ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業北海道

付着モルタルリサイクルシステムの製作販売

株式会社北斗商販

この事例のポイント

  • ミキサー車のドラム内に付着したモルタルは、水洗い後に総容量の1%がスラッジとして廃棄物になっている。
  • JIS A 5308付属書Dに規定されている「トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法」を実用化したシステムを開発した。
  • 最大50%程度のスラッジ削減が可能になり、廃棄物の量を大きく減らせる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社北斗商販
所在地北海道 滝川市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野製造環境
従業員数32人
資本金2,950万円
設立1970年

事業の背景

株式会社北斗商販は建設資材を取り扱う会社で、関連会社に生コン会社2社(コスモ生コン、アサヒ生コン)がある。全国の生コン工場から排出されるスラッジは推計約100万立方メートルで、その量は札幌圏の1年間の生コン需要とほぼ同じである。ダンプ1台あたりの処分費用は地域差があるものの最低10万円、地方では20万円以上になることもある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算ミキサー車のドラム内に付着したモルタルは、水洗い後に総容量の1%がスラッジとして廃棄物になっている。
  • コスト・採算スラッジは再利用する方法がなく、環境対策を施した管理型の最終処分場へ運ばれて処分されており、処分にはコストがかかる。
  • その他スラッジは固まらずに放置すると汚泥となり、有害物質に変化することもあり、法律では遮水壁のある処分場での処理が定められている。

やったこと

JIS A 5308付属書Dに規定されている「トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法」を実用化したシステムを開発した。規格には、ドラム内に保存する方法と専用容器に保存する方法の2種類があり、後者は開発・技術部の小原部長が提言してJISに追加されたものである。ドラム内の付着モルタルを安定剤希釈液(安定剤1に対し水49)で洗浄し、専用の保存容器に排出して新たなコンクリートに混ぜ込み再利用する。排出されたモルタルはバイブロスクリーンで粒子を分ける工程を経る。開発当初は配管詰まりや排出弁の切り替え不良などの失敗が続いたが、構成を繰り返し見直して改良した。このシステムは特許を取得し、「Repro」と名付けられた。

新しい製品・サービス:付着モルタルリサイクルシステム「Repro」(特許取得)

事業の効果

最大50%程度のスラッジ削減が可能になり、廃棄物の量を大きく減らせる。付着モルタルはJISの「お墨付き」製品として新たなコンクリートに再利用でき、品質の劣化はないとされている。スラッジをリサイクルできることで処分費用を抑えられるほか、運搬ダンプの台数を減らしてCO2削減にもつながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    関連会社の生コン事業に携わった経験から取り組んだと書かれており、過去の事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許取得の技術で、国内約3000の生コン工場への導入を見込み、業界で注目されていると書かれ、競争優位が具体的にうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    スラッジ処分費はダンプ1台10万〜20万円と具体的な数字で課題が示され、最大50%の削減が見込めると書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発で配管詰まりや排出弁の不具合が続き、何度も構成を見直したとあるが、実施体制や人材の記載は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    処分費が高いことや、国内約3000工場が対象であることが示され、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    JIS規格付属書Dに沿った方法や保存の2方式は書かれているが、遂行スケジュールや期間の記載はない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    生コンスラッジの廃棄問題を日本で初めて解決するシステムとして紹介され、業界で従来ほぼ対策がなかった点が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    全国のスラッジ推計約100万立方メートルや、運搬ダンプ減数によるCO2削減が示され、社会的な意義が具体的に読み取れる。

  • 費用対効果3

    処分費削減や最大50%のスラッジ減少は示されるが、補助金投入額や費用対効果を示す投資額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    業界全体の廃棄問題の解決に触れてはいるが、デジタル技術や新たなビジネスモデルの記載はわずかにうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    資源の再利用やコンプライアンス改善の意義は書かれているが、市場成長や産業構造の転換との関連は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    本社は滝川、営業所は札幌にあると書かれるが、地域の特性を生かした高付加価値化や雇用創出の記載は乏しい。

今後の展望

国内約3000の生コン工場への導入が進めば、コスト面と環境面で得られるメリットは計り知れないと見込まれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。