ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

兵庫県内産初となる新品種“せときらら”の小麦粉を使ったパンの製造

株式会社麦わら

この事例のポイント

  • 一般的な国産小麦粉だけでは香ばしさに欠け、パンを膨らませるのに必要なたんぱく質も少ないため、シンプルで飽きない国産のパン作りには課題があった。
  • 平成25年頃から試験的に小規模で“せときらら”の栽培を行い、28年頃から本格的に栽培を始めた。
  • 自社で小麦の栽培から製粉、パンの製造・販売まで一貫して行える体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社麦わら
所在地兵庫県 稲美町
業種食料品製造業
従業員数7人
資本金100万円
設立1953年

事業の背景

当社は元々西宮市に店舗を構えていた。創業時から添加物や保存料を入れず、卵やバターを大量に使わないパンを作り、毎日食べてもカロリー過多にならないパン作りを目指してきた。しかし、日本の気候でも香ばしいパンが作れる国産小麦が少なく、一般的な国産小麦粉では課題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度一般的な国産小麦粉だけでは香ばしさに欠け、パンを膨らませるのに必要なたんぱく質も少ないため、シンプルで飽きない国産のパン作りには課題があった。

やったこと

平成25年頃から試験的に小規模で“せときらら”の栽培を行い、28年頃から本格的に栽培を始めた。南あわじ市と稲美町の自家農場で無農薬栽培し、収穫した小麦は2週間天日干しして小麦本来の香を残し、社内の石臼でゆっくりと低温で全粒粉に製粉している。平成30年に2号店(稲美店)をオープンし、本補助金を活用して生産設備(電動石臼製粉機)を導入して生産力を増強した。新品種小麦“せときらら”の食パン“一尺二寸”を開発・販売し、大手百貨店の催事に出店して試供品の提供と消費者アンケート調査を行った。

加工機電動石臼製粉機

新しい製品・サービス:“せときらら”の食パン“一尺二寸”

事業の効果

自社で小麦の栽培から製粉、パンの製造・販売まで一貫して行える体制が整った。食パン“一尺二寸”は平成30年度の五つ星ひょうごに選定され、マスコミにも多く取り上げられた。今では毎日完売する人気商品となっている。大手百貨店の催事に定期的に出店するようになり、販路も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成25年頃からの試験栽培を経て28年に本格栽培、30年に2号店で生産設備導入と、一貫した経緯が時系列で書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一般的な国産小麦は香ばしさに欠け膨らみが弱いという課題と、せときららで差別化する考えは読み取れるが、市場データや競合比較はない。

  • 課題の認識と解決4

    国産小麦の香り不足やたんぱく質不足という課題を認識し、自社栽培から製粉、製パンまで一貫させる解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間3トン程度の収量や2箇所での栽培はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7人、2号店運営、百貨店催事の継続出店という事実はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    シンプルで飽きない、カロリー過多にならないという顧客価値が明確で、毎日完売する人気や消費者アンケートがニーズの裏付けとなっている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として知名度向上と小麦の増産が挙げられているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    クラウドファンディングで機器購入資金を調達した事実はあるが、資本金100万円などの財務状況や金融機関からの調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    兵庫県内産初の小麦新品種せときららを使い、全国でもめずらしい栽培から商品化までの一貫体制で、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の小麦栽培を手がけ南あわじ市と稲美町で展開する点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    導入設備による生産力増強は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    無農薬栽培、天日干し、低温石臼製粉と独自の製法は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    兵庫県内産の新品種を地域の南あわじ市と稲美町で栽培し、五つ星ひょうごに選定された地域特性を活かした事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

“一尺二寸”のさらなる知名度向上と、小麦“せときらら”の生産体制の拡充・増産を進める。

事業者の声

手間と時間がかかっても、シンプルで安全なものが美味しいということに、皆が気づき始めている今だからこそ、向き合える製法だと信じています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。