ものづくり補助金平成25年度製造業栃木県

作業の安全を目的とした超音波センサを利用した接触防止装置開発事業

日本電子工学株式会社

この事例のポイント

  • 建設・土木の現場では重機や建機が関係する事故が少なからず起きており、作業員の安全対策が必要になっていた。
  • 超音波を利用した接触防止装置の開発と試作に取り組んだ。
  • ホーンの試作を重ねて理想に近い検知エリアを得た成果をもとに、2014年に「パノラマR2」として商品化した。

事業者のプロフィール

事業者名日本電子工学株式会社
所在地栃木県 宇都宮市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野機械制御,情報処理,立体造形
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は1978年に北綜警グループの技術開発を担う会社として設立され、防犯・防災分野で機械警備のための監視・制御装置や大小規模のセキュリティシステムを開発してきた。近年はICTソリューションの構築を支える研究や装置開発にも事業領域を広げ、その一つとして設立以来磨いてきたセンサ技術を活かす取り組みを進めていた。全国各地で建設ラッシュが続き、建設業や土木業の現場で重機や建機が関係した事故が少なからず起きていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他建設・土木の現場では重機や建機が関係する事故が少なからず起きており、作業員の安全対策が必要になっていた。
  • 品質・精度現場には資材や建物が点在するため、検出が不要な領域でも物体を検出してしまうおそれがあり、検出エリアを限定する必要があった。
  • 新製品・新技術検知距離を延ばせず、危険をより早く検知して、オペレータや周囲の作業員・歩行者に報知できる必要があった。

やったこと

超音波を利用した接触防止装置の開発と試作に取り組んだ。センサ部にホーンを追加して検知距離を延ばし、低消費電力小型信号処理モジュール、無線モジュール、充放電モジュール、二次電池を一体化した小型センサユニットを試作して、安定的な超音波センサシステムの開発を目指した。理想的な検知エリアを得るため、3Dプリンターを活用して金型を製作することなくホーンの試作を何度も重ね、ソフトウェアによるシミュレーションや実験を繰り返した。その結果、理想に近い検知エリアを得ることができた。

加工機3Dプリンター

新しい製品・サービス:超音波センサを利用した接触防止装置「パノラマR2」

事業の効果

ホーンの試作を重ねて理想に近い検知エリアを得た成果をもとに、2014年に「パノラマR2」として商品化した。商品は日本全国でおよそ100台が稼働中で、工事現場における安全確保に役立っている。現在は、センサ検出エリアの幅と長さをユーザー側で自由に設定できる後継機種を開発中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    防犯・防災分野で培った技術と超音波センサ開発の一貫性が示されるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    建設ラッシュと重機事故の増加という外部環境と、センサ技術の強みに触れているが、競争優位性の具体的説明は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    重機事故という課題認識と、ホーン追加や小型センサユニットによる解決策は示されるが、高付加価値化・成長への言及は少ない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。商品化後約100台稼働という実績のみうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    従業員数19名や設立年は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    検知エリアの限定や検知距離の延長というニーズと製品の利点は整理されているが、顧客ターゲットの明確化は弱い。

  • 事業化までの道筋3

    試作を繰り返し3Dプリンターでホーンを開発、後継機種を開発中と遂行方法と今後の流れが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超音波による作業現場の接触防止装置という分野の普及度の記述はないが、検知エリア自由設定など高機能化の方向はうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    工事現場の安全確保に寄与していると述べられるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は少ない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加、費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像センサ技術の発展に触れるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoTやAIによる社会変化に触れるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    宇都宮市の企業として地域の名が示されるのみで、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

IoTによってデジタル社会が進展し、AIによって世界が大きく変わろうとしている。センサ技術の発展も目覚ましく、画像センサの進化が防犯・防災の分野にも活かされている。当社ならではのセンサ技術を人々の安心・安全のために活かしていきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。