ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業岐阜県

観光関連事業者の広告看板市場の獲得を目指す立体的木製看板の製造技術開発

有限会社彩美社

成果加工期間 3日→1日

この事例のポイント

  • 木製彫刻看板は職人による手彫りでしか作れず、限られた納期と高度な彫刻への対応が厳しいため、受注できない場合があった。
  • NCルーター(大型彫刻機)VGH1313Vを導入し、彫刻のレイアウトからプログラム、製作まで一貫した工程を確立した。
  • 加工期間 3日→1日。NCルーターの導入により、精密で完成度の高い木製看板を低コスト・短納期で製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社彩美社
所在地岐阜県 飛騨市
業種広告業
技術分野立体造形
従業員数8人
資本金500万円
設立1962年

事業の背景

当社の所在地の飛騨市は、高山市と並ぶ古い町並みを有する県内屈指の観光地であり、木製彫刻看板の需要が多くある。一方で木製彫刻看板は従来、職人による手彫り加工でしか作成できず、納期と高度な彫刻への対応に制約があった。屋外看板業界では機械製作が主流となり、技術的差別化ができずに価格競争が激しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力木製彫刻看板は職人による手彫りでしか作れず、限られた納期と高度な彫刻への対応が厳しいため、受注できない場合があった。
  • コスト・採算看板の機械製作が主流となり技術的な差別化ができないため、価格競争が激しく収益力が低下していた。

やったこと

NCルーター(大型彫刻機)VGH1313Vを導入し、彫刻のレイアウトからプログラム、製作まで一貫した工程を確立した。これにより、波板加工やかまぼこ彫りの深彫り、浮かし彫りなど、手彫りでは時間がかかりできなかった精密な3次元の立体加工を試作できるようになった。新たに雇用した社員が専属で操作を担当し、刃の選定や回転数の設定などのスキルを高める取り組みを進めている。また、当社ホームページを新たに作成し「飛騨の匠×NCルーター」と題して広報活動を始めた。

加工機NCルーター VGH1313V

新しい製品・サービス:NCルーターを活用した立体的木製看板の製作技術

事業の効果

  • 加工期間 3日→1日
  • 納期 7日→3日
  • 加工コスト(材料費を除く) 4万円→2万円

NCルーターの導入により、精密で完成度の高い木製看板を低コスト・短納期で製作できるようになった。加工期間と納期が大幅に短縮され、材料費を除くコストも半額になった。波板加工やかまぼこ彫りの深彫り、浮かし彫りなど従来は困難だった技法や繊細なディテールも提案・提供できるようになった。これにより仕事の受注の幅を広げる取り組みが進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の看板・スクリーン印刷の実績と職人技術を背景に、NCルーター導入で木製彫刻看板を製作する方向性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    観光地として木製彫刻看板の需要が多いこと、価格競争で収益が下がっていた課題が書かれ、競争優位の方向性はうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    手彫りで加工3日・納期7〜10日、コスト4万円が、NCルーターで加工1日・納期3日、コスト2万円へ半減と数字で課題と改善を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工期間は3日から1日、納期は7〜10日から3日、コストは4万円から2万円と具体的な目標値と成果が示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    NCルーターは独自スキルが必要なため新たに社員を雇用し専属で操作を担当させるとあり、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    観光地の木製彫刻看板需要や、浮かし彫り・かまぼこ彫りなど細やかな表現を提案できる点は書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    ホームページ作成や広報活動、社員の技術向上の取組がわずかに書かれるが、中長期の検証や詳細なスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手彫り看板の高付加価値化を目指す取組だが、木製看板の普及度や市場規模に関する記述は少なく、新市場性は限定的に読める。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    観光地の木製看板需要や新規雇用に触れるが、川上川下への波及効果や社会的インフラとしての説明は書かれていない。

  • 費用対効果4

    補助事業の投入額に対して加工時間の短縮やコスト半減など、効果が数字で示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    NCルーターというデジタル機器の活用で従来困難だった彫刻を可能にしたと書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    飛騨市の古い町並みと観光地としての特性を活かし、地域の木製彫刻看板需要に応える事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。