ものづくり補助金平成24年度京都府

京都産筍による発酵技術を用いた試作品開発

小川食品工業株式会社

成果作業人数 12人→8人

この事例のポイント

  • 料理をしない家庭が増え、新商品の開発が課題になっていた。
  • 竪型真空包装機を導入し、生産性の向上に取り組んだ。
  • 作業人数 12人→8人。真空パック型商品の生産性は2倍以上に向上し、作業人数も削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名小川食品工業株式会社
所在地京都府 長岡京市
業種食料品製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数33人
資本金2.76億円
設立1960年

事業の背景

京たけのこを用いた佃煮、総菜、水煮缶などを製造販売しており、全国の高級スーパーや百貨店と取引している。贈答用の缶詰は減少傾向にある一方、真空パック型商品は増加傾向にあった。特に「竹の子ごはんの素」の注文量が大きく伸びており、有名料亭からもOEMの打診を受けていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術料理をしない家庭が増え、新商品の開発が課題になっていた。
  • 生産能力真空パック型商品の工程は全て手作業で、12人の作業で2000パック程度しか生産できず、注文増加やOEM商品への対応には現状の2倍以上の生産性が必要だった。

やったこと

竪型真空包装機を導入し、生産性の向上に取り組んだ。当初は全工程の自動化を検討したが工場スペースの狭さから断念し、ボトルネック作業である溶液注入と真空処理を自動化した。タッチセンサーで溶液注入後のパック詰めを感知する仕組みは、種類ごとの感度調整に時間がかかった。袋への投入では作業台を広く改修して作業動線を見直し、人数を増やして作業の錯綜を減らした。京都府立大学大学院の指導で、たけのこ特有のえぐみを減らす加工や味付けの工夫も行い、高齢者向けに塩分を抑えた漬物を溶液と素材を真空パックに入れて漬け込む商品を開発した。

加工機竪型真空包装機

新しい製品・サービス:OEM商品と、高齢者向けに塩分を抑えた自社の漬物商品

事業の効果

  • 作業人数 12人→8人
  • 生産量 2,000パック→4,500パック

真空パック型商品の生産性は2倍以上に向上し、作業人数も削減できた。導入前と比べ生産量のムラもなくなり、工程管理の精度が上がった。真空加工も機械化により安定して品質が均一になり、人手削減分は品質管理業務に配置した。OEM商品は計画通りに生産販売されている。従業員も設備のトラブルを自らの工夫で解消したことで自信を持つようになり、生産性とモチベーションが向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    京たけのこの水煮製造で培った乳酸発酵技術と伝統栽培への取組があり、真空パック型商品の拡充が既存事業の延長として示されています。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国の高級スーパーや百貨店と取引があり顧客から高い評価を受けていると記載され、強みは示されていますが、市場データは示されていません。

  • 課題の認識と解決3

    真空パック型の生産体制整備が喫緊の課題と認識され、現状の2倍以上の生産性が必要とされていますが、付加価値向上の計画は具体的ではありません。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性は2倍以上に向上したと記載がありますが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていません。

  • 事業を進める体制3

    作業人数を12人から8人に減らし、社長と京都府立大学大学院が協力した体制が示されていますが、担当者はパートタイマーで変動があると記載されています。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    竹の子ごはんの素の注文増加や高齢者向け減塩漬物、OEM商品など、ターゲットとニーズの裏付けが一部示されています。

  • 事業化までの道筋3

    ボトルネック作業の自動化やセンサー調整、作業動線の見直しなど課題と解決方法が示されていますが、今後のスケジュールは書かれていません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    真空パック型商品の注文が伸びていると記載がありますが、同分野での普及度や高水準の高付加価値化を示す記述はわずかです。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    地元長岡京市の伝統栽培を守る会や周辺農家からの仕入れなど、地域への波及効果がうかがえますが、雇用創出の記述はありません。

  • 費用対効果2

    生産性が2倍以上になったとありますが、補助金投入額や費用対効果の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    贈答用缶詰が減少し真空パック型商品が増加している市場変化を踏まえた事業転換がうかがえますが、構造転換への言及はありません。

  • 地域経済への波及3

    地域の代表的な特産物である京たけのこを用いた製品づくりと地元の栽培活動への還元が示されていますが、雇用や成長の数値はありません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地元長岡京市の「伝統栽培を守る会」の活動を応援するため、より付加価値の高い商品づくりで利益を還元したいと考えている。今回の事業でコストを抑えられたため、価格にも反映させたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。