ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

世界に発信!手軽に本格日本茶を味わえる“茶飲革命”

井指製茶株式会社

この事例のポイント

  • ペットボトル飲料の普及などで急須でお茶を入れる家庭の習慣が減り、急須用茶葉の消費が落ち込んでいた。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、リーフタイプの茶葉を一定量ティーバッグに詰めるための設備を導入した。
  • 工程を自社で全面的にまかなえるようになり、余力が生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名井指製茶株式会社
所在地愛知県 豊川市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

井指製茶は昭和49年設立の茶葉メーカーで、緑茶文化の未来創造に向けて新しいブランディングにより茶葉の消費拡大に取り組んでいた。平成28年の農林水産省データでは日本人1人当たりの緑茶消費量は22リットルと過去最高となったが、1世帯当たりの茶葉消費量は829グラムで、平成14年の1140グラムと比べ約75%に減少していた。ペットボトル飲料の普及により急須でお茶を入れる家庭の習慣が減りつつあるなか、同社は本格的な味を手軽に楽しめるティーバッグ「茶飲革命」を提唱していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信ペットボトル飲料の普及などで急須でお茶を入れる家庭の習慣が減り、急須用茶葉の消費が落ち込んでいた。
  • 販路・情報発信急須でお茶を入れる手間や飲んだ後の始末が急須離れの大きな要因と考えられていた。
  • コスト・採算急須用茶葉は販売単価が低く、お茶農家の経営を少なからず圧迫していた。
  • 納期・工程ティーバッグの製造工程の一部を協力会社に委託しており、工程を自社で全面的にまかなえていなかった。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、リーフタイプの茶葉を一定量ティーバッグに詰めるための設備を導入した。良質な茶葉を使い、茶葉がふんわりと広がる形状にこだわったティーバッグを開発し、苦味、渋味、旨味、甘味のバランスが取れたおいしいお茶ができるようにした。原料にはデンプン由来の天然素材を使用し、メッシュは健康と環境にやさしい素材とした。ティーバッグは水出しも可能とした。導入の結果、それまで協力会社に委託していた工程を自社で全面的にまかなえるようになった。

加工機リーフタイプ茶葉を一定量ティーバッグに詰める設備

新しい製品・サービス:ティーバッグの新ブランド「茶飲革命」および、緑茶を使ったスイーツの開発

事業の効果

工程を自社で全面的にまかなえるようになり、余力が生まれた。その余力を新たな緑茶ファン層の開拓に充てられるようになった。百貨店の催事などで試飲してもらうと、味の違いに驚かれる人が多いという。お茶農家、メーカー、小売店のすべてが安心して茶文化の発展に寄与できる環境づくりにつながることが期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成27年度補正のものづくり補助金で茶葉をティーバッグに詰める設備を導入し、協力会社委託分を自社化したと読める。過去取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    急須離れや茶葉消費の減少という外部環境と、本格的な味を手軽に楽しめる製品という強みが書かれている。競争優位の根拠は定性的な説明にとどまる。

  • 課題の認識と解決3

    課題は急須離れと茶葉消費減少として認識され、ティーバッグ化で対応する方針が示されている。付加価値や成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    工程を協力会社委託から自社で全面的にまかなえるようになったとあるが、人材や事務処理体制の記述はうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    本格的な味わいと手軽さをキーワードにし、百貨店の試飲で味の違いに驚かれると具体的に書かれている。ターゲットとして若い層やオフィスも挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    ティーバッグ化、個包装タイプの開発、置き薬型の補充ビジネスなど今後の方向性は示されるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    急須の茶葉消費が減る中、ティーバッグで本格的な緑茶を手軽に楽しむ新ブランドとして展開し、ペットボトルとの味の違いを打ち出している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用4

    日本の緑茶文化の伝承や茶農家・小売店の安心できる環境づくりに寄与する点が書かれ、一人当たり緑茶消費量や茶葉消費量の減少データも示されている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ティーバッグの原料にデンプン由来の天然素材を使い、健康や環境にやさしいとされるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記載は一部にとどまる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    緑茶消費の減少という市場変化に対応する取組として書かれているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    豊川市の茶業者として、お茶農家や小売店と連携し地域の茶業を支える姿勢が書かれているが、雇用や地域経済への効果の数字は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は幅広い層に向けて緑茶文化の浸透を図る。オフィスや事業所向けに鮮度を保ちやすい個包装タイプのティーバッグを開発し、置き薬のイメージで使った分だけ補充・清算する新たなビジネスモデルの確立を目指す。小学生向けの茶摘み体験や急須でお茶を入れる体験などの校外学習や出前授業にも取り組む。

事業者の声

若い層にもペットボトルの気軽さで、急須で入れたお茶の本格的な味わいを楽しんでもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。