ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

複合フィルムの混練によるペレット試作開発

高浪化学株式会社

成果MFR(目標0.5)の振れ幅 2→0.2

この事例のポイント

  • リサイクルペレットの品質にばらつき(ブレ)があり、目標値に安定させることが難しかった。
  • 切断機を2台導入し、素材の同時切断を可能にした。
  • MFR(目標0.5)の振れ幅 2→0.2。全7項目の振れ幅が改善前より縮小し、品質の均一化が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名高浪化学株式会社
所在地茨城県 八千代町
業種プラスチック製品製造業
従業員数25人
資本金1,000万円

事業の背景

同社はプラスチック再生加工に特化し、工場から出る不良品を原材料として再利用する「リペレット加工」を行い、再生原料を販売している。さらなる発展に向け、混練・分類の技術を生かして、廃棄される複合体フィルムから良質な三次素材ペレットを開発することを目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度リサイクルペレットの品質にばらつき(ブレ)があり、目標値に安定させることが難しかった。
  • 生産能力切断は1台の切断機で素材ごとに行っており、作業に時間がかかっていた。
  • 人手・技能四つのペレットを一度に混練する必要があり、配合が安定しにくかった。

やったこと

切断機を2台導入し、素材の同時切断を可能にした。これにより同時に2種類のペレット生成加工ができ、作業時間を短縮するとともに混練するペレットの種類を減らした。新たにメルトインデクサーを導入し、混合ペレットのMFR値測定を行った。ABペレットとCDペレットの物性値(MFR、弾性、強さ)を測定して配合割合の決定基準を把握し、改質材を加えた。二次加工後にも物性値測定を行って品質を検証し、タンブラーによるアフターブレンド工程を加えて全体の品質を均一化した。約3カ月のテスト期間に配合を変えながら試作を繰り返した。

加工機切断機(2台目)
検査測定メルトインデクサー
加工機タンブラー

新しい製品・サービス:複合フィルムを混練して作る高品質リサイクルペレットの試作品。数種類のベースとなる製品が完成した。

事業の効果

  • MFR(目標0.5)の振れ幅 2→0.2
  • 引張弾性率(目標20)の振れ幅 43→10
  • 引張強さ(目標1)の振れ幅 6→2
  • 引張破壊ひずみ(目標20)の振れ幅 80→3

全7項目の振れ幅が改善前より縮小し、品質の均一化が進んだ。目標値にはわずかに届かず、現在も試作開発を続けている。切断の同時化により作業時間が短縮され、混練するペレットの種類が減って配合も安定した。リサイクル品の品質が安定し、低価格で提供できる強みも生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    プラスチック再生加工に特化した事業を展開し、リペレット加工を続けてきた経緯が書かれており、今回の試作はその延長と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「混練」「分類」の技術を生かし、他社が手がけない領域を自社の技術力で開拓しようとしたと書かれている。市場動向の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    切断機の同時切断により作業時間の短縮、混練ペレットの種類減少と配合の安定化が書かれ、課題認識はあるが事業計画の内容としては薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    MFR目標値0.5に対し改善後0.2〜0.4、引張弾性率目標20に対し10〜30など数値はあるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員の積極的な姿勢に触れる記述はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についてはうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質が一定で低価格のペレットを提供できる点が強みとされ、既存顧客への提案や県外の取引先も書かれているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    約3カ月のテスト期間、配合変更を繰り返す遂行方法、目標値に届かず試作を継続するという課題と対応が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    リサイクルペレットの品質均一化は他社が手がけない領域と書かれるが、分野の普及度や高水準の高付加価値化を示す数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    石油由来プラスチックを再利用し資源の有効活用として地球環境に寄与すると述べられ、社会的意義はあるが、波及効果や雇用の数字はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献2

    切断機の同時化とMFR測定など設備導入による工程改善は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    プラスチックリサイクルの取り組みは書かれるが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    県内の企業ではなく県外の数社との取引や地域への言及はあるが、地域特性を活かした雇用や成長の記述は弱い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作開発から既存顧客に商品提案を行い、販売につなげる考え。リサイクル品を使う企業を重点的に営業し、取引範囲を広げたい。

事業者の声

石油由来であるプラスチックをリサイクルして再利用するということは、資源の有効活用という点で地球環境に寄与することになると考えている。今後は、一層この取り組みを発展させ、多くの企業にリサイクルペレットとして紹介していけるように進めていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。