ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

観光客をターゲットとする奥久慈地域の特産品を活用した手作りピザの販売と提供

袋田食品株式会社

この事例のポイント

  • 東日本大震災後の福島第一原発事故による風評被害で観光客が大幅に減少し、地域全体の活気が失われつつあった。
  • うどん製造所だった建物をピザ工房に改装し、店舗入口からピザ釜が見えるようにしてオープンキッチン式に設計した。
  • ピザ釜で焼く本格的なナポリピザを提供する店舗が奥久慈地域になかったため、観光客に加え地元住民の利用も徐々に増えている。

事業者のプロフィール

事業者名袋田食品株式会社
所在地茨城県 大子町
業種食料品製造業
従業員数62人
資本金1,215万円

事業の背景

同社は奥久慈地域の特産品であるこんにゃく・ゆばの製造販売、日帰り温泉、宿泊施設といった観光客向けの事業を展開している。奥久慈地域は袋田の滝などの観光スポットが点在し、県内外から多くの観光客が訪れていたが、2011年の東日本大震災以降は観光客が減少していた。名物メニューとしては和食中心で、家族連れや若い世代、リピーターの新たな観光客層への訴求が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑東日本大震災後の福島第一原発事故による風評被害で観光客が大幅に減少し、地域全体の活気が失われつつあった。
  • 生産能力こんにゃく・ゆばは近年の和食離れで消費量が減少し、今後どのように売り上げを伸ばすかが課題となっていた。
  • 新製品・新技術地域の名物メニューとなる新しい料理の開発が求められていた。

やったこと

うどん製造所だった建物をピザ工房に改装し、店舗入口からピザ釜が見えるようにしてオープンキッチン式に設計した。イタリアから石窯を取り寄せ、450℃前後で90〜120秒で焼き上げるナポリピザを提供している。石窯は1度に3枚まで焼ける。担当スタッフは大阪のイタリアンレストランに研修派遣し、基礎技術を習得させた。奥久慈しゃもの卵や葉わさび、大子産リンゴなどの地元食材を使ったメニューを他施設の料理長と立案し、社内試食や利用客の試食を経て開発した。店内とテラスに座席を設け、テイクアウトとイートインの両方に対応している。

加工機イタリア製石窯(ピザ釜)

新しい製品・サービス:奥久慈しゃもと長ネギ、しゃもの卵と生ベーコンのビスマルク、葉わさびと生ゆば、奥久慈リンゴのピザなど、地元食材を使ったナポリピザ。

事業の効果

ピザ釜で焼く本格的なナポリピザを提供する店舗が奥久慈地域になかったため、観光客に加え地元住民の利用も徐々に増えている。利用客からは「ここでしか味わえない奥久慈の名物」として好評を得ている。ドリンクにも粒状こんにゃく入りリンゴのスムージーなどオリジナルドリンクを加えた。平日限定のランチセットや季節限定メニューの提供で、リピーターにも新しさをアピールしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のこんにゃく・ゆば販売と観光事業の延長で飲食を始めた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    震災後の観光客減少と和食離れという外部環境を踏まえ、地元特産品を使ったナポリピザで新客層を狙う点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    観光客減少と売上課題を明示し、一貫した名物メニュー開発で解決を図る計画が示されている。高付加価値化の数値目標は見えない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制4

    大阪のイタリアンレストランへスタッフを研修派遣し、料理長を交えてメニュー開発した体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    特殊石窯で90〜120秒に焼き上げ、奥久慈しゃもなど地元食材を使うことで、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    季節限定メニューの提供やスタッフ育成への注力など今後の方針は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    地域の特産品を使ったナポリピザは奥久慈で提供店がなく、地域内で新しい分野であることが書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    震災後の風評被害で地域全体の活気が失われたことを背景に、地域活性化への貢献が明確に述べられている。

  • 費用対効果3

    投入額や付加価値額の数値は書かれておらず、費用対効果は定量的に読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    オープンキッチンや特産品の活用はあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献はうかがえない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    奥久慈の特産品と大子産リンゴなど地域食材を活かし、地域集客と雇用につなげる取り組みが数字や事実つきで書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

観光シーズンのピークである秋以外の集客アップが課題であり、今後はイベントなどに参加して奥久慈の新しい名物としてピザをPRしていく。そのためにピザが焼けるスタッフの育成にも力を入れていく。

事業者の声

奥久慈の豊かでおいしい食材がたくさんあり、もっと多くの人にそのおいしさが認知されるよう努力していきたい。ピザという「洋」の新しいメニューを開発することで、若者にも奥久慈の特産品を味わってもらえると期待している。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。