ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

生産管理システムの導入による業務プロセスの高度化と新事業分野の開拓

株式会社薄衣電解工業

この事例のポイント

  • 手書きの作業指示票は毎月8,000〜10,000枚と発行数が膨大で、作成に多くの時間と労力が必要だった。
  • 受注後の作業指示票作成、帳票への転記、品質記録の保管、棚卸時の現品確認を手書きから生産管理システムへ移行した。
  • 作業指示票の作成時間が全社で1日あたり2時間短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社薄衣電解工業
所在地岩手県 北上市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数73人
資本金8,000万円
設立1958年

事業の背景

1958年に神奈川県で創業し、メリヤス編み機の編み針の電解研磨を手がけた後、電子部品業界の増産に合わせて圧着端子や半導体リードフレームのめっき加工を行ってきた。1985年に北上工場を新設してめっき事業を広げ、現在は全国約765社の顧客を持つ。半導体や電子部品から大きな機構部品まで多品種少量生産に対応することが強みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手書きの作業指示票は毎月8,000〜10,000枚と発行数が膨大で、作成に多くの時間と労力が必要だった。
  • 品質・精度手書きのため記入漏れや書き違いが発生していた。

やったこと

受注後の作業指示票作成、帳票への転記、品質記録の保管、棚卸時の現品確認を手書きから生産管理システムへ移行した。マスターデータ管理による作業指示票の作成、バーコードを利用した帳票への転記、システムによる品質記録の共有、入出庫データ管理を導入した。導入には約2年を要し、現場意見の聴取に約半年、システム構築に約半年、システムチェックに約3カ月、データ入力と使用方法の習得に約半年をかけた。高年齢でパソコンに慣れていない工場スタッフには丁寧に操作方法と有用性を説明し、理解を得た。

ソフト生産管理システム
その他バーコード読み取り機器

事業の効果

作業指示票の作成時間が全社で1日あたり2時間短縮された。部品の略図を手書きする必要がなくなり、読み違いなどの作業ミスが減って正確性が向上した。記入専任担当者がいなくても現場の製造担当者が入力できるようになった。納期確認もパソコン上で行え、再受注時は製品の細かなデータを打ち込む必要がなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    手書き作業の課題とめっき加工のデパート化を目指す方針が書かれ、過去の技術蓄積との連続性は読み取れるが、戦略上の位置付けの具体性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国約765社の顧客、多品種少量生産への対応、技術力の高さを強みとして挙げ、景気の影響を受けにくい体制に触れている。

  • 課題の認識と解決4

    作業指示票を毎月8,000~10,000枚手書きしていた課題を認識し、生産管理システム導入で1日2時間短縮と記載されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業指示票作成時間の1日あたり2時間短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    業務課長が導入責任者を務め、現場意見聴取やスタッフ教育を行ったとあるが、補助事業の遂行体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ターゲットや多品種少量生産の強みは読み取れるが、ニーズの裏付けを示す数字は限られる。

  • 事業化までの道筋4

    システム構築に約2年、意見聴取約半年、構築半年、テスト約3カ月、習熟約半年と段階ごとの期間が明記されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    めっき加工の中で多品種少量と技術力の高さを特長とする点はうかがえるが、高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    岩手県南部の自動車関連工場増加や自動車部品めっきの受注増に触れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間短縮と記入ミス減少が書かれるが、投入額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    生産管理システムやデータ共有によるバーコード活用が記載され、デジタル活用はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県北上市の地域性や県南部の自動車産業集積に触れ、地域の特性との関連は一部読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車部品のめっき加工の発注が増えると思われ、車載カメラなどのセンサー類も今後受注量の増加が予想される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。