車検の検査機器をIoTでつなぎ、1日6.9時間の検査を0.9時間に

有限会社オートサービスふじい

成果工程全体の検査時間が1日約6.9時間から約0.9時間になり、処理能力が1日3台から最大6台になった。

この事例のポイント

  • 雲仙市を拠点に、自動車の販売から車検・整備・鈑金塗装・保険まで車のトータルサービスを提供している。
  • 各検査を個別の機器で行い、作業者が都度段取り替えと手動測定・記録をし、結果を紙に手書きして後からPCに転記していた。
  • 検査機器をIoTで連携する検査ラインシステムを導入し、リモコン1つで一括制御、車両情報からの自動調整、測定結果の自動判定と自動反映を実現した。
  • 経験の浅いスタッフでも検査に従事しやすくなり、次世代車両の整備技術習得など将来に向けた取り組みに時間を使えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社オートサービスふじい
所在地長崎県
業種自動車の販売・車検・整備・鈑金塗装・保険
従業員数15人
資本金300万円

事業の経緯

雲仙市を拠点に、自動車の販売から車検・整備・鈑金塗装・保険まで幅広く取り扱う車のトータルサービスを提供している。

車検では各検査を個別の機器で行い、紙に手書きした結果を後からPCに転記しており、設備の老朽化で非効率になっていた。人件費の高騰と地域市場の縮小に対応するため、省力化投資補助金でIoT連携の検査ラインを導入した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 個別機器による段取り替えと手書きの記録ブレーキ・速度・サイドスリップ・ヘッドライトの各検査を個別の機器で実施し、作業者がその都度段取り替えと手動測定・記録を行っていた。測定結果は紙に手書きし、後からPCへ転記していた。設備の老朽化で業務が非効率になり、処理能力も足りなかった。
  • 人件費の高騰と地域市場の縮小人件費の高騰に対応し、省力化で採算性を確保する必要があった。次世代車両への対応力の強化と、地域市場の縮小に対する顧客基盤の強化も課題だった。

やったこと

  1. IoTで連携する検査ラインの導入検査機器をIoTで連携して車検業務を省力化・効率化し、少人数でも高品質な車検を提供して生産性と収益性を高める次世代型の車検センターにするため、検査ラインシステムを中心に、ヘッドライトテスタ、排ガスアナライザ、トリニティテスタ、マルチユースリフトを導入した。リモコン1つで各機器を一括制御し、車両情報から自動調整して段取り替えの時間を短くし、測定結果は自動判定されてシステムに自動反映されるようにした。

事業の効果

  • 工程全体の検査時間が1日約6.9時間から約0.9時間になった(1名×3台)。
  • 処理能力が1日3台から最大6台になった。
  • リモコン1つで各機器を一括制御し、車両情報からの自動調整で段取り替えの時間が短くなった。
  • 測定結果が自動判定され、人手による計算が不要になった。IoT連携で測定データがシステムに自動反映され、集計・転記の作業がなくなった。
  • 特定の作業員への依存から抜け出し、スキルの有無を問わず少人数で検査できるようになり、利益率が上がった。
  • データ活用でサービス品質と顧客満足度が上がり、顧客への説明や整備提案がスムーズになった。

審査の観点ごとの評価

中小企業省力化投資補助金の公募要領にある審査の観点10つで見ています

観点の平均2.7 / 5
直近の回(第6回)の採択率63.9%応募1,841件・採択1,176件

出典:公募要領 p.30(審査項目)

技術面55%
  • 省力化の効果5

    工程全体の検査時間が1日約6.9時間から約0.9時間に短縮され、処理能力も1日3台から最大6台になったと数字で示され、算出根拠も読み取れる。

  • 投資の回収1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 付加価値の伸び1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 自社に合わせた設備4

    検査ラインシステムを中心に各テスタ・リフトを組み合わせ、車両情報からの自動調整やIoT連携で段取り替えを減らす構成が具体的に書かれている。

計画面50%
  • 体制と資金2

    社内体制や財務状況、サイバーセキュリティ対策にはふれておらず、従業員15名の規模とスタッフ負担軽減のみがうかがえる。

  • 優位性とスケジュール3

    段取り替え・手動測定の削減など省力化の遂行方法は読み取れるが、導入スケジュールや期間は書かれておらず具体性が薄い。

  • 賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 会社全体への効果4

    特定作業員への依存解消と、少人数での検査や次世代車両の整備技術習得への時間転換が書かれており、会社全体への効果がうかがえる。

政策面60%
  • 地域経済への波及3

    雲仙市を拠点に車のトータルサービスを提供すると書かれ、地域市場縮小への対応課題もあるが、地域経済への波及効果は具体的に述べられていない。

  • イノベーション3

    IoTで連携する検査ラインや次世代車両への対応が書かれ、先端技術の活用はうかがえるが、業界全体への影響や新ビジネスモデルまでは示されていない。

補助金を使った経費

冊子の内容から、省力化投資補助金の経費区分にあてはめた区分です。

  • 機械装置・システム構築費検査ラインシステムヘッドライトテスタ排ガスアナライザトリニティテスタマルチユースリフト

事業者の声

上記改善効果により、経験の浅いスタッフでも検査業務に従事しやすくなり、人材育成の負担軽減や職場環境の改善にもつながりました。

また、検査の品質の標準化・デジタル化により、顧客への説明や整備提案がスムーズになった点は、顧客満足度向上・リピート獲得に寄与すると考えています。

次世代車両(EV・ハイブリッド・ADAS車)の整備技術習得や機器導入準備など、将来の事業展開に向けた取り組みを進めることができるようになりました。

長崎県の自動車整備業(従業員15名)
出典

今後の展望

検査の標準化・デジタル化で顧客への説明や整備提案をスムーズにし、顧客満足度の向上とリピート獲得をめざす。EV・ハイブリッド・ADAS車など次世代車両の整備技術の習得や機器導入の準備を進め、将来の事業展開につなげる。

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