ものづくり補助金平成27年度製造業三重県

地魚を主体にした練り製品の多品種少量生産を実現しOEM市場開拓

有限会社新兵衛屋

成果従来機に比べて約2割の時間短縮につながる。

この事例のポイント

  • 地魚を主原料とする練り製品は需要の伸びが高いが、多種多様な製品を小ロットで生産することが必須で、攪拌機の台数が足りず生産量を確保できない。
  • 攪拌工程の機械選定では、サイレントカッターとボールカッターを比較し、摺り揚げ時間の短縮、専門オペレーターが不要な作業の容易性、生産性に直結する水伸ばし効果の優位性からボールカッタ…
  • 従来機に比べて約2割の時間短縮につながる。ボールカッターの導入により、従来機に比べ約2割の時間短縮が見込まれ、多品種少量生産への対応力が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社新兵衛屋
所在地三重県 熊野市
業種食料品製造業
従業員数15人
資本金300万円

事業の背景

当社は定番商品として約40アイテムを持ち、そのうち約10種類が地魚アイテムである。利益率が高く販路の拡張性が望め競争力の高い「地魚」を主力製品と位置づけ、5年前から商品開発や販路開拓に取り組んできた。その結果、この分野の伸び率は高いが、多種多様な製品を小ロットずつ生産することが条件となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力地魚を主原料とする練り製品は需要の伸びが高いが、多種多様な製品を小ロットで生産することが必須で、攪拌機の台数が足りず生産量を確保できない。
  • 生産能力攪拌工程(すり身にする工程)がボトルネックとなり、OEM受注に応じられない。
  • コスト・採算地魚を主原料にすると同じグラム数でも原価が冷凍すり身より上がるため、付加価値額を高める必要がある。

やったこと

攪拌工程の機械選定では、サイレントカッターとボールカッターを比較し、摺り揚げ時間の短縮、専門オペレーターが不要な作業の容易性、生産性に直結する水伸ばし効果の優位性からボールカッターBC150の導入を決定した。工場長が試運転を行った後、操作を想定している2人のパートタイマーに研修を実施し、作業時間を計測して多品種少量への対応を確認した。導入後はタッチパネル式で入力ミスが減り、全自動運転のため新入社員でも運転できる。試作品づくりでは従来機械の担当スタッフ以外でも操作できることが判明した。

加工機ボールカッターBC150

新しい製品・サービス:地魚を主原料とした練り製品によるOEM商品および、熊野灘産の魚を使った各地のご当地商品。

事業の効果

  • 従来機に比べて約2割の時間短縮につながる。
  • 当面OEM商品は5社に対して20アイテムを想定している。

ボールカッターの導入により、従来機に比べ約2割の時間短縮が見込まれ、多品種少量生産への対応力が高まった。用途別の温度調整工程が不要になり、品質が安定して工程途中のサンプル検査頻度と作業員の常時監視も減らせる。品質と生産性が向上したことで総合的に付加価値額が上がり、大手流通業者との大量取引も可能になった。小ロット生産が可能になり、ご当地商品の受注も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    地魚練り製品を主力と位置づけ5年前から商品開発・販路開拓に取り組んだ経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの明文化は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地魚は利益率が高く競争力が高い分野とされ、大手流通のOEM需要に応える方針は読めるが、市場データや自社資源の強み・弱みの記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    攪拌工程がOEM受注のボトルネックという課題認識と、約2割の時間短縮という数字はあるが、事業計画全体の付加価値向上の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の向上は見込めると述べられるが、具体的な付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    工場長の試運転やパートタイマー2人への研修と作業時間計測の計画が書かれ、遂行体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地魚を使った安全・安心と品質安定、多品種少量対応が差別化点として明示され、OEM需要や香港出展での引き合いも書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ボールカッター導入、研修、計測という段階は示されるが、中長期の課題検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    地魚練り製品の分野で高付加価値化を図る方向はうかがえるが、高価格化の水準や分野の認知度に関する数値は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地魚の全国販売やご当地商品の受注など地域食材活用はうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    地魚主原料で原価率が下がり付加価値額が向上する見込みや時間短縮が書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    熊野灘の地魚を活かした高付加価値商品で、ご当地商品受注も可能とされ、地域特性の活用は読み取れるが、地域成長への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2016年8月に香港のフードエキスポに出展し、現地日系流通企業から引き合いがあった。物流への対応やローカライズなど新たな課題も見つかったため、時間をかけて解決に取り組むとともに、輸出先別の海外用製品の開発や改良を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。