ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

「三年熟成・醤油もろみ」の為の「FRP製・半地下諸味発酵槽」設置

有限会社 二反田?油店中津工場

成果タンク清掃時間 90分→30分

この事例のポイント

  • 約10年前から製造している「三年完熟醤油」の半製品である長期(三年)熟成諸味の生産を増やしたい。
  • 補助金で、FRP製の半地下諸味発酵槽(1.2メートルの高さを持つFRP製5800L諸味仕込みタンクが12個)を導入し、コンクリート製タンクから置き換えた。
  • タンク清掃時間 90分→30分。FRP製タンクの導入により、タンクの完全洗浄が可能になり、アフラトキシンやヒスタミンの発生可能性が最小限になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 二反田?油店中津工場
所在地大分県 中津市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数13人
資本金400万円
設立1935年

事業の背景

30年前には全国に3,000軒あった醤油の蔵元が、今では1000軒にまで激減した。交通網の発達で地醤油の存在感が薄れ、大手メーカーの商品が台頭したためである。県内50の蔵元のうち、麹から作っている蔵元は3軒だけで、同社はその1軒である。大手メーカーは温度を上げて半年で醤油に仕上げるが、同社は自然の気候の中で三年間熟成させている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力約10年前から製造している「三年完熟醤油」の半製品である長期(三年)熟成諸味の生産を増やしたい。
  • 品質・精度コンクリート製のタンクは表面からもろみが染み込み、完全な洗浄ができず、アフラトキシンやヒスタミンが発生する可能性があった。
  • 人手・技能タンクの淵が低く、職人がタンクに落ちる危険性があった。
  • 生産能力タンク清掃に90分かかり、作業効率が悪かった。
  • 品質・精度インペラー式の旧ポンプは発熱し、もろみの品質に悪影響を及ぼしていた。

やったこと

補助金で、FRP製の半地下諸味発酵槽(1.2メートルの高さを持つFRP製5800L諸味仕込みタンクが12個)を導入し、コンクリート製タンクから置き換えた。FRP製タンクは浸透性がなく、タンクの完全洗浄が可能になった。タンク淵を高くしたことで、職人の転落危険性やもろみ攪拌時の飛び散り、落下や転倒の危険も減った。あわせてステンレス製ピストンポンプを導入し、発熱せずもろみの品質に影響を与えない構造とした。

金型FRP製半地下諸味発酵槽(FRP製5800L諸味仕込みタンク12個)
加工機ステンレス製ピストンポンプ(もろみポンプ)

新しい製品・サービス:完全無添加醤油の醸造に向けた「三年完熟醤油」の高品質化

事業の効果

  • タンク清掃時間 90分→30分
  • もろみ入れ替え・汲み上げ時間(1,000リットル) 25分→10分

FRP製タンクの導入により、タンクの完全洗浄が可能になり、アフラトキシンやヒスタミンの発生可能性が最小限になった。タンク淵の高さにより職人の転落危険性や攪拌時の飛び散り・落下・転倒の危険が減った。新ポンプは熱を発さず旧ポンプの2倍以上の性能があり、作業時間が大幅に短縮され、もろみの品質も保たれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    大正8年創業の地醤油醸造の伝統を守り、三年完熟醤油の生産増のため発酵槽を導入したと具体的に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手メーカーの台頭で地醤油が減ったことや県内50蔵元中3軒という状況は書かれるが、自社の強みを数値で示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    コンクリート槽の完全洗浄不可やアフラトキシン発生の可能性など課題が具体的で、洗浄時間90分から30分への短縮など解決策も示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    清掃時間が90分から30分、もろみ汲み上げが1,000リットルあたり25分から10分と数値目標の改善効果が示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    完全無添加で三年熟成の味や関東方面への出荷など製品の特徴は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備の効果は書かれるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証についてはうかがえる程度である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    醤油の蔵元が3,000軒から1,000軒に減り、麹から作る蔵元が3軒だけという希少性は書かれるが、高価格化の記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地醤油の減少という地域課題は触れられているが、国が補助する経済波及や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    作業時間や清掃時間の短縮が数値で示され、費用対効果の一端は読み取れるが、補助金額や付加価値額は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ピストン式ポンプやFRPタンクの導入は示されるが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    中津市の地醤油醸造と地方の蔵元の個性を生かす方針が書かれ、地域の特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地方の蔵元が激減する時代だからこそ、大手メーカーとは異なる個性的な醤油が貴重になる。今後は「三年完熟醤油」の販路拡大を図り、地域に根ざした醤油作りに励む方針である。

事業者の声

地方の蔵元が激減している時代だからこそ、大手メーカーとは異なる個性的な醤油が貴重になってくる。今後は『三年完熟醤油』の販路拡大を図るとともに、地域に根ざした醤油作りに今まで以上に励んでいきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。