ものづくり補助金平成25年度情報通信業神奈川県

高効率漁業が可能となる海中情報自動収集装置の試作開発

有限会社マグネティックスクエア

この事例のポイント

  • 漁場を見つけるための海中水温の分布は気象衛星や観測船のデータによる分布図だけでは底層の水温差を捉えきれず、漁船が自ら海中温度を実測する必要があったが、小型漁船に搭載でき長時間連続使用できる安価な実測手段がなかった。
  • 小型漁船に搭載可能で、海中の温度を水深ごとに実測し、リアルタイムに情報を自動で表示する海水温度実測システムを開発した。
  • 開発したシステムは観測装置として正式に採用が決まり、漁師が漁場を探すための海中温度データを手軽に得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マグネティックスクエア
所在地神奈川県
業種情報サービス業
技術分野情報処理,測定計測

事業の背景

当社はソフトウェア開発やプログラミングを得意とし、魚群探知機など海洋関連市場に関わりを持っていた。大手企業を退職したハードウェア設計者の知人から今回の新製品開発の提案を受けた。漁業者にとって海中の水深ごとの水温や塩分濃度の情報は漁場を予想・把握する上で重要であり、マンボウやサンマ、イカなど魚種ごとに生息水深が異なることから、深い海域の水温を実測する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術漁場を見つけるための海中水温の分布は気象衛星や観測船のデータによる分布図だけでは底層の水温差を捉えきれず、漁船が自ら海中温度を実測する必要があったが、小型漁船に搭載でき長時間連続使用できる安価な実測手段がなかった。

やったこと

小型漁船に搭載可能で、海中の温度を水深ごとに実測し、リアルタイムに情報を自動で表示する海水温度実測システムを開発した。長時間連続使用が可能で、小型で安価な普及型の仕様とした。補助事業で開発する試作品は水深500メートルの水温実測を目標にした。開発した装置は観測装置として正式に採用が決まった。

検査測定海水温度実測システム

新しい製品・サービス:小型漁船搭載型の海水温度実測システム

事業の効果

開発したシステムは観測装置として正式に採用が決まり、漁師が漁場を探すための海中温度データを手軽に得られるようになった。小型漁船にも対応し、長時間連続使用できる安価な普及型として提供できる。現在はイカ釣り漁船2隻、底引き網船1隻、サンマ船5隻で稼働している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    当社はプログラミングを得意とし魚群探知機など海洋関連市場に関わりを持っていたと書かれており、過去の取組との関連がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    漁船が漁場を把握する上で水温情報が重要と示され、外部環境の一端はうかがえるが、自社の強み・弱みと競争優位の記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    漁船は海水温分布図に頼るが底層水温に差異があると課題が示され、普及型の安価なシステム開発で対応すると読み取れるが、高付加価値化や成長の具体的計画は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    水深500メートルの水温実測を目標とし現在1隻で稼働中と書かれており目標値はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    大手企業を退職したハードウェア設計者の知人から提案を受けたとあり、体制の一端はうかがえるが、事務処理能力などの確保状況は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型漁船に搭載でき長時間連続使用可能な安価な普及型と製品の特徴が示され、サンマ船やイカ釣り船など顧客像とニーズも具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    観測装置として正式採用が決まったと書かれているが、中長期の検証方法やスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    海中温度の実測による漁場探索という用途で、普及度の低さはうかがえるが、高価格化や高水準の付加価値化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    漁業者の漁場把握を支える役割はうかがえるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    リアルタイムに情報を自動表示する点は先端的な活用とも読めるが、サプライチェーンへの貢献や地域イノベーションの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    水産分野での漁場探索の効率化はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出とまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    漁船搭載の海水温実測による漁業支援はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。