ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

ミレービスケットの生産量増加を目指した製造の自動化

有限会社 野村煎豆加工店

成果生産能力 1倍以上→2倍以上

この事例のポイント

  • 受注が急増し生産量が数倍に膨らんだが、従来の油揚げ機械装置だけでは対応できなくなっていた。
  • 50年以上の経験と実績をもとに、ミレービスケットの揚げ工程を自動化する生産ラインをオーダーメイドで製造し導入した。
  • 生産能力 1倍以上→2倍以上。油揚げ工程の生産ラインが2本になり、生産能力は2倍以上に上がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 野村煎豆加工店
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数57人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

有限会社野村煎豆加工店は1923年に豆類の加工を行う「野村商店」として創業し、昭和30年頃からミレービスケットを製造してきた。2007年に高知県の補助を受けて出展したスーパーマーケットトレードショーをきっかけに、ミレービスケットは高知県を代表する菓子として全国的に人気が高まり、受注が急増した。天日塩を使った商品や健康に配慮した商品、キャラメルやコーヒー、ニンニクなど多様なフレーバーの開発により需要はさらに拡大し、県内外企業とのコラボによるOEMの仕事も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が急増し生産量が数倍に膨らんだが、従来の油揚げ機械装置だけでは対応できなくなっていた。
  • 人手・技能油揚げ機械は旧式で、揚げ時間や油の温度を人の目視で調節しており、職人の経験に頼っていた。
  • 生産能力生産の第1工程である油揚げ工程の改善が未着手で、大幅な生産増を実現する設備導入が必要だった。

やったこと

50年以上の経験と実績をもとに、ミレービスケットの揚げ工程を自動化する生産ラインをオーダーメイドで製造し導入した。導入したフライ設備は油の温度を自動で125℃前後に管理する。ガスバーナー式フライ設備は油の温度に合わせて点火・消火を自動で行い、温度を一定に保つ。取り出し装置は揚げ上がったビスケットを油切りし、外部のパレットに一定量ずつ排出して手作業で塩をまぶす。冷却コンベヤーはベルトコンベヤーの下から吹き出す風で高温のビスケットを冷ます。製品タンクではあたたかい状態まで冷めたビスケットを一晩寝かせて完全に冷まし、袋詰め工程にまわす。

加工機ガスバーナー式フライ設備
加工機取り出し装置(油切り装置)
その他製品タンク一式
加工機冷却コンベヤー

新しい製品・サービス:ミレービスケットの揚げ工程を自動化する生産ライン(ガスバーナー式フライ設備を含む新規導入の機械装置)

事業の効果

  • 生産能力 1倍以上→2倍以上

油揚げ工程の生産ラインが2本になり、生産能力は2倍以上に上がった。新たに人手が必要となり、雇用の拡大につながった。ガスバーナー方式により温度管理が容易になり、常に同じ温度で揚げられるため一定の品質を保てるようになった。冷却コンベヤーで冷却・乾燥が進み、袋詰めまでの冷却時間が短縮された。塩味専用ラインを設けたことで洗浄の手間が減り、常時一定の塩味の製造量を確保できるようになった。ガスバーナー方式はオイルバーナー方式より作業の安全性に優れ、清掃も容易で製造環境を衛生的に保てるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和42年から自社製の油揚げ機を使い、ミレービスケット製造を50年以上続けてきた経緯が書かれ、製造の自動化は既存事業の延長に位置付けられる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    2007年のトレードショー以降に受注が急増し、フレーバー展開や県内外とのOEMで需要が拡大したことが記載され、外部環境と強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    旧式機が温度管理を目視と職人の経験に頼っている課題が示され、自動温度制御のフライ設備で生産量2倍以上を実現したと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力が2倍以上になり新たな雇用につながったと結果が書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載がない。

  • 事業を進める体制2

    経験の少ない人でも作業できる環境を整え雇用を拡大する方針はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高知のお菓子として全国で人気が高まり、塩味や健康志向などの商品ラインアップと需要拡大が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ライン2本化による洗浄の手間削減や冷却時間の短縮など効果は書かれるが、スケジュールや中長期の検証手順は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ミレービスケットは地域の代表的な菓子として認知を高めているが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    「ミレー囲い」として高知経済に寄与する構想や雇用拡大が書かれ、地域波及の意図は読み取れるが、定量的な波及効果は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果の数値は記載がなく、生産量2倍以上と雇用増が書かれるのみで、投入額に対する効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    ガスバーナー式の自動温度管理は示されるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及はわずかにとどまる。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    高知の地域ブランドであるミレービスケットを軸に、雇用拡大と地域経済への寄与を目指す構想が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ミレービスケットを軸に、アイスクリームやミレーサンド、キャラクター缶入り商品、ご当地ミレーなど他社とのコラボによる関連商品の展開が期待されている。OEMの需要も高く、今後もミレービスケットを軸にした商品展開を進める。ミレーちゃんを各分野で活用し、ミレーのブランド力で高知の経済に寄与する状況を作りたいと考えている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。