承継直後の水害とコロナ禍を越え、厨房の機械化で味を守る
合名会社牡丹荘
長野県の中華料理店(従業員3名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 分社化して本店を継いだ半年後に、台風で店が浸水し厨房機器がほぼ使えなくなった。
- 地元の商工会議所の指導員が、頭の中の考えを聞き取って事業計画に整理した。
- 持続化補助金を5回使い、調理の機械化、持ち帰り、非接触化を段階的に進めた。
- 後継者の息子がすでに店に加わり、次の承継も見据えている。
事業の経緯
昭和20年代に先代が親族の中華料理店を買い取って開いた食堂で、地域で初めて担々麺を出したとされる。1975年頃に今の場所へ移って法人化し、市外に2号店も出した。2019年5月、先代からの承継にあわせて分社化し、兄が本店を継いだ。
承継から半年後に台風で店が浸水し、続くコロナ禍で客も減った。先代のころから付き合いのある商工会議所の指導員と計画を整理し、持続化補助金を何度も使って厨房の機械化と持ち帰りへの対応を進めた。売上は倍以上になり、後継者の息子もすでに店に加わっている。
事業の内容
- 課題:承継直後の水害昭和20年代に開いた中華食堂で、地域で初めて担々麺を出したとされる。2019年5月に分社化し、兄が本店、弟が2号店を継いだ。承継から半年後の同年10月、台風で店が膝下ほど浸水し、床暖房や厨房機器がほぼ使えなくなった。地元の事業者やボランティアの助けで約2週間後に一部の営業を再開したが、元に戻るまでには時間がかかった。
- 課題:コロナ禍と持ち帰りコロナ禍で来店客が減り、チラシのポスティングなどで手を打ったが、持ち帰りに本格的に対応できないことが課題として残った。このままでは耐えるだけの経営になるという危機感があった。
- 取り組み:計画の整理先代のころから付き合いのあった地元の商工会議所の指導員に相談した。指導員は代表の思いや悩みを聞き取り、調理を効率化して味を保ちながら安定して料理を出すこと、持ち帰りをしっかり広げることを事業計画に整理した。申請書類の作成から手続き、採択後のフォローまで支援を受けた。
- 取り組み:厨房と店の機械化持続化補助金で、チャーシューの低温調理や宴会料理の時間短縮のためにスチームコンベクションオーブンを、厨房の手間と従業員の負担を減らすために自動の餃子焼き機と餃子製造機を入れた。コロナ禍ではラーメンを持ち帰り用にするため真空包装機を、非接触化と業務の効率化のためハンディターミナルとPOSレジを導入した。のちにIT導入補助金で、席で注文できるタブレット型の注文システムも入れた。
補助金を使った経費
記事の内容から、小規模事業者持続化補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 機械装置等費 | スチームコンベクションオーブン |
|---|---|
| 機械装置等費 | 餃子焼き機 |
| 機械装置等費 | 餃子製造機 |
| 機械装置等費 | 真空包装機 |
| 機械装置等費 | ハンディターミナル |
| 機械装置等費 | POSレジ |
事業の効果
- 売上が、承継時やコロナ禍のころと比べて倍以上になった。
- 新しく雇った人がすぐ戦力として働ける厨房になり、従業員の負担も軽くなった。
- ラーメンの持ち帰りに対応できるようになった。
- 代表自身の考えが整理され、店の強みや課題があらためて見えるようになった。
事業者の声
このままではいけない。
変わるための手段を考えなければ。
宮沢さんや会議所の皆さん、地域の仲間の事業者やボランティアの皆さんのサポートがなければ事業をやめていたかもしれない。
自分の考えが整理され、うちの強みや課題が改めて見えてきた。
調理を効率化して味を守りつつ安定的に料理を提供したい。
テイクアウトをしっかりと展開したい。
補助金を活用して資金的なハードルを下げることにより実現への道が開ける。
このままでは耐えるだけの経営になってしまう。変化しなければ生き残れない。
地域の人たちの集いの場として、これからもこの店を使ってもらえるようにしたい。
変わらない味がここにある。
強みをつくって、次の課題を見つけて、またチャレンジする。
長野県の中華料理店(従業員3名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、小規模事業者持続化補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(第19回)
販路開拓の手段
- 持ち帰り:真空包装機でラーメンを持ち帰り用にした。
- 店内の注文と会計:ハンディターミナルとPOSレジで非接触にし、来店客の受け入れを効率よくした。
- チラシのポスティング:コロナ禍で来店客が減った時期に行った。
相談先と計画づくり
| 商工会議所 | 千曲商工会議所 |
|---|
代表の頭の中にあった、調理を効率化して味を守ること、持ち帰りを広げることを事業計画として整理した。補助金で資金面の負担を下げれば構想を実現できると見通し、段階的に設備を入れる計画にした。
今後の展望
地域の人が集まる店として昔ながらの味を守りつつ、客の好みの変化にも応えていく。人材育成と経営の基盤づくりに力を入れ、従業員やアルバイトの賃上げにも取り組む。後継者の息子への親族内承継を見据えている。
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