ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業和歌山県

廃校を拠点とした地域産物による洋菓子の開発洋菓子作りから、串本町の地域活性化に取り組む

有限会社 セ・ラ・セゾン

この事例のポイント

  • 地元産フルーツを使った土産物が少なく、地域から商品開発を求める声が上がっていた。
  • 地元産フルーツを使ったロールケーキの試作開発を、特産品農家開拓、試作開発、試食会議の順に進めた。
  • 地元産のロールケーキが看板商品となり、夏は半解凍でアイスケーキとしても楽しめる商品になり、概ね好評を得た。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 セ・ラ・セゾン
所在地和歌山県 串本町
業種飲食料品小売業
従業員数25人
資本金300万円
設立2000年

事業の背景

有限会社セ・ラ・セゾンは洋菓子の製造・販売を行い、旬のフルーツを活かした菓子を手がけている。2011年に廃校になった養春小学校を再利用した串本養春店を運営している。串本町は吉野熊野国立公園や橋杭岩などの自然資源があり、近畿圏から多くの観光客が訪れるが、地元産品を使った注目を集める土産物はなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地元産フルーツを使った土産物が少なく、地域から商品開発を求める声が上がっていた。
  • 生産能力旧小学校の調理室の設備だけでは不十分で、オーブンや冷蔵庫、ミキサーなどの製造設備一式を新たに導入する必要があった。
  • 生産能力店舗で洋菓子を冷蔵陳列販売するためのショーケースも必要であった。

やったこと

地元産フルーツを使ったロールケーキの試作開発を、特産品農家開拓、試作開発、試食会議の順に進めた。串本町と古座川町を代表する果実を使い、冷凍でも解凍しても美味しいロールケーキを目指した。農家や客、従業員の意見を取り入れながら試行錯誤を重ね、商品化にこぎ着けた。旧小学校の調理室に、オーブンや冷蔵庫、ミキサーなどの製造設備一式を導入し、店舗用のショーケースも設置した。

加工機オーブン
加工機冷蔵庫
加工機ミキサー
その他冷蔵陳列ショーケース

新しい製品・サービス:古座川の柚子・紀伊大島の金柑を用いたロールケーキや、串本のブルーベリーを用いたショートケーキなど、地元産フルーツを使った洋菓子。

事業の効果

地元産のロールケーキが看板商品となり、夏は半解凍でアイスケーキとしても楽しめる商品になり、概ね好評を得た。古座川の柚子ロールケーキ、紀伊大島の金柑ロールケーキ、重ね山のぽんかんロールケーキの知名度も上がってきた。農家との関係も深まり、商品化する地元フルーツも広がっている。地元の若い人の雇用を生み出すことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    神奈川の本店に加え串本養春店を出し、地元フルーツを使う洋菓子づくりを続けてきた流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    串本町・古座川町の柑橘など品質の良い地元フルーツを強みとし、廃校店舗と農家との関係を活かす点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    地元産品の土産物が不足している課題と、ロールケーキ商品化による販売・雇用の成果は書かれているが、高付加価値化の数値計画は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    オーナーシェフ自ら農家を回り、店長が農家と関係を築いている記述がわずかにうかがえるが、補助事業の実施体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元フルーツにこだわった旬のロールケーキが看板商品で、田辺市・新宮市からの来店や知名度向上など選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    試作開発を農家開拓、試作、試食会議の順で進めた手順は書かれているが、中長期の検証や補助事業後のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    旬の柚子・金柑・ぽんかんを使ったロールケーキは地域固有の商品だが、高水準の高価格化を図る根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    過疎化への歯止めとして若い地元の雇用を生み出したことや、廃校の再利用による交流の場づくりが書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額の数値は書かれておらず、販売に結びつけたという定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    地元農家との連携や体験型イベントによる交流は書かれているが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    串本町の自然農法の柑橘を活かし、地元の若い雇用や就農支援、Iターン・Uターン増加を図る地域牽引の取組が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

串本町ならではの強みを活かし、養春小学校の店舗を人の集まる交流の場として活性化に貢献する。若い人の就農をさまざまなかたちでサポートし、I・Uターン者の増加も図っていく。地域の人を招いたイベントも試みている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。