ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

燃料電池用金属セパレータの自動外観検査装置に係る開発

株式会社サイベックコーポレーション

成果製品1枚当たりの検査時間 180秒→90秒

この事例のポイント

  • 燃料電池用金属セパレータの品質検査に多くの人手と時間を要していた。
  • 燃料電池用金属セパレータの検査工程向けに自動外観検査装置を設計・製作し、自動化の設備基本機能を策定して各要素技術を抽出し、設備仕様書に反映させた。
  • 製品1枚当たりの検査時間 180秒→90秒。自動外観検査装置により、燃料電池用金属セパレータの検査時間と検査人員が大幅に減り、今後は受注に向けて検査や測定の精度と…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サイベックコーポレーション
所在地長野県 塩尻市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,情報処理,測定計測
従業員数83人
資本金8,000万円
設立1973年

事業の背景

同社は1973年創業のプレス加工会社で、CFP(冷間鍛造順送プレス)工法を強みとしてきた。90年代に弱電メーカーの海外生産が進むと自動車産業にシフトし、現在は売上高の75%を自動車産業が占める。2013年には地下11mに「夢工場」を建設し、医療機器分野にも進出している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能燃料電池用金属セパレータの品質検査に多くの人手と時間を要していた。
  • 品質・精度プレス加工でゴミやバリ、色合いや油の付着が出やすく、人の目に頼る検査では品質保証が厳しくなっていた。
  • 生産能力歯車部品は従来の切削品では高精度かつ中量多品種の市場に対応できる低コスト化が必要だった。

やったこと

燃料電池用金属セパレータの検査工程向けに自動外観検査装置を設計・製作し、自動化の設備基本機能を策定して各要素技術を抽出し、設備仕様書に反映させた。装置の基本機能評価では、製品1枚当たりの検査時間を従来比約50%削減(180秒→90秒)し、検査人員を従来比75%削減(4人→1人)できることを確認した。歯車部品では、プレス加工への工法転換とDiversity-Lineと呼ばれる生産ラインを構築した。

検査測定金属セパレータ用自動外観検査装置

新しい製品・サービス:金属セパレータ用自動外観検査装置

事業の効果

  • 製品1枚当たりの検査時間 180秒→90秒
  • 検査に要する人員 4人→1人
  • 歯車部品の精度 50μm→25μm
  • 1/40以下の低コスト化を可能にした

自動外観検査装置により、燃料電池用金属セパレータの検査時間と検査人員が大幅に減り、今後は受注に向けて検査や測定の精度と品質をさらに高める計画である。歯車部品では精度が向上し、切削品からプレス加工への工法転換が可能になった。中量多品種の低コスト化も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    12年ほど前から燃料電池関連部品に取り組み、CFP工法を極めてきた経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    CFP工法で複雑形状部品をプレスに置き換えコストダウンを実現したとあり強みは読めるが、市場動向との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    人の目に頼る検査の品質保証上の課題を認識しとあるが、事業計画全体の高付加価値化への道筋は具体的に書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検査時間を180秒から90秒へ約50%、検査員を4人から1人へ75%削減と数字で示され、基本機能の評価も行われている。

  • 事業を進める体制3

    設計・製作の完了や社長の経歴、従業員83名の記載はあるが、補助事業を担う体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    燃料電池用金属セパレータの受注に向けた検査精度向上を課題としているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後も精度と品質の向上を検討したいとあるが、スケジュールや課題解決の方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    燃料電池用セパレータは成長分野だが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    燃料電池車の基幹部品の開発という記述から、環境・エネルギー分野への関与がわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    検査員を4人から1人、サイクロイドギヤでは15人を3人へ削減し、品質賞を得たとあり費用対効果の成果が数字で読める。

  • イノベーションへの貢献2

    CFP工法や検査の自動化は記載されるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    燃料電池車や医療機器分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及3

    塩尻市の本社と地下11メートルの夢工場が記載され地域拠点は読めるが、地域の雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も燃料電池用金属セパレータの受注に向け、検査や測定に係る更なる精度と品質の向上を検討していく。

事業者の声

この開発で得た知識と経験を活かし、サイクロイドギヤの自動検査装置を開発。月産12万個の量産ラインに導入し、15人いた検査員を3人に削減しました。それが品質向上につながったと取引先から高く評価され、品質賞をいただきました。これもものづくり補助金の大きな成果です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。