ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

最新型「佐瀬式吟醸用搾り機」の導入によるみりんの品質向上と新製品開発

株式会社馬場本店酒造

成果搾り作業日数 7日→4日

この事例のポイント

  • 補助事業前に使っていた搾り機は昭和40年製で老朽化しており、搾り作業に手作業が多く重労働で日数がかかっていた。
  • 最新型の「佐瀬式吟醸用搾り機」を導入した。
  • 搾り作業日数 7日→4日。新型搾り機の安全装置により、ピストンの位置決めを安全に行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社馬場本店酒造
所在地千葉県 香取市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1842年

事業の背景

株式会社馬場本店酒造は千葉県香取市佐原で1842年に設立されたみりん・清酒の製造販売業者で、得意分野は吟醸造りである。製品の品質向上と高級みりんを使った新商品開発によりブランド価値と販売力を高めることを目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力補助事業前に使っていた搾り機は昭和40年製で老朽化しており、搾り作業に手作業が多く重労働で日数がかかっていた。
  • 人手・技能搾り機のピストン高さを手動で30分おきに調整する必要があり、搾り作業の途中で搾り袋を並べ替えて再度圧搾する必要があった。
  • コスト・採算旧装置では搾り作業に7日~8日かかっていた。
  • 品質・精度作業時間が長く、みりんが空気中に触れる時間が長いため酸化しやすく、品質向上が課題だった。
  • その他ピストンが出過ぎて故障の原因となるなど安全面と、木製の枠・板による衛生面に課題があった。

やったこと

最新型の「佐瀬式吟醸用搾り機」を導入した。搾り機のピストンの高さを自動で調整する機能を備え、搾り袋の並べ替え作業をなくした。ピストンの出過ぎを防ぐ安全装置を付け、洗浄しやすいステンレス製の枠・板を使うことで衛生的な搾り作業を実現した。高品質化したみりんを使い、高級みりんとそれを原料としたアルコール飲料の開発に取り組み、高級みりんは官能検査を行い、アルコール飲料は小規模製造試験を実施した。

加工機佐瀬式吟醸用搾り機

新しい製品・サービス:高級みりんと、高級みりんを原料としたアルコール飲料

事業の効果

  • 搾り作業日数 7日→4日

新型搾り機の安全装置により、ピストンの位置決めを安全に行えるようになった。ステンレス製の枠・板により洗浄がしやすくなり、衛生面の効果も確認できた。ピストンの高さを自動調整できるようになり、搾り袋の並べ替えが不要になって大幅な労力削減と作業効率の向上を実現した。搾り作業時間の短縮により酸化を防止でき、みりんの品質向上につながった。高級みりんは官能検査で高い評価を得て、アルコール飲料は原料混合比率をほぼ決定できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧搾り機の老朽化(昭和40年製)と高級みりん・酒類の新商品開発を課題として挙げ、過去の取組との連続性は文中で明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高級レストランや料亭からの引き合い、純米主義の消費者ニーズに触れるが、市場データや競合比較の数字は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    搾り作業7~8日を4日に短縮、搾り袋の並べ替え不要など課題と効果が数字つきで示され、高級みりん開発につなげている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業日数短縮(7~8日→4日)など数値目標に近い実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    社長と担当者のコメントはあるが、補助事業を遂行する人員配置や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    本物志向・純米主義の消費者をターゲットとし、官能検査で高評価、口コミで料亭などから引き合いがあると具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として外国人観光客向け販売や海外輸出を検討すると書かれているが、スケジュールや課題解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高級みりんとみりんを原料とした新酒類の開発は既存分野での高付加価値化を図るものだが、数値的な高価格化の記載はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    佐原地区の重要伝統的建造物群保存地区や古民家再生の動きに触れるが、国が補助する積極的理由としての波及効果は明示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮や労力削減の効果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐原地区の古民家再生や観光客の増加に言及し地域の特性を示すが、雇用創出や地域経済成長への定量的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高品質化したみりんを使った新商品は本物志向や純米主義の消費者に評価されており、口コミにより高級レストランや料亭から引き合いが来ている。今後は高級レストランや料亭への販売を強化し、観光客向けの販売や海外への輸出も模索していく。

事業者の声

この設備を導入したことにより、製品の品質が高いレベルで安定しました。今後は、この設備で搾った製品を原料とし、新商品の開発につなげていきたいと思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。