ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業青森県

世界へ羽ばたく「青森の黒にんにく」ブランド化事業

有限会社柏崎青果

成果充填時間 1倍(前を1とした場合)→0.2倍(前を1とした場合)

この事例のポイント

  • 海外取引ではアメリカのGMPなど衛生管理の基準を満たす必要があり、その衛生管理にコストがかかっている。
  • 黒にんにく製造における熟成工程後の計量・選別工程及び衛生環境を高度化するため、自動計量システム、ウェイトチェッカー、金属探知機、エアーシャワー、脱気シーラーを導入した。
  • 充填時間 1倍(前を1とした場合)→0.2倍(前を1とした場合)。少量包材を用いた海外向け黒にんにくの試作開発により、米国企業との取引の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社柏崎青果
所在地青森県 おいらせ町
業種飲食料品卸売業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数90人
資本金6,000万円
設立1991年

事業の背景

有限会社柏崎青果は長芋やにんにくの自社生産、青果の買付販売、加工食品の製造を行っている。黒にんにくの開発に成功して以降、県内シェア約20%前後のリーディングカンパニーに成長した。近年は海外輸出に注力しているが、黒にんにくの輸出額は輸出総額の15%にとどまる。財政基盤の安定化のため安定供給可能な黒にんにくの輸出拡大が必須だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算海外取引ではアメリカのGMPなど衛生管理の基準を満たす必要があり、その衛生管理にコストがかかっている。
  • 人手・技能有能な社員が計量や充填などの製造業務と、受発注や営業事務、開発業務を兼務せざるを得なかった。
  • 新製品・新技術アメリカへの輸出で少量包材での販売ニーズが高いことが分かり、海外市場向けの製品が必要だった。

やったこと

黒にんにく製造における熟成工程後の計量・選別工程及び衛生環境を高度化するため、自動計量システム、ウェイトチェッカー、金属探知機、エアーシャワー、脱気シーラーを導入した。少量包材を用いた海外向け黒にんにくを試作し、青森県産業技術センター農産物加工研究所と日本食品分析センターに分析・評価を依頼した。分析の結果、にんにくが発芽に近づくとピログルタミン酸、GABA、アルギニン等のアミノ酸量が減少し、シクロアリインが増加することが分かった。

加工機自動計量システム
検査測定ウェイトチェッカー
検査測定金属探知機
その他エアーシャワー
加工機脱気シーラー

新しい製品・サービス:少量包材を用いた海外向け黒にんにく

事業の効果

  • 充填時間 1倍(前を1とした場合)→0.2倍(前を1とした場合)

少量包材を用いた海外向け黒にんにくの試作開発により、米国企業との取引の幅が広がった。直接小売店に流通させる商材に加え、ケータリングサービスやレストランの副菜としての需要にも対応できるようになった。自動計量システムとウェイトチェッカーにより充填時間を5分の1以下に短縮した。黒にんにく製造における計量・選別工程と衛生環境の高度化も図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    黒にんにくの開発以降に県内シェア約20%を持つ点と、輸出拡大が財政基盤安定の必須事項とされる点は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの明文化は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    輸出額が総額の15%にとどまる点や、中国産を用いた韓国系企業の台頭が挙がる一方、6片種の粒の大きさや日本製の信頼を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    GMP遵守の衛生管理コストと兼業による人員負担を課題として認識し、計量・選別工程の高度化で解決を図る計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間70万ピース受注見込みと、供給成功時5,000万円の売上増加、2年後までの目標達成が数字で示されている。ただし賃上げ目標はない。

  • 事業を進める体制2

    有能な社員が製造業務と受発注・営業・開発を兼業している状況はうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    少量包材での扱いやすさ、6片種の粒の大きさ、日本製の信頼、ケータリングやレストラン需要など顧客と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作の分析依頼や充填時間比較試験など実施内容は書かれるが、中長期のスケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    海外向け黒にんにくは国内約50億円、海外約100億円規模と示され、6片種による高付加価値化もうかがえるが、高価格化の具体的数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外販路の拡大や国内市場の拡大は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    充填時間を1/5以下に短縮した実績と5,000万円の売上増加見込みはあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動計量システムやウェイトチェッカー等の導入はうかがえるが、先端デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外市場の拡大を目指す点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及3

    青森県産にんにくを原料とし、県内シェア約20%を持つ地域事業である点は読み取れるが、雇用や地域経済成長への効果の数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の黒にんにく市場は年々拡大しており、約50億円規模(うち国産原料使用は約30億円)とされる。海外市場は約100億円規模である。中国産を用いた韓国系企業が台頭し競争激化が予想されるが、6片種による粒の大きさや日本製という信頼性、少量包材の扱いやすさを強みに、海外のケータリングやレストラン等から年間70万ピースの受注を見込んでいる。70万ピースの供給に成功すれば5,000万円の売上増加となり、2年後までの事業計画目標を達成できる見込みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。