ものづくり補助金平成25年度宿泊業、飲食サービス業新潟県

そば殻由来の燃料「バイオコークス」の開発販売による地域資源循環型ビジネスモデルの確立

株式会社 小嶋屋総本店

この事例のポイント

  • 当社で大量に発生するそば殻は処理に費用がかかり、処理に苦慮していた。
  • 今回、バイオコークス製造装置を導入し、そば殻を原料とするバイオコークスの量産体制を確立した。
  • 地元陶芸家や家庭用薪ストーブの利用者、養殖企業などのユーザーから、火力や燃焼時間に問題ないとの評価を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 小嶋屋総本店
所在地新潟県 十日町市
業種飲食店
技術分野バイオ
従業員数272人
資本金1,000万円
設立1971年

事業の背景

当社では年間約40トンのそば殻が発生しており、その処理に苦慮していた。十日町市に相談したところ、固形燃料「バイオコークス」を紹介された。市のサポートにより開発元の近畿大学理工学部と連携し、実証実験でそば殻が原料として有効と認められた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算当社で大量に発生するそば殻は処理に費用がかかり、処理に苦慮していた。

やったこと

今回、バイオコークス製造装置を導入し、そば殻を原料とするバイオコークスの量産体制を確立した。装置の開発は近畿大学バイオコークス研究所と特許権譲渡先・装置製造元の株式会社ナニワ炉機研究所の技術協力を得て行った。製造にあたっては、そば殻の粒径、そば殻の初期含水率、米ぬかの混合比率、成型温度、成型時間といった製品の最適条件を抽出するための試作調整を行った。また、製造過程で十日町福祉会が運営する障がい者就労施設の利用者に作業を手伝ってもらい、施設外就労の場を提供した。

加工機バイオコークス製造装置

新しい製品・サービス:そば殻由来の固形燃料「バイオコークス」

事業の効果

地元陶芸家や家庭用薪ストーブの利用者、養殖企業などのユーザーから、火力や燃焼時間に問題ないとの評価を得た。灰がほとんど出ない点も好評だった。販売計画では初年度の売上高90千円から3年目には1,800千円に伸ばし、粗利率は32.8%を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    そば殻処理に苦慮した経緯と市の紹介、近畿大学との連携が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    実証で原料の有効性が認められたとあるが、市場動向や自社の競争優位性を示す記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 課題の認識と解決4

    年間約40トンのそば殻処理という課題を認識し、売上高が初年度90千円から3年目1,800千円へ増える計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量を54トンから90トンへ、粗利率を26.6%から32.8%へ高める具体的な数値目標が示されている。賃上げ目標の記述はない。

  • 事業を進める体制2

    障がい者就労施設の利用者による施設外就労や市のサポートが書かれるが、遂行体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ゼロ・エミッションやCO2削減の利点、ユーザー評価(陶芸家・家庭・養殖業者)が具体的に書かれ、顧客ターゲットも示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産体制確立や地域廃材の原料化への展開が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    バイオコークスは石炭コークスや薪の代替として新しい固形燃料と位置づけられるが、普及度や高水準化の数値根拠は薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    地域資源循環、障がい者就労の場の提供、市の温水施設での利用など、地域への波及効果が具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    新たな収益創出や処理費の削減が書かれるが、補助金額に対する費用対効果を示す数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    近畿大学との連携による新規の原料化とサプライチェーンでの地域循環が書かれるが、先端デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面70%
  • 成長分野への進出2

    CO2削減や新エネルギーという位置づけはうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及5

    十日町のそば殻という地域資源を活かし、年間約40トンの原料と売上1,800千円の計画、地域の障がい者就労の場づくりが具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は十日町市温水施設の燃料や石炭コークス・家庭用固形燃料の用途で新規展開を図る。将来は自社工場でのエネルギー活用や、もみ殻・廃菌床など地域の廃材の原料化も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

京都府宿泊業、飲食サービス業平成27年度

急速冷凍技術の導入による旅館業の収益構造の改善

最先端のプロトン凍結機及びプロトン解凍機、並びに超低温冷凍庫などを導入し、食材や料理を保存できる体制を整えた。

効果:5年後に5パーセントの料理原価削減を目指した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。