ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

国産農水産物を用いた和食惣菜をイスラム教徒に提供するための製造環境整備事業

日乃本食産株式会社

この事例のポイント

  • イスラム教徒向けに提供できるハラール対応の和惣菜の商品開発が進んでいなかった。
  • 本社工場と第一工場でハラールキッチン認証を取得し、神戸フルーツ・フラワーパーク内に第二工場を設置して、原材料となる地場農産物の下処理専用工場とした。
  • ハラール対応の認証取得と第二工場の立ち上げにより、ホテルや大学、機内食などの新たな取引先との商談が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名日乃本食産株式会社
所在地兵庫県 三田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数53人
資本金6,600万円
設立1985年

事業の背景

当社は胡麻豆腐やくず餅などの和食品を製造し、一流ホテルや料理店のOEM製造を多く手掛けており、料理のおいしさは高く評価されていた。ユネスコ無形文化遺産に和食が登録されて以降、和食に関心を示す外国人が増え、当社への問い合わせも増加した。訪日外国人観光客の増加や2020年東京オリンピックを見すえ、ハラール対応の需要が高まると予想された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術イスラム教徒向けに提供できるハラール対応の和惣菜の商品開発が進んでいなかった。
  • 販路・情報発信ハラール対応の製造体制がなく、ホテルや大学、機内食などの新たな取引先との商談の機会が限られていた。

やったこと

本社工場と第一工場でハラールキッチン認証を取得し、神戸フルーツ・フラワーパーク内に第二工場を設置して、原材料となる地場農産物の下処理専用工場とした。第二工場もハラールキッチン認証を取得し、工場規模のキッチン認証は機内食以外では初の認証となった。補助金により第二工場にプロトン凍結機やレトルト殺菌機などの最新調理機器を導入し、ハラール対応食を量産できる体制を整えた。既存の調理技術を応用し、従来品と同等以上の味を持つハラール和惣菜を開発した。

新しい製品・サービス:ハラール対応の和惣菜

事業の効果

ハラール対応の認証取得と第二工場の立ち上げにより、ホテルや大学、機内食などの新たな取引先との商談が実現した。日々引き合いが増え、大手食品メーカーからの共同開発依頼も増加している。ハラール対応によりホテルや飲食店は調理以外のサービスに注力でき、トータルサービスの向上につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値国内初のハラール専用工場で、機内食以外では初となる工場規模のキッチン認証を取得しており、新市場性が際立つ。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ハラール対応は美味しくないというイメージを払拭する味を目指し、大手食品メーカーから共同開発依頼が増えるなど、強みを活かした優位性が見られる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けホテル、大学、機内食などからの商談実現や問い合わせ増加が書かれ、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの具体的な目標値が示されておらず、実現可能性を判断する数値が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存事業で培った高い調理技術や独自ノウハウを応用し、ハラール対応食の開発に取り組んでおり、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハラール対応は美味しくないというイメージを払拭する味を目指し、大手食品メーカーから共同開発依頼が増えるなど、強みを活かした優位性が見られる。

  • 課題の認識と解決3

    ハラール対応の需要増と訪日外国人増加を課題・機会として捉え、ISO/FSSC22000取得を進めるなど対応策が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値が示されておらず、実現可能性を判断する数値が薄い。

  • 事業を進める体制3

    既存工場の運営実績があり、第二工場の立ち上げと認証取得を実際に進めた経緯から、遂行体制が一定程度確認できる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ホテル、大学、機内食などからの商談実現や問い合わせ増加が書かれ、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ハラールキッチン認証の取得時期や第二工場の立ち上げ順序など、段階的な遂行経過が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    国内初のハラール専用工場で、機内食以外では初となる工場規模のキッチン認証を取得しており、新市場性が際立つ。

公的補助の必要性4.0
  • 波及効果・雇用4

    ユネスコ無形文化遺産の和食を世界に広げる『和食のバリアフリー化』を掲げ、国際的な食文化の普及と波及効果が見込まれる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    プロトン凍結機など最新技術設備を導入し、ハラール対応の技術基盤を地域の農産物活用と結びつけて整備している。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    訪日外国人増加や海外市場の拡大を見据え、和食の輸出を含む市場拡大を狙う点が読み取れる。

  • 地域経済への波及4

    兵庫県の地場農産物を原料として活用し、神戸の施設内に第二工場を設けるなど地域特性を活かしている。

今後の展望

今後はハラールに加えて7大アレルゲンを排除したアレルゲンフリー惣菜や、ベジタリアン対応和惣菜セットの開発を進め、バリアフリー惣菜として広めていく計画である。

事業者の声

食文化はその国のアイデンティティーの集約であり、一番国柄を表すものです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。