ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

高齢者向けユニバーサルデザインフード対応「簡単調理やわらか惣菜」の開発及び製造販売

株式会社マーマ食品

この事例のポイント

  • 高齢者の誤嚥を防ぐためには食材に適度なやわらかさが必要だが、形や見た目を保ったまま食材をやわらかくする食品の開発が求められていた。
  • 広島県が特許を持つ「凍結含浸法」を用い、酵素を食材の内部まで均一に染み込ませて、食材の形状や見た目を変えずにやわらかさを保つ食品を試作した。
  • 凍結含浸法の活用により、食品素材の見た目や風味を保ったまま食材を軟らかくすることが可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マーマ食品
所在地岩手県 花巻市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数61人
資本金1,000万円
設立1958年

事業の背景

当社は創業以来、和惣菜のレトルト食品を開発・製造し、業務用や市販用として販売してきた。食品添加物を使わず天然の昆布や鰹で出汁を取る製法を理念としている。2013年より関東圏で一世帯あたり2人以下の高齢者世帯を対象に冷凍個包装和惣菜の通信販売を始めており、そのユーザーアンケートでは硬さ(やわらかさ)についての改善要望が最も多かった。高齢化の進行により高齢者向け食品の需要増加が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高齢者の誤嚥を防ぐためには食材に適度なやわらかさが必要だが、形や見た目を保ったまま食材をやわらかくする食品の開発が求められていた。
  • 品質・精度食材ごとに適度なやわらかさとなる事前調理時間が分からず、食材別の最適な調理条件を確立する必要があった。

やったこと

広島県が特許を持つ「凍結含浸法」を用い、酵素を食材の内部まで均一に染み込ませて、食材の形状や見た目を変えずにやわらかさを保つ食品を試作した。食材ごとに「茹でる」「蒸す」「炒める」「水に浸す」の事前調理を行い、最適な時間を計測してデータベース化した。真空冷却機を導入して減圧により酵素を素材の細胞へ染み込ませ、深絞り真空包装機を導入して空間率を小さくし、やわらか食材でも形状を壊さず包装できるようにした。

その他真空冷却機
その他深絞り真空包装機
ソフト生産管理ソフト

新しい製品・サービス:高齢者向けユニバーサルデザインフードに準じた「簡単調理やわらか惣菜」

事業の効果

凍結含浸法の活用により、食品素材の見た目や風味を保ったまま食材を軟らかくすることが可能になった。食材別の事前調理時間をデータベース化し、既存の生産管理ソフトの作業指示書に反映させたことで品質の標準化にもつながった。真空冷却機と深絞り真空包装機の導入により「簡単調理やわらか惣菜」を開発した。今後は煮物など複数食材の惣菜への展開や、通信販売や介護施設への販路拡大を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    2013年から通信販売で冷凍個包装和惣菜を手がけ、これを踏まえて高齢者向け食品の開発に着手したと書かれているが、経営戦略上の位置付けは具体的に述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化の進展と高齢者世帯向け通販のアンケートで硬さへの改善要望が最多だったことは読み取れるが、競合や自社の経営資源の強みとの関係は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    高齢者の食事は形を失った食品が多いという課題認識と、形と風味を保つ凍結含浸法での解決方針は読み取れるが、事業計画としての売上目標などは書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員61名と書かれている程度で、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    噛む力や飲み込む力に合わせた適度なやわらかさ、見栄えと風味を保つ点など、製品の価値と顧客像が具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    複数食材の惣菜への研究、食材データベース化、販路として介護施設を計画するなど今後の課題と方向は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    酵素で食材の硬さを調節する凍結含浸法により、約50種類の食材で事前調理時間を計測しデータ化した点は、同分野で高水準の高付加価値化を示している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢者の誤嚥防止や高齢化社会の食の課題に触れているが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    データベース化と生産管理ソフトへの反映で品質の標準化につなげたとあるが、補助金額に対する付加価値増加などの数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    凍結含浸法の特許技術と生産管理ソフトへの反映は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会で需要が増大する食品分野への進出とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後一段と進化する高齢化社会にともない、高齢者向け食品の需要が増大すると見込んでいる。今後は煮物など複数の食材からなる惣菜の研究や、全食材のデータベース化を進める予定である。また、知的財産権を取得可能な技術は出願する予定である。

  • 目標:当社で取り扱う約50種類の食材のうち主要な食材について、事前調理時間をデータベース化することに着手した。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。