ものづくり補助金平成26年度情報通信業岐阜県

分散型クラウドを利用した高セキュリティー在宅医療/訪問看護アプリ開発

株式会社サイエンスネット

この事例のポイント

  • 介護現場では、要介護者の健康状態などの情報を施設に持ち帰ってから既存ソフトに入力しており、業務負担やミスが増えていた。
  • 本事業では、要介護者の情報共有による業務の省力化を目的に、在宅医療連携システムを開発した。
  • 在宅医療の現場で、患者情報をリアルタイムに共有できるようになり、医師や看護師、介護士などの他職種間で指示ミスや伝達ミスを防げるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サイエンスネット
所在地岐阜県 大垣市
業種情報サービス業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数20人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

当社は平成10年にソフトピアジャパン内で創業し、平成13年に法人化した。データベース事業部、ネットワーク事業部、ホームページ事業部の三部体制で、病院や自治体、企業向けの事業を展開している。近年は現場のIoT化に力を入れている。平成25年度ものづくり補助金の事業で介護現場をサポートする医療連携型ロボットの試作開発を行い、その実証実験で、介護に関わる医師や看護師、介護士、家族の間で日々の情報共有が非常に重要だと実感した。在宅医療の必要性が高まる中、治療や介護の最適な判断に結びつく情報連携は不可欠と考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他介護現場では、要介護者の健康状態などの情報を施設に持ち帰ってから既存ソフトに入力しており、業務負担やミスが増えていた。
  • その他介護保険等の申請時に、事務スタッフが同じ情報を書類に再度書き写しており、業務の負担が大きかった。

やったこと

本事業では、要介護者の情報共有による業務の省力化を目的に、在宅医療連携システムを開発した。全国で初めて物理分散型クラウドを用いた高いセキュリティのネットワークを構築し、攻撃による情報の破損や漏えいを防止した。介護現場ではIT知識がなくても簡単に操作できるよう、タブレット端末を用いて要介護者の健康状態などをその場で入力できるようにした。入力データは医療機関で使われている請求支援ソフトウェア等とデータ連携でき、リアルタイムの情報共有や一括管理を可能にした。非接触バイタル生体センサーを導入し、要介護者の見守りと急変時の通知機能も付加した。

その他タブレット端末
検査測定非接触バイタル生体センサー
ソフト在宅医療連携システム(クラウド型ソフトウェア)

新しい製品・サービス:全国初の物理分散型クラウドを利用した高セキュリティの在宅医療・訪問看護アプリ(在宅医療連携システム)

事業の効果

在宅医療の現場で、患者情報をリアルタイムに共有できるようになり、医師や看護師、介護士などの他職種間で指示ミスや伝達ミスを防げるようになった。介護記録の作成時には現場で登録された内容が反映され、電子カルテとの連携も可能になり、介護記録書の作成や申請書類への書き写しの手間が減った。権限設定や検索機能により患者情報を安全かつ素早く扱えるようになり、要介護者の見守りや急変時の通知もできるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年度ものづくり補助金での医療連携型ロボットの試作開発から発展した事業と読めるが、経営戦略上の位置づけは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国初の物理分散型クラウドによる高セキュリティという独自性は読み取れるが、市場動向や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    介護記録の二度打ちや入力ミス、伝達漏れといった課題を挙げ、データ連携による残業削減を目指す計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    業務負担や残業の削減を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    三部体制やヘルプデスク設置による導入後サポート体制が示され、体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関でのテストを重ね現場の意見で修正している点と、既存請求支援ソフトと連携する点から顧客ニーズへの対応が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    2018年春の医療機関での導入計画と、テストを重ね修正する流れは示されるが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    在宅医療連携とセキュリティを組み合わせた点は特徴的だが、同分野の普及度や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    在宅医療の必要性の高まりに触れ、地域医療従事者や患者への貢献を掲げるが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    業務負担の削減や入力ミス防止は述べられるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    物理分散型クラウドという新しい技術と地域医療連携の活用が示され、地域の医療イノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    在宅医療やIoT化への注力は触れられるが、日本経済の構造転換との関連は示されていない。

  • 地域経済への波及4

    岐阜県内の医療機関への導入と地元で生まれたシステムという強みから、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2018年春には岐阜県内の医療機関での導入が計画されている。ヘルプデスクを設置し、導入前後の手厚いサポート体制を確立しながら、地域医療従事者・患者への貢献を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。