ものづくり補助金平成24年度岐阜県

革新的工法による安価な褥瘡予防マットレスの生産技術開発と欧州向け褥瘡予防マットレスの製品開発事業

株式会社ハイビックス

この事例のポイント

  • 国内で介護用品を扱う中で、国内市場の広がりには限りがあった。
  • 欧州向けマットレスの開発にあたり、材料のサンプリングと試験、形状試作、品質評価試験、フィールドテストを実施した。
  • 安全性と高機能を兼ね備えた自社製品の販売を始め、自社ブランド化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハイビックス
所在地岐阜県 瑞穂市
業種プラスチック製品製造業
技術分野切削加工
従業員数58人
資本金2,400万円
設立1954年

事業の背景

1951年にビニール製品メーカーとして創業し、マットやポータブル浴槽などの介護・健康用品、旅行用品、産業資材まで幅広く手掛けてきた。介護用品では自社ブランドのエアマット製品の開発を進めていた。日本製と台湾製の品質評価を比較したところ、品質評価項目点数の割合比で日本製が20〜34%の優位性を示した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑国内で介護用品を扱う中で、国内市場の広がりには限りがあった。
  • 販路・情報発信欧州市場に流通する褥瘡予防マットレスのほとんどが台湾製で、海外市場では品質の低い台湾製が流通していた。
  • コスト・採算製造コスト(原価)が高かった。

やったこと

欧州向けマットレスの開発にあたり、材料のサンプリングと試験、形状試作、品質評価試験、フィールドテストを実施した。頭部、肩部、腰部、仙骨部、膝部、踵部にそれぞれ対応したエアセルを配置し、負荷が最も大きい仙骨部には、エアセルを上層・中層・下層の3層構造としたエアマットを試作した。これまで外注していた電動ポンプの設計、開発、製造を自社で行い、エアマットシステム全体の構築を試みた。そのために30kw高周波溶接機を改造し、CPRコネクター・エア止め栓の金型一式と3連チューブ金型一式を購入した。

加工機30kw高周波溶接機(改造)
金型CPRコネクター・エア止め栓金型一式
金型3連チューブ金型一式
その他電動ポンプ

新しい製品・サービス:3層構造のエアマットレスによる褥瘡予防マットレス(ヨーロッパモデル)

事業の効果

安全性と高機能を兼ね備えた自社製品の販売を始め、自社ブランド化を実現した。ポンプによる空気圧の調整で140kgの人にも対応し、常に20mmHgを保つ。オランダの販売代理店で取り扱われ、ドイツでも事業展開を図っている。中東の医療機器展に出展し、インドネシアやタイなど東南アジア市場の開拓も進めている。電動ポンプの自社開発により車いすへの応用や小型マットレスの商品化も研究され、今後の汎用性が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1951年創業のビニール製品メーカーで介護用品を手掛けてきた経緯があり、自社ブランドのエアマット開発へつながる一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    台湾製との品質評価で日本製に20〜34%の優位性があり、高周波ウエルダー等の技術力を強みとして、欧州市場で機能面に勝る製品を提供する方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    国内市場の限界、台湾製の流通、製造コストの高さが課題として挙げられ、自社製造や電動ポンプ内製化で対応する方向は読み取れるが、コスト低減の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    欧州や東南アジアでの市場開拓の進捗は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数58人や設立年は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    140kgの人にも対応し20mmHgを保つ圧力分配、三層構造による底付き防止など、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    材料試験、形状試作、品質評価、フィールドテストという段階と、オランダ代理店やドイツでの展開が書かれており、遂行方法の流れは読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    台湾製が多数を占める欧州の褥瘡予防マットレス市場で、日本製が品質評価で20〜34%優位という高水準の製品開発を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    欧州や東南アジアへの展開や車いす・動物用への応用期待が書かれているが、雇用創出や経済波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    電動ポンプを自社開発し、圧力を自動で調整する空気圧制御でエアマット全体の機能を実現した点は技術革新として読み取れるが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域である瑞穂市に所在する企業で、高付加価値製品の海外展開を進めている点は読み取れるが、地域経済への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

車いすへの応用や動物用など小型マットレスの商品化に向けた研究が進められ、今後の汎用性が期待される。

  • 目標:日本製が台湾製に対し20〜34%の優位性

事業者の声

「空気でふくらむ」製品づくりを追求

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。