ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

車載コネクタの高精度化への対応と品質監視システムの構築

中野プラスチック工業株式会社

この事例のポイント

  • 車載コネクタは高精度化が進んでいるが、高精度品質に対応するため検査作業者による100%全数検査を行っており、検査工程や人件費が減らないことが悩みだった。
  • ものづくり補助金を活用し、精度の高い微細成形が可能な射出成形機、カメラ監視装置、高精度な5軸サーボ取出機などを導入して「成形・検査一体化システム」を構築した。
  • 成形精度が上がり、成形品が取り出された時点で画像により致命的な不良を検出できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名中野プラスチック工業株式会社
所在地長野県 中野市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数150人
資本金7,000万円
設立1957年

事業の背景

同社は1957年創業のプラスチック射出成形会社で、コンピュータやOA機器などのコネクタを中心に生産を拡大してきた。2001年に中国に生産会社を設立したが、リーマンショックで打撃を受け2012年に閉鎖し、商社機能のみを残している。近年はスマートメーターのプラスチック製ケースを電力各社から受注しており、今後も需要の伸びを期待している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度車載コネクタは高精度化が進んでいるが、高精度品質に対応するため検査作業者による100%全数検査を行っており、検査工程や人件費が減らないことが悩みだった。
  • 納期・工程高精度化への対応に加え、短納期化とコストダウンへの対応も必要になっていた。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、精度の高い微細成形が可能な射出成形機、カメラ監視装置、高精度な5軸サーボ取出機などを導入して「成形・検査一体化システム」を構築した。成形品が取り出された時点でカメラによる画像チェックを行い、致命的な不良は100%検出できるようにした。

加工機精度の高い微細成形が可能な射出成形機
検査測定カメラ監視装置
ロボット5軸サーボ取出機

事業の効果

成形精度が上がり、成形品が取り出された時点で画像により致命的な不良を検出できるようになった。人の作業は抜き取り検査で済むようになり、検査コストの低減につながった。検査に係る人員はそれほど変わっていないが、今後導入を進めることでさらに効果が出てくると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1957年創業以来の射出成形・金型技術を基盤に車載用コネクタを強化する方針が記載されており、一貫性は読み取れるが計画上の位置づけは具体的ではない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    超精密金型技術と品質管理体制を強みとし、車載用コネクタの受注拡大を目指すと記載され、強みと市場の関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    100%全数検査を人に頼る現状の課題を挙げ、成形・検査一体化で工程内に品質を作り込む解決策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、受注拡大を目指すという記述にとどまるため、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    金型・成形の技術や品質管理体制が記載されるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    車載用コネクタに絶対の品質が求められ、全数検査の負担が課題と示され、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と検査工程の一体化による効果は書かれるが、スケジュールや中長期の検証方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    精密な車載用コネクタ分野で高精度化を図る記述はあるが、普及度や高水準の価格面の比較は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    スマートメーターや車載用コネクタの需要拡大に触れるが、経済波及や雇用創出といった国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    検査人員はそれほど変わっていないと述べられ、費用対効果の数値は示されず効果は今後とされている。

  • イノベーションへの貢献3

    画像による検査や成形と検査の一体化が記載され、デジタル技術の活用はうかがえるがサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    中野市に立地する旨が記載されるのみで、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

車載用コネクタを強化し、品質保証も含めてより高度な生産体制の構築を目指している。単なるプラスチック成形だけでなく、より付加価値のあるものを手がけたいと考えている。

事業者の声

エアバッグ、電気系統など車載用コネクタには絶対の品質が求められ、わずかな不具合も許されません。全数検査が基本ですが、すべて人に頼ると人件費も検査工程も減らない。それが悩みでした。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。