ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

手作業に頼っていた包装作業を自動化し、生産力とスタッフの働きやすさを向上

株式会社源

成果包装能力 2,400個/時間→3,000個/時間

この事例のポイント

  • 手作業に頼っていた包装作業では人手不足が深刻化し、包装ラインのスタッフだけが繁忙期に1日3時間程度の残業が必要となっていた。
  • 製造ラインと包装ラインの間に、ゴム掛け機から包装機へ容器を受け渡すロボットを設け、3個同時に受け渡せるようにした。
  • 包装能力 2,400個/時間→3,000個/時間。包装工程のスピードアップにより生産可能数量が拡大し、1時間あたり600個の余剰を手作業で包装する必要がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社源
所在地富山県 富山市
業種食料品製造業
技術分野機械制御
従業員数270人
資本金7,000万円
設立1908年

事業の背景

当社は明治41年に富山駅で駅弁業を開業し、45年に「ますのすし」の販売を始めた。ますのすしは主力商品で、富山市外や県外、富山空港でも販売している。当社ではますのすしだけで1日4,000個から5,000個を製造している。飛行機の減便の影響で工場からの商品集荷時間が早まり、今までの製造スピードでは対応しきれない注文もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能手作業に頼っていた包装作業では人手不足が深刻化し、包装ラインのスタッフだけが繁忙期に1日3時間程度の残業が必要となっていた。
  • 生産能力包装ラインは1時間に2,400個しか包装できず、製造ラインの1時間3,000個に対して1時間600個の余剰を手作業で包装していた。
  • 人手・技能包装ラインの作業は嫌厭され、家庭をもつ女性スタッフの離職理由にもなっていた。
  • 新製品・新技術商品の段取り替えには男性2人で10分かかり、少数の生産では手作業の箱詰めの方が速かった。

やったこと

製造ラインと包装ラインの間に、ゴム掛け機から包装機へ容器を受け渡すロボットを設け、3個同時に受け渡せるようにした。包装機は商品を移動させながら包装する連続式とし、1時間3,000個の包装能力を実現した。ゴム掛け機との連結部分には自動制御を付加し、不良品を形外排出装置へはじくカメラや、機械に外箱をセットするタイミングの調整を加えた。段取り替えは力のない人でも簡単にできるよう設計し、女性2人で3分30秒で可能とした。ますのすしの自動包装機は当社オリジナルでオーダーメイドにより製造した。

加工機ますのすし自動包装機
ロボットロボット(ゴム掛け機から包装機への受け渡し)
検査測定カメラ(不良品検知)

新しい製品・サービス:ますのすし自動包装機

事業の効果

  • 包装能力 2,400個/時間→3,000個/時間
  • 段取り替え時間 10分→3.5分
  • 包装ラインの残業 3時間/日→0時間/日

包装工程のスピードアップにより生産可能数量が拡大し、1時間あたり600個の余剰を手作業で包装する必要がなくなった。2つの機械を接続したことで人件費を削減し、光熱費の削減にもつながった。段取り替えが力のない人でも素早くできるようになり、包装ラインの残業が解消されてスタッフのモチベーションが上がり、人材確保がしやすくなった。今後は全国からのより多くの注文に対応できることが見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    「本格的な深刻化を前に、箱詰め工程の効率化・自動化を目指し、3年ほど前から本事業の構想を始めた」と記載があり、継続的な取組は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    飛行機減便による集荷時間前倒しや全国からの注文増に触れているが、強み・弱みの分析や競争優位の記述は具体的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    包装能力1時間2,400個、製造3,000個の差と残業3時間程度を挙げ、課題を数字で示し、自動包装機で解決する計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    包装能力を1時間3,000個とし、段取り替えを10分から3分30秒にする目標が示されており、実現性の根拠も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    開発を設備の設計・製造業者と進めた旨はあるが、事業遂行の人材や事務処理体制についての記載はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ますのすしの製造量や人気、ミュージアムの来店者数(年間13~14万人)に触れ、ニーズの裏付けはあるが顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    開発スタートから実装、段取り替え改善までの流れは書かれているが、中長期の検証や具体的なスケジュールは記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ますのすしは富山の伝統料理で一般に知られるが、本事業の機械が高付加価値化をどう図るかは明確ではない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    観光施設ミュージアムや北陸新幹線延伸による誘客拡大に触れるが、国が補助する積極的理由は記載が少ない。

  • 費用対効果4

    包装能力2,400個から3,000個へ向上し、残業解消と人件費削減、光熱費削減に言及しており費用対効果の材料がある。

  • イノベーションへの貢献2

    ゴム掛け機とロボットの連携や自動制御、カメラによる不良品排除などの技術は書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山の押し寿司を全国・世界へ売り出す方針や、富山の地域資源を活かす点が記載され、地域経済への言及がある。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製造工程をさらに効率化し、スタッフの働きやすさを向上させることで、優秀な人材の確保につなげたい。北陸新幹線の金沢駅延伸を機に、ますのすしミュージアムへの誘客拡大と金沢での市場拡大に取り組み、富山の押し寿司を全国へ、世界へと売り出していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。