ものづくり補助金平成25年度製造業奈良県

オートパーツ部品試作に伴う高精度寸法管理及び品質安定の生産能力強化

池木プラスチック株式会社

この事例のポイント

  • 顧客の要求レベルが高まり、後追いではなく即時に対応できる体制が必要になっていた。
  • 高精度の画像寸法測定システムを導入し、検査作業者がノギス等で行っていた製品検査をシステム化した。
  • 生産計画の正確な立案により無理・無駄が減り、効率化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名池木プラスチック株式会社
所在地奈良県 奈良県磯城郡田原本町
業種プラスチック製品製造業
技術分野測定計測
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

当社はプラスチックのミニチュア模型から始まり、工芸部品、電気、自動車関連部品へと製品の幅を広げてきた。顧客との信頼関係は永年の取引実績から築いてきたが、顧客の要求レベルは年々高まっている。顧客の不具合品の社外流出は完全に防止しなければならず、そのために強固な検査体制が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術顧客の要求レベルが高まり、後追いではなく即時に対応できる体制が必要になっていた。
  • 人手・技能従来の製品検査は検査作業者が手作業で行い、検査時間がかかり人員の確保も必要だった。
  • 品質・精度検査作業者ごとの測定のばらつきにより、品質が均一になりにくかった。
  • コスト・採算ダブルチェックの検査体制が検査時間と人員費を増やし、収益減少の要因になっていた。
  • 集客・繁閑生産計画の変更が生じると手書きの計画を書き直す手間が多く、最新の計画が分かりにくかった。
  • その他成形データが成形機メーカーごとに形式や取得ソフトが異なり、一元管理できず、条件の調整履歴も社内で共有されていなかった。

やったこと

高精度の画像寸法測定システムを導入し、検査作業者がノギス等で行っていた製品検査をシステム化した。測定対象を機器に置くだけで画像寸法測定により測定箇所を同時に測定できるようにした。あわせて生産管理システムを導入し、成形機の情報端末からデータを取得して生産をリアルタイムで一元管理できるようにした。さらにミドルウェアを導入し、成形機メーカーを横断して成形データを一元管理できるようにした。

検査測定高精度画像寸法測定システム
ソフト生産管理システム
ソフトミドルウェア

事業の効果

生産計画の正確な立案により無理・無駄が減り、効率化が実現した。トレーサビリティと製品の信頼性が向上し、不具合品の発生も減ったことで、顧客満足度が上がった。製品の信頼性向上は自社の自信につながり、顧客への営業にも好影響を与えている。検査の効率化と品質保証の強化により、新規取引先の獲得や売上拡充も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来半世紀余のプラスチック製品サプライヤーとしての歩みと、ミニチュア模型から電気・自動車部品への用途拡大が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要求レベルの高まりへの即時対応や、生産ラインの効率化・リードタイム短縮が当社の強みとされているが、市場データの記載は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    検査の手作業・人員確保・検査者間バラツキという課題に対し、画像寸法測定システム導入で検査時間の大幅短縮と業務負担軽減を図る方針が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    検査時間の大幅短縮や収益上昇は述べられているが、数値の目標値は示されておらず、実現可能性を判断する根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員48名、生産管理・ミドルウェア導入の段階的推進が書かれているが、事務処理や補助事業遂行体制の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要求への即時対応や品質保証による信頼確立が選ばれる理由として挙げられているが、ターゲット顧客の明確な整理はない。

  • 事業化までの道筋4

    施策として、データ蓄積による設定作成の簡素化、全数検査から抜き取り検査への移行、将来的なAI監視といった段階的な課題解決の道筋が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高精度画像寸法測定やIoT化された成形機管理は、一般的な普及度が不明で高付加価値化の程度もわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    経済産業省のIoT推進事業のモデル工場として実証中とあり、国の施策との関連はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果3

    検査の時間短縮や人員確保の削減、不具合品低減によるコスト削減の方向性は示されているが、投入額に対する数値的な費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献4

    成形機のIoT化や成形データを複数メーカー横断で一元管理するミドルウェアの導入など、先端的なデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoT化やデータ活用による生産管理の高度化がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の地域組合への所属は示されているが、地域特性を活かした付加価値創出や地域経済の牽引についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は生産管理システムとミドルウェアの導入により、全数検査を抜き取り検査に変え、製造時のデータを添えて納品することで品質保証し信頼を確立する。将来的にはAIでデータを監視し、不良発生時に即時対策できる体制を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。