県産木材の木工品にレーザーで刻印し、町の観光を盛り上げる
奥川板金
三重県の建築板金業・木工品づくり国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 町のフェアで趣味の木工品が売れたことから、木工品の販売が定番になった。
- 地元の商工会のすすめでレーザー加工機を入れ、ブランド名を刻んだ木工品として売り出した。
- 2回目の申請で加工機を入れ替え、作業の速さと作れる製品の幅を広げた。
- 新しい加工機は観光客の木札づくり体験にも使い、町の観光振興につなげている。
事業の経緯
1981年に建築板金業を開業した。2013年に地元の商工会長になり、観光地も少なく人口が減る町を観光で盛り上げようと協議会を立ち上げた。町外の商業施設で開いたフェアで、空いた売り場に並べた趣味の木工品が売れたことから、木工品の販売が定番になった。
民泊も始め、国内の修学旅行や海外からの団体を受け入れた。木工にかける時間が増えて道具の大切さを感じていたところ、商工会のすすめで持続化補助金を使い、小型レーザー加工機を入れてブランドを立ち上げた。2022年には2回目の申請で設備を入れ替え、観光客の体験にも使っている。
事業の内容
- 課題:趣味の域を出ない木工木工は本業の合間に友人に頼まれて作る程度で、収益を目的にした事業ではなかった。木工品に付加価値をつけて売りたかったが、設備にお金をかける余裕がなかった。
- 課題:加工機の遅さと修理最初に入れた小型のレーザー加工機は加工に時間がかかり、故障すると本体を送って修理する必要があった。
- 取り組み:小型レーザー加工機の導入地元の商工会の事務局長に木工品の付加価値を高めたいと相談したところ、レーザー加工機の導入と小規模事業者持続化補助金の申請をすすめられた。木工品にブランド名を刻印するために小型レーザー加工機を入れ、ブランドを立ち上げて刻印入りの商品を作り始めた。
- 取り組み:2回目の申請と設備の入れ替え2022年に「ハンドメイドへの参入と地域貢献」をテーマに2回目の申請をした。加工の速さと性能を高め、作業の効率と作れる製品の幅を広げるために、新しいレーザー加工機、電子ルーター、スタジオキットを計画した。商工会の経営指導員が情報を集め、展示会に同行してメーカーとの交渉を手伝い、補助の対象になる価格帯で操作しやすく加工が速い機種を選んだ。
- 取り組み:観光とのつながり町外の大型商業施設でのフェア、民泊での木工体験、リヤカー屋台などを通じて県産木材の木工品を届けている。2024年のモニターツアーでは、新しい加工機で来訪者が自分でデザインした木札を作った。
補助金を使った経費
記事の内容から、小規模事業者持続化補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 機械装置等費 | 小型レーザー加工機 |
|---|---|
| 機械装置等費 | レーザー加工機 |
| 機械装置等費 | 電子ルーター |
| 機械装置等費 | スタジオキット |
事業の効果
- ブランド名を刻印した木工品を作れるようになり、ブランドとして売り出せた。
- 新しい加工機ではデザインを自由に選べるため、焼き印より使い道が広がった。
- モニターツアーで来訪者が自分でデザインした木札を作り、観光の満足度向上につながった。
事業者の声
商工会長を引き受けて考えたことは、大紀町には大きな観光地があるわけでもなく、人口減少が進む一方。このままでは町は沈んでしまう。そこで観光に特化して、多くの方に足を運んでもらえる街づくりをしようと考えました。当時大紀町には観光協会がなかったため、代わりに協議会を立ち上げて観光振興を進めていくことにしました。
売り場を埋めるために私が趣味で作ったまな板やカッティングボードを並べたところ、予想外に30枚も売れた。それで次回も出店との話になり、次第に私のまな板を楽しみに来場いただけるお客さまも現われたため止めるわけにもいかず、出店が定例となりました。
三重県産の木材を使った木工品に特化することができました。
都会の子供を自然が豊かな大紀町へ連れてきて、心が豊かになる体験をして都会へ帰ったら、いずれリピーターとして大紀町へ戻ってくる。宿泊客が長期滞在することで定住に結びつくことを夢に描いた。収益は二の次で、先行投資の考えでした。
最初の来訪者はアメリカの学生約40名。入村式では感激して涙が流れました。学生たちは、入村時はそれほどでもなかったものの、離村式では感極まって全員で涙。私も取り組みは間違いではなかったと確信しました。
ちょうど木工品の特産品販売も増えつつあり、民泊での木工品づくり体験もあって、木工にかける時間が増えてきた。そこで気になってきたのは道具。趣味で集めた簡素なものばかりで、いい道具があればもっといいものが作れるようになると考えました。
木工は収益確保を目的にしている事業ではないため、そこまでお金をかける余裕はありませんでした。そうした中、補助金が利用できれば上位機種にも手が届くし、作業も短時間でこなせるようになる。正直ありがたいと思いました。
焼き印だと形状は固定ですが、レーザー加工機だとデザインを選べるので、使い方が広がります。お客さまも自分でデザインしたものを印刷すると思いがけずいい感じに仕上がるので、『記念になる!』と感激していただけました。観光の満足度向上につながっているように感じ、導入してよかったと思います。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者にとって、ワンランク上の世界へ進み業績アップにつながる補助金だと感じています。
観光を目玉にしていかないと大紀町は立ち行かないと考えています。観光で町を大きくするためには、観光協会も力をつけていけたらいい。観光に多くの予算を振り分けて、他の町がやっていない観光事業を進めることで、観光客を呼び込みたい。たとえば瀧原宮の隣に、伊勢神宮内宮に隣接するおはらい町のような商店街ができたらいいと考えています。そこに多くの観光客が来るようになったら成功だと思っています。
三重県の建築板金業・木工品づくり
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、小規模事業者持続化補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(第19回)
販路開拓の手段
- フェアへの出店:町外の大型商業施設で開く町のフェアに、刻印入りのまな板やカッティングボードを並べる。
- 体験の提供:民泊での木工品づくり体験や、モニターツアーでの木札づくりを通じて木工品にふれてもらう。
- イベントでの販売:県産木材で作ったリヤカー屋台で、地域のイベントや市に出る。
- 都市部での発信:東京で開かれた町のイベントに出展する。
相談先と計画づくり
| 商工会 | 大紀町商工会 |
|---|
木工品にブランド名を刻んで付加価値を高めるという目的を決め、それに合う設備を選んだ。2回目は補助の対象になる価格帯で、操作しやすく加工が大きく速くなる機種に絞った。
今後の展望
観光を町の柱にするため、観光協会の力をつけ、観光に予算を重点的に回して他の町にない観光事業を進めたい。神社の近くに門前町のような商店街ができることを思い描いている。
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小規模事業者持続化補助金について
直近の第19回の採択率は47.2%(応募16,576件・採択7,819件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。
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