ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

ニーズが増える高齢者家具市場への本格参入に向け表面塗装技術の向上を図り、商品開発を進める

株式会社 キンタロー

この事例のポイント

  • 従来の機械設備では塗料粒子が粗く、塗りムラができやすく高品質な塗装面が得られなかった。
  • 補助事業では高電圧発生器内蔵方式の静電ガンを導入し、安全性の確保と塗着効率の向上による塗装品質の向上を目指した。
  • 新方式の静電ガンの導入後、1か月程度は調整期間となり安定した塗装状態にはならなかったが、修正を重ねて少しずつ安定した品質のものを製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 キンタロー
所在地和歌山県 海南市
業種家具・装備品製造業
技術分野製造環境
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1956年

事業の背景

1956年に海南市で木工品製造の個人創業として始まり、木製家具の製造で長年の業歴を持つ。現在はベビーベッドを主力に、ペット関連家具と高齢者用サポート家具の3つを柱とし、ベビーベッドは量販店や通販業者向けに販売している。65歳以上の高齢者人口は増加を続けており、高齢者向けの機能性を持つ家具の需要も増えると見込まれる一方、主力のベビーベッドは少子化により市場規模の縮小が避けられない状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の機械設備では塗料粒子が粗く、塗りムラができやすく高品質な塗装面が得られなかった。
  • 生産能力塗着効率が悪く塗料の噴霧量が増え、その排気が近隣周辺環境にもマイナスの影響を与えていた。
  • その他高圧ケーブルが外れたり切断されたりすると火災発生の危険性があり、作業には細心の注意が必要だった。

やったこと

補助事業では高電圧発生器内蔵方式の静電ガンを導入し、安全性の確保と塗着効率の向上による塗装品質の向上を目指した。新方式の静電ガンは塗料粒子が細かく、塗装品質の向上につながっている。高齢者家具は表面塗装の良質さを強みに、材料を南洋材から米材に変えるなどの改良を加えた上で、高品質を保ちつつ利益を確保できる試作・テストを進めている。

加工機高電圧発生器内蔵方式の静電ガン

新しい製品・サービス:高齢者用サポート家具(テーブル、手すり等)

事業の効果

新方式の静電ガンの導入後、1か月程度は調整期間となり安定した塗装状態にはならなかったが、修正を重ねて少しずつ安定した品質のものを製造できるようになった。塗料粒子が細かくなったことで不良率が低下し品質が向上し、噴霧時間が短くなって塗装後の補正がほとんどなくなり、従業員の作業負担も小さくなった。また、臭いの発生が抑制され、周辺環境へのマイナスの影響も低減できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ベビーベッドで培った技術を高齢者向け家具に応用し、長年の業歴を活かす方針が述べられている。ただし事業戦略上の位置付けの明示は限定的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢者家具市場の拡大と自社の表面塗装・別注対応の強みに触れているが、競合や市場データの裏付けは示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    塗着率不良や塗りムラという課題を認識し、高品質塗装による高齢者家具展開を述べるが、受注増などの数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人で新機械の調整期間を経て安定稼働に至った経緯はうかがえるが、体制や人材確保の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高齢者向けの品質要求に応える塗装品質と安全な塗料使用をアピールする点が示されるが、顧客ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作・テスト段階から製品完成後に展示会へ出展する流れが示されるが、スケジュールや期間は明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高齢者向け家具は市場拡大が期待される分野とされ、高品質塗装による差別化が述べられているが、具体的な市場シェアは示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化の進行を背景に高齢者向け家具の需要増加を述べるが、雇用創出や波及効果への言及はない。

  • 費用対効果3

    不良率の低下や噴霧時間短縮、補正がほとんどなくなった点など効果が示されるが、投資額と付加価値の数値比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    静電ガン導入による環境負荷低減や安全性向上はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    高齢化社会に対応した高齢者家具への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    海南市での木工品製造という地域の特性と自社一貫製造が述べられるが、地域雇用や経済成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主力のベビーベッドは少子化で市場縮小が避けられないため、高齢者家具の製造・販売に力を入れる方針である。製品完成後は展示会などに積極的に出展し、安全な塗料を使った日本製家具であることをアピールして新たな受注につなげる考えである。今後は現行製品の生産性向上を図りながら、時代のニーズにあった新製品の開発を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。