ものづくり補助金平成24年度愛知県

自動車部品の不良品流出ゼロ体制確立と省工程化の実現のための高性能複眼検査システムの導入

朝日理化株式会社

成果検査時間(1回あたり) 40秒→15秒

この事例のポイント

  • 自動車部品は複雑形状化・肉薄化が進み、成形不良が起きやすくなっており、人の目だけによる検品では見落としが起こりやすい。
  • 平成25年12月に「高性能複眼検査システム」を導入した。
  • 検査時間(1回あたり) 40秒→15秒。人的でなく機械的な検査になったことで品質保証の確実性が増し、取引先の評価ランクが引き上げられる効果が生まれている。

事業者のプロフィール

事業者名朝日理化株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数100人
資本金1,200万円
設立1974年

事業の背景

同社は愛知県の本社工場で約2000種類の樹脂成形品を製造し、自動車や電動工具業界から厚い信頼を得てきた。自動車部品は人の生命に係わるため、一つの欠けも許されない責任の大きさがある。近年は原材料節約や軽量化のため、自動車部品の複雑形状化・肉薄化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車部品は複雑形状化・肉薄化が進み、成形不良が起きやすくなっており、人の目だけによる検品では見落としが起こりやすい。
  • 品質・精度製品欠損率は1%以下だが、出荷してしまえば不良品となるため、不良品を顧客に納品しない検査体制の強化が必要だった。
  • 生産能力検査体制を強化すると生産効率が下がるため、検査工程をスリム化して生産効率を向上させる必要があった。

やったこと

平成25年12月に「高性能複眼検査システム」を導入した。これまでは成形後に2回の人的検査工程があり、1回あたり40秒を要していた。新システムでは15秒の1回の検査で出荷前検査を行い、射出成形工程後の工程内検査としても活用する。金型から取り出し機で製品を検査装置内に運び、高性能センサー付きカメラで細かく分割された検査ポイントを多面的に読み取り、記憶させた正しい形状の画像と比較して成否を判定する。光の加減で製品表面が白濁して写るなどカメラ検査機の設置方法に苦心し、半年間の開発期間を経て稼働を始めた。射出成形機の工程監視装置と連動し、射出圧力や射出時間などの成形条件ごとに不良の発生箇所と種類のデータを蓄積している。

  • 検査測定高性能複眼検査システムカメラ検査システム

事業の効果

  • 検査時間(1回あたり) 40秒→15秒

人的でなく機械的な検査になったことで品質保証の確実性が増し、取引先の評価ランクが引き上げられる効果が生まれている。検査工程を人的検査2回からシステム1回に減らし、検査時間は40秒から15秒になり、省工程化と生産効率の向上につながった。蓄積したデータやノウハウは今後の品質改善にも活用される見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    「不良品ゼロ」を掲げ検査体制強化を判断したとあるが、過去の取組や事業戦略との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    自動車部品など複雑形状の製造と取引先評価の向上は書かれるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    成形不良増加による人的検品の見落としという課題と、40秒から15秒への検査短縮、取引先評価の引上げが具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれず、工程削減によるコスト低減の目的が述べられるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    既存の取り出し機の運用経験が役立ち、半年の開発期間を経て稼働したと書かれているが、体制や人材の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品の不良品流出ゼロという顧客要求と、取引先評価の引上げ、最重要部品向け受注を目指す点が書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    半年の開発期間、白濁対策などの課題、今後の複数ラインへの導入計画が書かれ、遂行の流れが分かる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状の自動車部品で高品質を維持する点は読めるが、分野の普及度や高価格化の具体的な数字は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・電動工具業界の信頼に触れるが、地域経済や雇用創出などの波及効果の記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    検査時間を40秒から15秒に短縮し、出荷前検査を一本化した工程削減と、欠損率1%以下の水準が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    高性能複眼カメラによる画像比較や工程監視装置との連動でデータを蓄積する点は読めるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    信頼ある地元製造業として記述はあるが、地域の特性を活かした付加価値や地域成長への言及は乏しい。

今後の展望

蓄積したデータやノウハウを生かし、カメラ検査システムを複数ラインへ導入する計画であり、最重要部品向けプラスチック製品の受注につなげたいとしている。

事業者の声

自動車部品は人の生命に係わるもの。 一つの欠けもあってはならない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。