ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

遮熱効果を有する外壁用高耐久性漆喰に関する研究開発

日本プラスター株式会社

成果表面最高温度(サーモギアによる遮熱比較) 58.4℃→45.3℃

この事例のポイント

  • 漆喰は市場が縮小しており、外壁でも使える耐久性と遮熱性を兼ね備えた新しい漆喰の開発が求められていた。
  • 漆喰を構成する消石灰、のり、繊維などの種類や比率を変えて試作品を作成し、導入した恒温恒湿室で耐久性試験を行った。
  • 表面最高温度(サーモギアによる遮熱比較) 58.4℃→45.3℃。高耐久性と高遮熱性を兼ね備えた外壁用漆喰「漆喰くるむ 外」の商品化により、外壁での漆喰利用という新市場を開拓した。

事業者のプロフィール

事業者名日本プラスター株式会社
所在地栃木県 佐野市
業種窯業・土石製品製造業
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1929年

事業の背景

当社は1929年創業の無機系塗り壁材料の専業メーカーで、天然資源の豊富な佐野市を拠点に漆喰などを製造・販売してきた。漆喰の市場規模は昭和40年代前半を境に右肩下がりとなり、現在は内装壁材の市場で壁紙が90%以上を占め、漆喰はその1%未満という厳しい状況にある。プレハブ住宅の普及などで内装はビニールクロス、外装はサイディングなどの乾式壁材に置き換わったことが原因である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術漆喰は市場が縮小しており、外壁でも使える耐久性と遮熱性を兼ね備えた新しい漆喰の開発が求められていた。
  • 生産能力漆喰や珪藻土などの湿式壁材は機能性に優れる一方、耐久性で乾式壁材に劣るという弱点があった。

やったこと

漆喰を構成する消石灰、のり、繊維などの種類や比率を変えて試作品を作成し、導入した恒温恒湿室で耐久性試験を行った。次にレディーゲミキサーでプレ試作を行い性能を評価した。サーモギアにより遮熱性を視覚的に確認できるようにし、色彩色差計によって耐汚染性を数値化した。これらの評価を経て、耐ひび割れ性、耐膨れ性、下地との接着性に優れ、高い遮熱性と低汚染性を備えた漆喰の開発に成功し、2016年に外壁上塗り用漆喰「漆喰くるむ 外」として商品化した。

その他恒温恒湿室
加工機レディーゲミキサー
検査測定サーモギア
検査測定色彩色差計

新しい製品・サービス:外壁上塗り用漆喰「漆喰くるむ 外」(高耐久性遮熱漆喰)

事業の効果

  • 表面最高温度(サーモギアによる遮熱比較) 58.4℃→45.3℃

高耐久性と高遮熱性を兼ね備えた外壁用漆喰「漆喰くるむ 外」の商品化により、外壁での漆喰利用という新市場を開拓した。サーモギアによる比較で表面温度が大きく下がり、遮熱性能の高さが示された。また、耐汚染性も色彩色差計で数値化された。新築だけでなくリノベーションの需要にも合致し、当社の一翼を担う商品に成長した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1929年創業以来の漆喰製造と、漆喰の市場拡大を目指す研究開発の方向性が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    漆喰は機能性で優位だが耐久性で不利という強みと弱みが書かれ、高耐久性遮熱漆喰で新市場を狙う方針が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    耐久性の課題を認識し、耐ひび割れ・耐膨れ・接着性の改善で製品化した経緯が書かれているが、数値目標や収益計画は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員一丸で全国販売店の実演を行ったと記載があるが、補助事業の遂行体制や人材は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自然派志向ユーザーに好評、施工性の良さからリノベーションにも合致、グッドデザイン賞受賞など顧客・選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    恒温恒湿室での耐久試験、レディーゲミキサーでのプレ試作、サーモギアや色彩色差計による評価という段階的な検証手順が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    漆喰市場は1%未満の瀕死の状況とされ、遮熱性を持つ高耐久性外壁用漆喰として新市場を開拓する点が明確に書かれている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    漆喰文化の次世代への継承という思いは書かれているが、経済波及や雇用創出などの国が補助する積極的理由は記載されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    自然素材の塗り壁材を見直す市場の変化は触れられているが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    佐野市の天然資源を拠点にした製造で地域資源を活かしているが、地域経済成長や雇用への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自然素材ならではの機能性を活かしつつ、工業製品にはない温もりや美しさを加味した塗り壁材料の研究開発を続け、居心地のよい住環境づくりに貢献していく考えである。

事業者の声

新しいことへの挑戦はリスクを伴うものですが、ものづくり補助事業は中小企業にとってとてもありがたい支援だと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。