ものづくり補助金平成27年度農業、林業兵庫県

夏越し通年栽培による地域密着型高収益トマトビジネスモデルの確立

株式会社みつヴィレッジ

成果収量(平均比) 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 小さな経営面積で高収益を得ることが重要な課題である。
  • プロバイオシスと植物生理学に基づく農法を導入し、酵素等を活用して細菌や微生物と共生させることで、病害虫に強い植物を育てた。
  • 収量(平均比) 1倍→2倍。高品質・高収量の生産体制を確立し、収量は平均の約2倍となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社みつヴィレッジ
所在地兵庫県 姫路市
業種農業
従業員数25人
資本金200万円
設立2014年

事業の背景

法人の農業参入事業として始まった株式会社みつヴィレッジは、網干造船所の農業参入事業としてトマト栽培を開始し、現在は農業法人として独立している。トマトは最新技術の導入が進み競争が激しい品目であり、大規模な経営面積での事業は経営リスクが高かった。近年は法人の農業参入が増えているが、大規模な投資をしても赤字になることは珍しくない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小さな経営面積で高収益を得ることが重要な課題である。
  • コスト・採算法人の農業参入は初期投資が高く、収穫量や品質が想定以下、販売単価が低いなどで黒字にならないことが多い。
  • 販路・情報発信トマト市場は競争が激化しており、広域販売による価格競争に陥りやすい。

やったこと

プロバイオシスと植物生理学に基づく農法を導入し、酵素等を活用して細菌や微生物と共生させることで、病害虫に強い植物を育てた。ハウス内の気温、湿度、気流、二酸化炭素、水分量などの環境因子をIT管理し、毎週の管理計画を作成するとともに、異常の検知から原因究明、解決方法までデータとして管理して栽培に活かした。販売では広域販売ではなく地元に絞り、コンセプトやストーリー性、社会性を訴求する手法を確立して価格競争を避けた。さらに、農業参入を支援するコンソーシアムを形成し、支援企業の株式会社JAMPSとともに、農地選定、事業計画、施設計画、栽培サポート、販売サポートまでを一貫して行う体制を構築した。

ソフトIoT環境管理システム(センサー・データ管理)

事業の効果

  • 収量(平均比) 1倍→2倍
  • 販売単価(平均比) 1倍→2倍
  • 経営面積10aあたりの収益(業界平均比) 1倍→4倍

高品質・高収量の生産体制を確立し、収量は平均の約2倍となった。地元商圏と直接販売の比率を高めたことで販売単価も平均の約2倍となり、経営面積10aの収益は業界平均の4倍以上になった。顧客が求める情報を精査してPRを行うことで販売促進にもつながっている。さらに、法人の農業参入支援コンソーシアムを形成し、自社のデータやノウハウを他社の参入支援に活かしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    網干造船所の農業参入事業として始まり、トマト栽培から開始したとあるが、事業戦略上の位置づけは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元に絞った販売やトマト市場の価格競争への言及はあるが、競争優位の源泉を経営資源と結びつけて示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    小さな経営面積での高収益化という課題を明示し、収量が平均の約2倍、販売単価も約2倍と結果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    収量が平均の約2倍、販売単価が平均の約2倍、10aの収益が業界平均の4倍以上と数字で目標達成の実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員25人、コンソーシアムの支援企業との連携が書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元商圏と直接販売の比率向上、コンセプトやストーリー性で訴求する手法など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として体験・観光・飲食などの方向性は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    地元に絞った高単価販売や高品質トマトの価値訴求で、同分野の中で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    法人の農業参入支援による新規参入者の増加や農業の可能性への言及はあるが、国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    収量・単価がそれぞれ約2倍、収益が業界平均の4倍以上と成果は示されるが、補助金投入額との対比はない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる環境管理やデータ活用、コンソーシアムによる他社支援が書かれ、地域やサプライチェーンへの貢献が一部うかがえる。

政策面70%
  • 成長分野への進出2

    農業参入の増加や農業を主軸とした事業展開に触れるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及5

    姫路・網干区の地域に絞った地元商圏販売、地域での農業ビジネス展開が具体的に書かれ、地域の特性を活かした事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

トマトとイチゴの2つのビジネスモデルの精度を高め、自社の発展とともに新規参入者の支援を拡大していく。姫路を中心に、体験、観光、農育、飲食など農業を主軸にしたビジネスを展開していく。

事業者の声

農業の可能性を追求し、日本で儲かる農業を作っていきたい。それが出来ればアジア、ヨーロッパ、アメリカと展開し、最終的にはアフリカまで到達し、世界の食糧事情改善につなげていくことが夢です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。