ものづくり補助金平成27年度製造業愛知県

自動車部品用金型の加工コストを削減可能とする高精密CNC工具研削盤の導入による高精度再生ボールエンドミルの試作開発

株式会社アヤボ

成果ボールエンドミルの寸法誤差 7.5μm→5μm

この事例のポイント

  • 金型の加工コストを下げつつ、加工精度を高める必要があった。
  • 平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、装置内で寸法測定できる機能を持つ高精密CNC工具研削盤を1台導入した。
  • ボールエンドミルの寸法誤差 7.5μm→5μm。再生品の寸法誤差が7.5μmから5μmになり、連続研削しても精度を保てるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アヤボ
所在地愛知県 安城市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

同社は切削工具の再生技術とPVDコーティングに強みを持ち、多くの再研削事業者からコーティングの依頼を受けていた。ただ、高精度な再生品を提供するには再研削からコーティングまで一貫して自社で手がける必要があり、独自のナノワープシステムを開発した。顧客から金型の加工コストを下げつつ加工精度を高めたいという声があり、新技術の開発が始まった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算金型の加工コストを下げつつ、加工精度を高める必要があった。
  • 品質・精度ボールエンドミルの再生品の寸法誤差は7.5μmあり、再生精度を高める必要があった。
  • 生産能力再研削後からPVDコーティングを開始するまでに約2日かかっていた。

やったこと

平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金を活用し、装置内で寸法測定できる機能を持つ高精密CNC工具研削盤を1台導入した。投資額は約6000万円。研削した再生品の寸法を一定の加工回数ごとに測定して砥石の摩耗状況を把握するノウハウを確立した。さらにIoTを取り入れ、再研削後からPVDコーティングまでの時間を短縮した。

加工機高精密CNC工具研削盤(装置内測定機能付き)

新しい製品・サービス:高精度な再生ボールエンドミル

事業の効果

  • ボールエンドミルの寸法誤差 7.5μm→5μm
  • 金型加工精度 100%→125%
  • 再研削時間 10分→8分

再生品の寸法誤差が7.5μmから5μmになり、連続研削しても精度を保てるようになった。金型加工精度は従来品比25%向上した。再研削の時間も短縮された。再研削後からコーティングまでの時間を短縮し、短納期体制の確立に寄与した。再生コストは新品を買うときの5分の1程度で済むとされる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    再研削からコーティングまで自社で手がける方針を開発の出発点とし、切削工具の精度向上を既存の一貫体制の延長で進めている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多くの再研削事業者がコーティングを外部委託する中で自社の強みを示しているが、市場動向や競合に対する優位性の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    寸法誤差7.5㎛を5㎛に改善し金型加工精度が従来品比25%向上、再研削時間10分から8分へ短縮と、課題と成果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    金型加工精度25%向上と再研削時間の短縮が実績として示されており、高付加価値化につながる目標の実現性が確認できる。ただし賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発を進めた体制や人材については「TMSチーフ」「オペレーター」の役職名が出る程度で、事務処理能力や体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金型の加工コストと精度を求める顧客の声が開発のきっかけで、再生品は新品並みの性能で再生コストは新品の5分の1程度と示されている。

  • 事業化までの道筋3

    稼働率約30%、対応工具の拡大、従来設備への展開などの課題と方針は示されているが、スケジュールや具体的な解決手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    投資額約6000万円と資本金1000万円が書かれているが、資金調達の見込みや財務状況は公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高精度再生ボールエンドミルは新品並みの性能で高付加価値化を図るもので、寸法誤差5㎛と金型加工精度25%向上が数字で示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    金型産業の加工コスト低減に触れているが、川上・川下への波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    約6000万円の投資に対し、利益を出せる状態になった、加工精度25%向上、再研削時間短縮と費用対効果を示す数字が複数ある。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTを取り入れてPVDコーティングまでの所要時間を約2日から短縮したと書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    切削工具の再生という分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換への寄与は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    愛知県安城市に所在する事業者である点はうかがえるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工具研削盤の稼働率は約30%にとどまるため、稼働率を高めることが今後の課題。対応できる工具の種類を増やし、高度な金型加工精度を求める会社への営業を強化して受注を確保する方針。新規導入した工具研削盤で蓄えたノウハウを従来設備へ展開することも模索している。

事業者の声

新品とほぼ同等の性能に回復できる上、再生コストは新品を買うときの5分の1程度で済む

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。