ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業愛媛県

自社製品ネルパックの製造機器新設、及び販売拡大

株式会社一色本店

成果製造不良率 20%→2%

この事例のポイント

  • 製造ラインの機械が老朽化し、一部工程は従業員の手作業が必要で、製造不良率が20%に達していた。
  • 製造ラインのうち手作業が残っていた工程に新たに自動化を採用し、エージレスの注入時間を短縮してロスを大幅に減らした。
  • 製造不良率 20%→2%。製造機の更新により、以前20%に達していた不良率が2%程度まで大幅に改善され、ロスが減って生産量も大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社一色本店
所在地愛媛県 松山市
業種その他の卸売業
技術分野製造環境
従業員数40人
資本金3,500万円
設立1962年

事業の背景

大正13年創業で業歴90年以上の当社は、果実袋など農業向け包装資材を主力としてきた。ネルパックは米の鮮度保持袋として約30年前に開発されたが、米保存庫などの対抗品の出現で取引量は減少傾向にあった。平成24年3月の東日本大震災後は防災用として一般家庭にも需要が広がり、出荷数は前年比3倍になった。平成23年度の売上は82,500千円に達し、その前後は概ね60,000千円内外で推移していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製造ラインの機械が老朽化し、一部工程は従業員の手作業が必要で、製造不良率が20%に達していた。
  • 生産能力不良稼働が多く生産量が近年約20%低下し、需要拡大に反して生産性が下がっていたため、他シリーズの販売量を増やして売上を維持している状態だった。
  • 人手・技能手作業に頼る工程が残っており、人手を省く自動化が必要だった。

やったこと

製造ラインのうち手作業が残っていた工程に新たに自動化を採用し、エージレスの注入時間を短縮してロスを大幅に減らした。製造機本体はプラスチック製に改良して静電気の発生をなくし、移送にも対応できるようにした。ホットメルト(熱のり)などの各所を均一化して製品性能の向上も図った。ネルパックの商品デザインは専門の事務所に依頼して刷新し、一般消費者にも親しみやすいリニューアルを行った。

加工機ネルパック製造機

新しい製品・サービス:デザインを刷新し一般消費者向けに親しみやすくしたリニューアル版ネルパック

事業の効果

  • 製造不良率 20%→2%

製造機の更新により、以前20%に達していた不良率が2%程度まで大幅に改善され、ロスが減って生産量も大きく向上した。自動化により作業時間が短縮され、従業員の負担が軽減して営業活動や品質管理に労力を割けるようになった。デザイン刷新と生産体制の強化によって売上は増収基調に転じ、首都圏を中心とした災害市場への新たな取引も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業来の果実袋・包装資材の開発からネルパック商品化に至る経緯が書かれ、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    防災需要の拡大で出荷数が前年比3倍となったこと、自社の無酸素保存技術を活かした点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    製造不良率20%や生産量の約20%低下という課題を示し、製造機更新と自動化で解決する方針が明確に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率20%から2%、供給量4倍などの目標水準が書かれているが、賃上げや付加価値額の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員40名や従業員負担軽減の記述はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無酸素・防虫・再利用可能というエコ特性、一般家庭への防災需要、ホームセンター等の販路が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    首都圏の災害市場への販路拡大やネット通販との併用は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ネルパックは農業用保存袋の分野で、防災向けに一般消費者市場を開拓しているが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    防災意識の高まりによる食料備蓄需要への対応という社会的背景はうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    投資後に不良率20%が2%、出荷数の増加や売上の回復が示されており、投資に対する効果の方向性は具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    電気や機械を使わないエコ商品という特徴はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県松山市の地場老舗として農業資材を手掛け、米産地の農家との関係を活かしている点は読み取れるが、地域経済への波及効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生まれ変わったネルパックを通じて、農業従事者や取引先との関係をさらに強化する計画である。首都圏を中心とした災害市場への販路拡大を目指し、インターネット通販と併せて新たな顧客開拓にも取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。