ものづくり補助金平成26年度製造業東京都

動作に連動するLEDスマートシューズの開発

株式会社ノーニューフォークスタジオ

成果靴内の慣性測定センサ値を毎秒最大50回の頻度でスマホに送信できる

この事例のポイント

  • LEDの耐久性確保が最大の技術的課題であり、ダンサーの激しい動きに耐える靴底が必要だった。
  • 靴内に演算処理装置、9軸センサ、Bluetooth LE無線モジュールを内蔵し、毎秒最大50回の頻度でセンサ値をスマホに送信するシステムを開発した。
  • 靴内の慣性測定センサ値を毎秒最大50回の頻度でスマホに送信できる。3回の試作を経て目標としていた耐久性を確保できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ノーニューフォークスタジオ
所在地東京都 千代田区
業種電気機械器具製造業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数7人
資本金2,536万円
設立2014年

事業の背景

当社は、動きに合わせて複数のフルカラーLEDを個別制御できるスマートシューズ『Orphe』を開発している。LEDやバッテリーを内蔵した靴は韓国や中国市場を中心に存在するが、単色発光が多く、リアルタイムの運動計測と個別制御されたフルカラーLED発光を同時に処理できる製品は市場になかった。ダンサーの利用者が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度LEDの耐久性確保が最大の技術的課題であり、ダンサーの激しい動きに耐える靴底が必要だった。
  • 品質・精度靴の柔軟性(曲げへの耐性)とソールからの衝撃や体重に耐える強度を同時に確保する必要があった。

やったこと

靴内に演算処理装置、9軸センサ、Bluetooth LE無線モジュールを内蔵し、毎秒最大50回の頻度でセンサ値をスマホに送信するシステムを開発した。送信されたセンサ値からユーザーの6種以上のジェスチャを独立して認識するシステムを開発した。シューズのフルカラーLEDの発光色と発光パターンを無線操作するiOS専用アプリを製作した。耐久性確保のため合計3回の試作を行い、1回目はフレキシブル基板とLEDチップを採用して表面を樹脂コーティングしたが、チップ破損とはんだ付けの剥がれが判明した。2回目はチップを変更し、基板設計とソール内部構造を見直して数十回の実験を行った。3回目はLEDチップと基板設計、ソール構造の微修正を行い、LEDの裏側を補強した。

新しい製品・サービス:動きに基づき複数のフルカラーLEDを同時に個別制御するスマートシューズ『Orphe』

事業の効果

  • 靴内の慣性測定センサ値を毎秒最大50回の頻度でスマホに送信できる
  • ユーザーの6種以上のジェスチャを独立して認識できる
  • 耐久性と機能性の両立のため合計3回の試作を行った

3回の試作を経て目標としていた耐久性を確保できた。ダンサーが試作品を30分間激しい動きで使用してもLEDは正常に作動し、靴の破損も確認されなかった。量産化の目処がつき、国際知財特許の申請等を進めている。補助事業後は一般発売に至り、国内外のECサイトで販売し、大手ブランドとのコラボモデルの販売も始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業の経緯として展示会受賞後に事業化を決意したことは書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内外で同種のLED内蔵シューズが少数との市場比較があり、個別制御やリアルタイム処理は市場にないとされるが、自社の経営資源の強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    耐久性確保が最大の技術的課題と明示され、試作を3回重ねた経緯は書かれるが、高付加価値化・成長につながる事業計画の具体は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は示されず、耐久性確認や量産化の目処がついたことのみ書かれている。

  • 事業を進める体制3

    開発に携わった体制として代表の経歴や提携工場での量産は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ダンサーを主要ユーザーに想定し、30分の激しい動き試験や山本寛斎氏などとのコラボ、百貨店展示など顧客ニーズの裏付けが具体的。

  • 事業化までの道筋4

    試作を3回行い、各回の課題と解決策(チップ変更、基板設計、ソール形状変更、数十回の実験)が時系列で具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達2

    クラウドファンディングで110,000ドル(約12,000,000円)を集めたことは書かれるが、財務状況や金融機関からの調達見込みは読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    単色発光の靴は存在するが個別制御のフルカラーLEDをリアルタイム処理するスマートシューズは市場になかったと、差別化が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    ダンス・芸術分野やスポーツ・教育・ヘルスケアへの社会貢献の期待は書かれるが、雇用創出や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    9軸センサとBluetoothで運動を可視化し、SDKを無償配布して他者のアプリ開発を促す点は書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

世界展開に向けた準備を進めている。量産は中国の複数の提携工場で行っているため、市場規模拡大には生産効率の向上が課題で、サプライチェーンマネジメントの見直しが必要である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。