の私の年齢でも、大変な挑戦でしたが、何とか乗り越えました。
見積りや積算業務自体は、私自身が行いたいという思いがあり、法人化後も基本的には私が見積りなどを作成していたのですが、発注者からの設計書を確認し、材料費の一覧を見て、必要数を計算して、という具合で全て手作業だったため本当に手間がかかっていましたので、自動計算などデジタルで解決できないかとは考えていました。
補助金の申請やITツールの導入時には、ITベンダーの手厚いサポートのおかげで、そこまで苦労はありませんでした。特にITツールの導入時のレクチャーも丁寧でしたし、導入後も何か分からないことがあれば営業窓口の方がフォローしてくれますので、ツールを利用するうえで困ったことも特にありません。また、ITツールの導入後はネックになっていた積算業務が大幅に効率化されました。発注者からの電子設計書を取り込み、設計条件を自動で判断し積算してくれるため、大幅な効率化につながっています。
最近では、スプリンクラーなどの消防設備関連の仕事も受けています。ある建物修繕工事の現場で、消防設備メーカーさんとたまたま一緒になったことがあって、そこでお互いの仕事の話をした際に、一緒に仕事ができないかということを話したのがきっかけで、今の消防設備関連の仕事に繋がりました。
北海道の設備工事会社(従業員4名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、デジタル化・AI導入補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(26年4次)
相談先と計画づくり
| ITベンダー |
|---|
見積りは自分で行いたいという考えを保ちつつ、設計書の確認から必要数の計算までの手作業を自動化することに絞った。機能と費用をベンダーと相談して導入を決めた。
今後の展望
官公庁の公共工事と消防設備の仕事を両輪にして、主力に育てていく。計画的な事業展開、業務のIT化、新しい分野への挑戦を続ける。
この事例の取り組み
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デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)について
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